毎月3万円を複利で20年積み立てるといくらになる? 単利との差と計算根拠を具体例で
「毎月3万円、20年続けたら結局いくら貯まるの?」——家計の見直しや結婚・出産・老後の資金計画で、この数字が必要になる場面は多いはずです。けれどネットで検索すると「積立は大切です」という精神論ばかりで、実際にいくらになるか、その根拠が書かれていないことがほとんどです。
この記事では、もっとも典型的な毎月3万円・20年を例に、複利の計算式から実際の数値を出し、単利との差を確認します。自分の金額で試したい場合は複利積立シミュレーションに数字を入れれば、同じロジックで即座に出ます。
結論:20年で720万〜1,100万円(年利で変わる)
| 年利 | 総額(20年) | 元本 | 運用差益 | 倍率 |
|---|---|---|---|---|
| 0%(利息なし) | 7,200,000円 | 7,200,000円 | 0円 | 1.00倍 |
| 2% | 約8,843,900円 | 7,200,000円 | 約1,643,900円 | 1.23倍 |
| 4% | 約11,003,200円 | 7,200,000円 | 約3,803,200円 | 1.53倍 |
月3万円×12ヶ月×20年 = 元本720万円。利息がつかなければこれで終わりですが、年利2%でも約144万円、年利4%なら約380万円が「ただ積み立てただけ」で上乗せされます。ここからが本題です。なぜこの数字になるのか、計算式を順に追います。
ステップ1:複利の計算式(普通年金終価の公式)
毎月決まった額を積み立て、そこに利息が複利でつく場合、将来の総額は次の式で求められます。
F = a × {(1 + r)^n − 1} ÷ r
ただし a = 毎月の積立額、r = 月利(年利 ÷ 12)、n = 月数(年数 × 12) です。この式は「毎月の積立が、それぞれの残り期間ぶん複利で増える額を全部足し合わせたもの」です。
月3万円・年利4%(月利0.003333…)・240ヶ月(20年)なら、
30,000 × {(1 + 0.003333)^240 − 1} ÷ 0.003333 ≒ 11,003,200円
この式のポイント:積立は「毎月預けた分が、それぞれ少しずつ長さの違う期間ぶん増える」ため、最初に預けた3万円はちょうど20年分増え、最後に預けた3万円はほとんど増えません。全部を平均すると、上の式になるわけです。年利0%なら r=0 で分母が0になるので、単純に a×n=720万円となります(ツール側でも0%はそのように処理しています)。
ステップ2:具体数値例を期間・年利で比べる
期間と年利を変えると総額がどう開くか、同じ月3万円で確認します。
| 年利 | 10年 | 20年 | 30年 |
|---|---|---|---|
| 0% | 3,600,000円 | 7,200,000円 | 10,800,000円 |
| 2% | 約398万円 | 約884万円 | 約1,478万円 |
| 4% | 約442万円 | 約1,100万円 | 約2,082万円 |
注目すべきは、年利4%・30年では総額が元本の約1.9倍になる点です。10年目の倍率1.23倍から比べると、期間が長くなるほど複利の効き方が急激に大きくなるのがわかります。10年では「へぇ、ちょっと増えたね」ですが、30年では「ただ積み立てただけで約1,000万円も上乗せ」という規模になります。
ステップ3:単利との差(一括100万円の例)
「複利って単利とどれくらい違うの?」を、もっと直感的に見るために、一括で100万円を年利3%で30年預ける場合を比べます。
複利:1,000,000 × (1 + 0.03)^30 ≒ 2,427,300円
単利:1,000,000 × (1 + 0.03 × 30) = 1,900,000円
差:約527,300円
30年で約53万円の差です。期間が長いほど、また積立のように毎年新しい元本が加わるほど、この差は雪だるま式に大きくなります。毎月積み立てると、単利との差はもっと開きます(ステップ2の「運用差益」の列がそれにあたります)。
ステップ4:72の法則で「倍になる年数」を暗算
「年利○%なら、何年で元本が倍になる?」をぱっと出すのが72の法則です。
倍になる年数 ≒ 72 ÷ 年利(%)
