複利の計算式(元本×(1+利回り)^年数)の意味と「72の法則」で資産が2倍になる年数を出す

2026-08-16 | 貯金複利 資産運用 節約 家計

便利箱編集部 | 編集方針・情報の確認

「複利ってすごいらしい」とは聞くけれど、いざ「計算式を書け」と言われると、「元本×(1+r)^n みたいな…?」で止まる人は多いのではないでしょうか。この記事では、定番の形 元本 × (1 + 利回り)年数 が「なぜそうなるか」を1から説明します。あわせて、電卓を叩かずに「いつ資産が2倍になるか」が分かる72の法則と、利回りごとの倍増年数の具体表もまとめます。

自分の数字で即座に試したい場合は複利積立シミュレーションツールに金額と利回りを入れれば、同じロジックで毎月積み立ての将来額が出ます。また100万円一括の複利や毎月3万円を20年積み立てた場合の具体例記事もあわせてどうぞ。

結論:複利の計算式と、利回りごとの「倍増年数」

最も基本の複利計算式は次のとおりです。

将来額 = 元本 × (1 + 年利回り)年数

そして、利回りごとに「元本が2倍になる年数」は次の表のようになります(後述の72の法則による概算と、実際のべき乗計算の両方)。

年利回り2倍になる年数(72の法則)2倍になる年数(正確計算)20年後の元本倍率
1%72年約70年約1.22倍
3%24年約23.4年約1.81倍
5%14.4年約14.2年約2.65倍
7%約10.3年約10.2年約3.87倍

ポイントは「利回りが2倍になっても、倍増年数は半分にはならない」こと。1%→2倍は72年ですが、7%なら約10年と、利回りの効き方が非線形(べき乗)であることが表から読み取れます。

ステップ1:(1 + 利回り) は「1年後に元本が何倍になるか」

式の中心にある (1 + 利回り) は、1年経過時点で元本が何倍になっているかを示します。

「利回りを小数(3%なら0.03)で書く」のがミソです。パーセントのまま 1+3 = 4 としてしまうと桁違いの間違いになるので注意が必要です。

ステップ2:べき乗(^年数)は「その倍率が何年続くか」

次に 年数 です。これは「(1+利回り) という倍率を、年数分だけ掛け合わせる」ことを意味します。

3年なら 1.03 × 1.03 × 1.03 = 1.033 ≒ 1.0927

つまり年利3%で3年なら、元本は約1.093倍(約9.3%増)になります。年数が増えるほど掛け合わせの回数が増え、増え方が加速していくのが「複利の力」の正体です。

ステップ3:元本を掛けて「絶対額」にする

最後に元本を掛けます。これで「倍率」が「実際の金額」になります。

100万円を年利3%で10年 → 1,000,000 × 1.0310 ≒ 1,000,000 × 1.3439 = 約1,343,900円

10年で約34万円増えます。この「1.03の10乗」の部分こそが、単利(100万×3%×10=30万増)とのわずかな差、つまり利息にさらに利息が付いた分です。年数が長いほどこの差はじわじわ開いていきます(詳細は100万円一括運用の単利との差を参照)。

単利との違い:なぜ複利は「雪だるま」と呼ばれるか

単利は「元本にだけ」利子が付き、利息には利息が付きません。複利は「元本+これまでの利息」すべてに利子が付きます。同じ年利3%でも、年数が長いほど差が開きます。

経過年数単利(元本100万・3%)複利(元本100万・3%)差額
10年130万円約134.4万円約4.4万円
20年160万円約180.6万円約20.6万円
30年190万円約242.7万円約52.7万円
40年220万円約326.2万円約106.2万円

20年までは「へえ、少し増えるね」程度ですが、40年で単利の1.5倍弱の差がつきます。これが「時間を味方につける」と言われる理由です。毎月3万円を20年積み立てた場合も、同じ複利の枠組みで将来額が膨らみます。

72の法則:電卓なしで「2倍になる年数」を見積もる

べき乗を計算するまでもなく、「元本が2倍になる年数」を手軽に見積もる経験則が72の法則です。

倍増年数 ≈ 72 ÷ 年利回り(%)

仕組みは対数近似(ln(2)≒0.693 を100倍して72に丸めたもの)です。実用的には次のように使います。

年利回り72の法則実際の2倍年数
1%72年約70年
2%36年約35年
3%24年約23.4年
4%18年約17.7年
6%12年約11.9年
8%9年約9.0年

利回りが低いほど(1%〜3%)実際の値との誤差が少し大きくなりますが、「ざっくり何年で倍になるか」を掴むには十分です。利回り1%台の普通預金では「72年でやっと2倍」なのに対し、物価上昇(インフレ)を考えると実質的には目減りしている点に注意が必要です(預金の税金については銀行預金の利息にかかる20.315%の税も参照)。

応用:3倍・4倍は「114の法則」「144の法則」

72の法則の仲間として、倍率ごとに「割る数」が決まっています。

年利3%なら、2倍は24年、3倍は約38年、4倍は約48年。これらも正確にはべき乗計算(例:3倍なら 1.03n=3 → n≒37.2年)で確かめられますが、目安として非常に便利です。

注意点:ここを飛ばすと誤解する

他のツール・記事とのつながり

この「元本×(1+r)^n」の枠組みは、実は家計のあちこちに現れます。

注意点:本記事の数値は、年利回りを一定・税・手数料を無視した単純化モデルです。実際の運用成果は市場の値動きで変動し、元本割れの恐れもあります。投資はご自身の判断と責任で行ってください。本記事は情報提供を目的とし、個別の投資助言に代わるものではありません。

よくある質問

複利の計算式はどう書きますか?

最も基本の形は「元本 × (1 + 年利回り)^年数」です。^ はべき乗(その数を年数分掛け合わせる)を意味し、利回りは「0.03」のように小数で書きます。年利3%で10年なら 元本 × (1.03)^10 ≒ 元本 × 1.344 となり、約34%増えます。毎月積み立てる場合はこれに「年金現価係数」が掛かる形になります。

複利と単利の違いは何ですか?

単利は「元本」にだけ利子が付く(利息に利息は付かない)のに対し、複利は「元本+これまでの利息」のすべてに利息が付きます。年数が長いほど差が開き、年利3%・20年で単利は1.6倍ですが複利は約1.81倍、40年で単利2.2倍に対し複利は約3.26倍になります。

72の法則とは何ですか?

「72 ÷ 年利回り(%)」で、元本が2倍になるおおよその年数が出せる経験則です。年利3%なら 72÷3=24年、年利6%なら12年で資産が2倍になります。正確なべき乗計算をするまでもなく、「いつ倍になるか」を手軽に見積もるのに便利です。

72の法則で3倍・4倍の年数は出せますか?

2倍は72の法則、3倍は約114の法則(114÷利回り%)、4倍は約144の法則(144÷利回り%)で近似できます。年利3%なら2倍24年・3倍38年・4倍48年、といった具合です。正確にはべき乗で求めるのが確実ですが、目安として十分使えます。

複利は住宅ローンではどう効きますか?

住宅ローンの「元利均等返済」も複利の仕組みです。借入残高に毎月の金利が乗り、それを返済額で払っていくため、返済初期は「利息ばかり」になります。運用の複利(資産が増える)とは逆向きの現象ですが、数学的には同じ (1+利回り)^n の枠組みです。

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