年収550万円の手取りはいくら?内訳を1円単位まで分解して計算する(月約35.5万・手取り率77.4%)

2026-08-19 | 手取り 税金 家計

便利箱編集部 | 編集方針・情報の確認

「年収550万円。手元に残るのはいくら?」——年収500万円と600万円のちょうど中間。転職の年収交渉、住宅ローンの借入上限、子どもの教育資金を考えるうえで、この数字が必要になる場面は多いのに、ネットで検索すると「約425万円」という結論だけが並び、どうやってその数字になったのかが書かれていないことがほとんどです。

この記事では、会社員・独身・扶養なし・40歳未満(介護保険料なし)を前提に、給与所得控除 → 社会保険料 → 所得税 → 住民税の順で、実際の計算式と数値をすべて追します。自分の年収で試したい場合は 手取り計算ツール に金額を入れれば同じロジックで即座に出ます(入力はどこにも送信されません)。

結論:年収550万円の手取りは約425万円(月約35.5万円)

項目金額備考
年収(額面)5,500,000円賞与含む総支給額
給与所得控除▲1,540,000円収入×20%+44万円(速算表)
社会保険料▲約797,500円健康保険・厚生年金・雇用保険(給与の約14.5%)
所得税(復興税込)▲約174,335円累進課税・税率10%区分
住民税▲約273,250円所得割10%+均等割5,000円
手取り約4,254,915円月あたり約354,600円/手取り率約77.4%

ここからが本題です。なぜこの金額になるのか、順に計算します。

ステップ1:給与所得控除は154万円

会社員には経費の代わりに給与所得控除が自動で認められます。所得税法の速算表では、収入金額 3,600,001円〜6,600,000円 の区分は次の式です。

給与所得控除 = 収入金額 × 20% + 440,000円

年収550万円なら 5,500,000 × 0.2 + 440,000 = 1,540,000円。よって課税のベースとなる給与所得は

5,500,000 − 1,540,000 = 3,960,000円

注意点:この控除は「実際に使った経費」とは無関係で、領収書も不要です。逆に言えば、通勤用のスーツ代や書籍代を別に経費計上することは原則できません(特定支出控除は要件が非常に厳しく、実務ではほぼ使えません)。

ステップ2:社会保険料は約79.75万円(税金より重い)

見落とされがちですが、年収550万円クラスでは社会保険料が所得税・住民税の合計より大きいのが実態です。内訳の目安は次のとおりです。

合計でおよそ給与の14.5%=約79.75万円。手取りツール(手取り計算ツール)も「会社員なら年収×14.5%」でこの金額を出しています。40歳以上になると介護保険料(約0.9%の半分)が加わり、手取りはさらに年2万円強下がります。

注意点:社会保険料は「標準報酬月額」という等級表に当てはめて決まるため、実際は年収に比例した滑らかな数字にはなりません。また厚生年金には上限(標準報酬月額65万円)があり、高年収では料率の実効値が下がります。ここでは概算として率で計算しています(出所の詳しい求め方は社会保険料の計算方法の記事へ)。

ステップ3:所得税は約17.4万円

所得税の課税所得は、給与所得から所得控除を引いて求めます。独身・扶養なしなら基礎控除48万円と社会保険料控除だけです。

課税所得 = 3,960,000 −(社会保険料 797,500 + 基礎控除 480,000)= 2,682,500円

課税所得 1,950,000円〜3,299,000円 の区分は税率10%・控除額97,500円です。

2,682,500 × 10% − 97,500 = 170,750円

これに復興特別所得税2.1%が上乗せされます。

170,750 × 1.021 ≒ 174,335円

ここが誤解の多いポイント:「年収550万円だから税率20%」ではありません。税率が掛かるのは課税所得268万円に対してで、しかも累進課税なので195万円までの部分は5%、超えた分だけ10%です(速算表の控除額97,500円がその調整)。額面年収に税率を掛けると、実際の3倍以上の税額を誤算します。次の所得税率アップ(20%)は課税所得330万円超、すなわち年収約695万円からです。

ステップ4:住民税は約27.3万円

住民税は所得税と控除額が違います。基礎控除は43万円(所得税は48万円)が原則ですが、手取りツールは簡略化のため48万円で計算しているため、ここでも48万円を使って住民税の計算を組み立てます(実際のあなたの住民税は数千円低くなります)。

課税所得 = 3,960,000 −(797,500 + 480,000)= 2,682,500円
所得割 = 2,682,500 × 10% = 268,250円
+ 均等割 5,000円 = 約273,250円