年利4%なら 72 ÷ 4 = 約18年で元本が倍、年利6%なら12年、年利2%なら36年。これを覚えておくと、「自分のペースで何年で目標額に達するか」を頭の中で見積もれます。ただしこれは「一括元本」の目安であり、毎月積み立てる場合は新しい元本が足される分、さらに早く目標に近づきます。
複利を効かせる3条件
- 長く:期間が2倍になっても総額は単純には2倍にならず、複利効果でそれ以上に伸びます(ステップ2参照)。
- 高い利回りで:年利2%と4%では30年で総額が約1,478万円と約2,082万円、差は約600万円に開きます。
- 毎月欠かさず:一度抜けると、その分の元本と、それに乗るはずだった複利が両方消えます。「止めない」ことが最大の力です。
貯金(預金)と投資の違いを踏まえる
ここまでの数字は「年利○%がずっと約束通りつく」という仮定の話です。現実には、銀行預金は元本保証される代わりに金利が極めて低く(2026年現在、普通預金は0.001%程度、定期でも1%前後)、複利の力がほとど働きません。一方、投資(投資信託・株・ETF等)は複利が効きやすい反面、元本が減るリスクがあり、上の「年利4%」はあくまで目標・過去の平均的な例です。つまり「複利を活かす」かぎは、リスクを取るか(投資)、取らないか(預金・低金利)のどちらを選ぶかと、そのうえで期間を長く取るかにかかっています。
よくある誤算3つ
- 「年利4%」を確約だと思い込む:預金の金利は変動し、投資の利回りは保証されません。計画は「目安」として立て、実績は下ぶれも想定しておきます。
- インフレを忘れる:20年後に1,100万円貯まっても、物価が2倍になっていれば実質の価値は半分です。名目額と「実質(物価調整後)額」を分けて考えるのが、長期計画の鉄則です。
- 途中で引き出してしまう:複利は「止めない」ことが効くので、生活防衛資金(すぐ使うお金)とは別口座に分け、手を出さない仕組み(自動積立など)を作るのが有効です。
手取り・ローンとの兼ね合い
毎月3万円を積み立てるには、まず「手元にいくら残るか」が先決です。年収から税金・保険料を引いた手取りを把握し、その範囲で無理なく積み立てるのが継続のコツです。住宅ローンと並行するなら、住宅ローン計算で返済後の余力を確認し、同時にふるさと納税の上限も押さえておくと、家計全体の無駄が減ります。
注意事項
本記事の数値は概算のシミュレーションです。実際の預金金利・投資の利回りは変動し、為替や手数料、税金(譲渡益税等)によって受取額は数万〜数百万円単位で変わります。投資には元本欠損のリスクがあり、過去の利回りは将来を保証しません。最終的な運用方針は、ご自身のリスク許容度と、必要に応じて独立した金融アドバイザー等の専門家にご確認ください。制度の詳細は金融広報中央委員会等の公式情報が最終的な根拠になります。
自分の金額で同じ内訳を見たい場合は 複利積立シミュレーションへ。すべてブラウザ内で計算し、入力した金額はどこにも送信されません。
よくある質問
毎月3万円を20年積み立てると総額はいくら?
年利がつかない(年利0%)なら元本の720万円です。年利2%なら約884万円(運用差益約144万円)、年利4%なら約1,100万円(運用差益約380万円)になります。毎月の積立額と年利・期間は複利積立シミュレーションで変えて試せます。
複利の計算方法は?
毎月積み立てる場合は「普通年金終価の公式」F = 毎月額 × {(1+月利)^月数 − 1} ÷ 月利 を使います。月利 = 年利 ÷ 12、月数 = 年数 × 12 です。一括で預ける場合は 元本 × (1+年利)^年数 です。
複利と単利の違いは?
単利は元本だけに利息がつくのに対し、複利は「これまでに増えた利息」にもさらに利息がつくため、長期ほど差が開きます。一括100万円を年利3%・30年預けた場合、複利なら約242万円になるのに対し単利は190万円で、差は約53万円になります。
複利を最大に効かせるには?
「長く(期間)」「高い利回りで(年利)」「毎月欠かさず(継続)」の3つです。年利4%なら「72の法則」により約18年で元本が倍になります。期間が長いほど、また年利が高いほど、複利の効き方は急激に大きくなります。
貯金(預金)と投資の違いは?
銀行預金は元本が保証されますが、現在の金利は極めて低く、複利の力がほとど働きません。投資(投資信託・株など)は複利が効きやすい代わりに、元本が減るリスクがあります。目標と許容できるリスクで使い分けてください。