出産手当金(産休手当)はいくらもらえる? 支給額の計算式(標準報酬日額×3分の2)と手取りとの違いを1円単位で解説

2026-08-20 | 出産手当金 産休手当 健康保険 産前産後休業 手取り 社会保険

便利箱編集部 | 編集方針・情報の確認

「産前産後休業(産休)をとると、給料はどうなるの? 出産手当金(産休手当)っていくらもらえるの?」——新しい命を迎える喜びの一方で、妊婦さんとご家族が誰もが気にするのが「産休中の家計の収入」です。ネットで調べると「産休中は給料の3分の2がもらえる」という言葉は出てきますが、「その『給料』は手取りのことか、それとも標準報酬月額のことか」「実際に何日分支給されて、総額はいくらか」「育休手当(育児休業給付金)とどう違うのか」を、具体的な数字で追っている記事は意外と少ないものです。

この記事では、健康保険から支給される出産手当金(産休手当)について、支給額の計算式の根拠・支給日数の決まり方(産前42日+産後56日)・手取りとの違い・育休手当とのつながりを、具体数値(年収500万円の会社員)でわかりやすく解説します。自分の数字で確かめたい場合は 手取り計算ツール で、産休明けの収入は 育休手当の計算記事 で確認できます。

📌 結論ファースト:出産手当金は、直近の標準報酬日額(実務上 標準報酬月額÷30)× 3分の2 が1日あたりの支給額で、産前42日+産後56日(標準的には計98日)の休業日数分もらえます。年収500万円(標準報酬月額 約37万円)なら、月額約24.7万円・98日で総額約80.6万円が目安です。健康保険からの支給で非課税、手取り(控除後)より高くなる場合があります。

出産手当金(産休手当)とは何か

出産手当金は、会社の健康保険(協会けんぽ・組合健保)に加入している被保険者が、出産のための産前産後休業(産休)をとったときに、健康保険から支給される給付金です。法律の根拠は健康保険法です(育休手当の根拠である雇用保険法とは別)。この記事で扱うのは、公的な出産手当金です(会社独自の出産手当がある場合は別途上乗せされます)。

制度根拠支給する保険支給される期間
出産手当金(産休手当)健康保険法健康保険(協会けんぽ・組合健保)産前42日+産後56日
育児休業給付金(育休手当)雇用保険法雇用保険子が1歳(最大2歳)まで

「産休」と「育休」は続けてとるのが一般的です。産休(出産手当金)が終わったあと、育児のための育休(育児休業給付金)にそのままつながります。計算ベース(標準報酬月額×3分の2)はよく似ていますが、管轄する制度が違うため、ここでは「産休の分」に絞って解説します。

支給額の計算式(根拠)

出産手当金の支給額は、次の式で求めます。

出産手当金(総額)= 標準報酬日額 × 3分の2 × 休業日数

「標準報酬日額」は、直近12ヶ月の標準報酬月額の合計額を 360 で割って求められます。実務上は「標準報酬月額 ÷ 30」とほぼ同じ額になるため、本記事でも標準報酬月額÷30で概算します。

1日あたりの支給額 = 標準報酬日額 × 2/3 = (標準報酬月額 ÷ 30)× 2/3 = 標準報酬月額 × 1/45

つまり、月額の目安は「標準報酬月額の3分の2」になります。これは育休手当の最初の180日と同じ率です。高所得の方は標準報酬月額に上限(健康保険の等級上限)があるため、その分で頭打ちになります。

具体数値例:年収500万円の会社員の場合

年収500万円の会社員(標準報酬月額を 37万円 と仮定)が産休をとる場合を計算します。産前産後休業の標準的な日数は 産前42日+産後56日=98日 です。

項目金額計算
標準報酬月額370,000円年収500万円の等級(目安)
標準報酬日額12,333円370,000 ÷ 30
1日あたりの支給額8,222円12,333 × 2/3
月額の目安約246,700円370,000 × 2/3
総額(98日分)約806,000円8,222 × 98

つまり、年収500万円の方が標準的な産休(98日)をとると、月額約24.7万円のペースで、総額約80.6万円の出産手当金が支給される目安になります。産前42日+産後56日の日数は「出産予定日」を基準に決まるため、個人の出産時期によって前後します(例:産前休業を42日より短くとることも可能で、その分総額は変わります)。

ステップ:手取りとどう違うか

年収500万円の会社員の、通常時の手取りは月額 約20.5万円 です(年収500万円の手取りを1円単位まで分解した記事を参照)。出産手当金と比べると……

時期通常の手取り出産手当金(月額目安)
通常時約205,000円—
産休中(98日)—約246,700円

「産休中のほうが、手取りより出産手当金のほうが多い」のがポイントです。これは、出産手当金が「手取り(各種控除後の額)」ではなく「標準報酬月額(控除前の保険料算定ベース)の3分の2」で計算されるためです。さらに産休中は厚生年金保険料・健康保険料が免除になることが多いため、手元に残る額はより有利になります。また出産手当金は非課税のため、所得税・住民税も引かれません。

支給日数(産前42日+産後56日)はどう決まるか

産前産後休業の日数は、「出産の日をはさんで、その前42日(多胎妊娠は98日)と、後56日」が原則です。

つまり標準的な「98日」は、「産前42日をフルにとり、産後56日まで休んだ」場合の日数です。産前を短くとれば、その分総額は下がります。

注意点:見落としやすい落とし穴

関連ツールでさらに計算を深める

産休中の家計を「手取り」の観点で見直すなら 手取り計算ツール、産休明けからの収入と子どもの成長に合わせた備えをシミュレーションするなら 複利積立シミュレーション もどうぞ。育休手当(育児休業給付金)の額を確かめるなら 育休手当の計算記事、児童手当の支給額は 児童手当の記事、病気・ケガで休むときの給付なら 傷病手当金の記事、社会保険料の仕組みは 社会保険料の計算記事 をご覧ください。いずれもブラウザ内で計算し、入力した金額はどこにも送信されません。

よくある質問

出産手当金の支給額はどうやって決まりますか?

健康保険から支給され、直近12ヶ月の標準報酬月額をもとにした「標準報酬日額」(実務上は標準報酬月額÷30)の3分の2を、休業1日あたりの額として休業日数分もらえます。つまり標準報酬月額の「3分の2」が月額の目安になります(年収500万・標準報酬月額37万なら月約24.7万円)。支給期間は産前42日+産後56日の標準的な98日で、総額は約80.6万円になります。

出産手当金と育休手当(育児休業給付金)の違いは?

出産手当金は「健康保険」から、産前産後休業の期間(産前42日+産後56日)に支給されます。その後、育児のための育児休業をとると「雇用保険」から育児休業給付金(育休手当)が支給されます。管轄する制度(健康保険法/雇用保険法)も、支給される期間の意味も違いますが、計算ベース(いずれも標準報酬月額×3分の2)はよく似ています。

国民健康保険でももらえますか?

いいえ。出産手当金を支給するのは会社の健康保険(協会けんぽ・組合健保)のみです。自営業等の国民健康保険にはこの制度はありません(国民健康保険には「出産育児一時金」という別の給付があります)。

税金はかかりますか?

出産手当金は健康保険の給付なので非課税です。所得税・住民税の対象にならず、確定申告や年末調整の必要もありません。

[ 広告枠 / Google AdSense ]

‹ ブログ一覧へ