注意点:住民税は前年の所得に対して翌年6月から課税されます。つまり昇給で年収が550万円になった年は、本業分だけの住民税が引かれ、550万円分の負担は翌年から始まります。この1年遅れのタイムラグを忘れると、「翌年の手取りが急に減った」と驚くことになります(住民税の計算方法も参照)。

ステップ5:手取りを合計する

5,500,000 −(797,500 + 174,335 + 273,250)= 4,254,915円

月あたり 約354,600円、手取り率は 約77.4%。よく言われる「手取りは年収の約8割」は、この年収帯(500万〜600万円)ではほぼ正しい目安です。ただし年収が上がると累進課税と控除の縮小で手取り率は落ち、年収1,000万円では7割強まで下がります。

年収500万・550万・600万・700万・800万・1000万で比べる(手取り率の低下)

年収手取り(年)月額手取り率
500万円約389万円約32.4万円約77.9%
550万円約425万円約35.5万円約77.4%
600万円約462万円約38.5万円約76.9%
700万円約529万円約44.1万円約75.6%
800万円約591万円約49.3万円約73.9%
1000万円約712万円約59.3万円約71.2%

年収550万→600万で手取りは約36万円増えますが、手取り率は77.4%→76.9%と0.5ポイント下がります。これは「給与所得控除の縮小」と「累進課税(社会保険料の伸び)」の両方が効いているためです。昇給の交渉や転職の年収シミュレーションでは、「額面の増え方」以上に「手取りの増え方」を確認するのが鉄則です。

この金額から何ができるか(具体例)

よくある誤算3つ

  1. 額面に税率を掛けてしまう:課税所得は給与所得控除・社会保険料控除・基礎控除を引いた後の金額です。550万円に10%を掛けると所得税を3倍以上過大に見積もります(実際の所得税は約17.4万円、額面の約3.2%)。
  2. 賞与を月割りして考える:賞与ありだと月の額面が下がるので、月々の手取りは年間手取り÷12より少なくなります。生活費は「月給の手取り」で組むのが安全です。
  3. 住民税の1年遅れを忘れる:昇給・転職の翌年は手取りの伸びが鈍ります。年収が上がった年の翌6月に住民税が跳ねる前提で家計を組んでおくと事故が起きません。

注意事項

本記事の数値は概算です。実際の手取りは、健康保険の加入先(協会けんぽか組合健保か)、居住自治体、扶養親族の有無、生命保険料控除・iDeCo・住宅ローン控除などの適用によって数万円単位で変わります。とくに住民税の基礎控除(実際は43万円)や各種控除は、ご自身の状況で増減します。手取り計算ツールはこれらを簡略化した概算(基礎控除を48万円で計算)であるため、記事の数値と数千円前後異なる場合があります。正確な金額は源泉徴収票と住民税決定通知書で確認してください。制度の詳細は国税庁・お住まいの自治体の公式情報が最終的な根拠になります。

自分の年収で同じ内訳を見たい場合は 手取り計算ツール へ。すべてブラウザ内で計算し、入力した金額はどこにも送信されません。年収500万円・800万円・1000万円の内訳も、それぞれ年収500万円の手取り・年収800万円の手取り・年収1000万円の手取りの記事で確認できます。

よくある質問

年収550万円の手取りは月いくら?

会社員・独身・扶養なし・40歳未満の目安で、年間の手取りは約425万円、月あたり約35.5万円です。手取り率は約77.4%。賞与がある場合は月の額面が下がるため、月々の手取りはこれより少なくなります。

年収550万円の給与所得控除はいくら?

収入金額が3,600,001円〜6,600,000円の区分に当たるため「収入×20%+440,000円」で計算し、5,500,000円×20%+440,000円=1,540,000円です。

年収550万円の所得税はいくら?

給与所得396万円から社会保険料約79.75万円と基礎控除48万円を引いた課税所得約268万円に、税率10%・控除額97,500円を適用して170,750円。復興特別所得税2.1%を加えて約174,335円です。

年収550万円の住民税はいくら?

住民税の基礎控除は43万円(手取り計算ツールは簡略化で48万円)なので課税所得は約268万円。所得割10%で約26.8万円、均等割5,000円を足して約27.3万円が目安です(自治体で若干異なります)。

手取りを増やす方法はありますか?

iDeCoや小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、医療費控除、ふるさと納税(実質は前払いですが返礼品分が得)などで課税所得を下げるのが基本です。控除を使うほど所得税・住民税の両方が下がります。

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