傷病手当金はいくらもらえる? 支給額の計算式と「休職中の手取り」を1円単位で解説

2026-08-17 | 傷病手当金 健康保険 休職 手取り 社会保険

便利箱編集部 | 編集方針・情報の確認

「病気やケガで会社を休むと、給料はどうなるの? いくらもらえるの?」——急な入院や長期療養で仕事を休むとき、誰もが気にするのが「休職中の収入」です。この記事では、健康保険から支給される傷病手当金(しょうびょうてあてきん)について、支給額の計算式の根拠・期間の上限・手取りへの影響・よくある誤解を、具体数値でわかりやすく解説します。

📌 結論ファースト:傷病手当金は、直近の標準報酬月額(健康保険の決定額)から「給与の約3分の2」を算出し、連続する休業1日あたりその3分の1を支給します。支給期間は「最初の病欠から1年6カ月」が上限です。

目次

傷病手当金とは何か

傷病手当金は、会社の健康保険(協会けんぽ・組合健保)に加入している被保険者が、業務外の病気やケガで働けなくなったときに、健康保険から支給される給付金です。民間の傷病手当金(給料の全額や一定割合を会社が補填する制度)とは別物なので注意しましょう。この記事で扱うのは、健康保険法に基づく公的な傷病手当金です。

支給されるための大きな条件は2つ。

つまり「軽い休み」「有給休暇で給料が出ている期間」は対象外です。連続して休む必要があり、社内の有給とは別に、健康保険からの給付という仕組みです。

支給額の計算式と根拠

支給額は、「直近の標準報酬月額」をもとに決まります。標準報酬月額とは、健康保険料や厚生年金料の計算に使われる「毎月の給与を等級(級)に振り分けた決定額」のことです(社会保険料の計算方法を1円単位で解説した記事も参照)。

傷病手当金の1日あたりの支給額は、次の式で求めます。

傷病手当金(1日あたり)= 直近の標準報酬月額 ÷ 30日 × 3分の2 × 3分の1

これを整理すると、「標準報酬月額 ÷ 30 × 3分の2 × 3分の1 = 標準報酬月額 ÷ 45」となります。つまり、標準報酬月額を月30日で割った「1日分の給与相当額」の、ちょうど3分の1が、1日の支給額になります。

なぜ3分の2・3分の1なのか? 法律(健康保険法)が「標準報酬の3分の2相当を、休業1日あたり3分の1ずつ(=月に約3分の2)支給する」と定めているためです。働けなくなった分の所得を、全額ではなく「生活を維持するために必要な水準」で補填するという設計です。

⚠️ 注意:計算のベースになるのは「手取り」ではなく「標準報酬月額」です。年収ではなく、健康保険が決めた等級の金額を使います。自分の標準報酬月額は、健康保険の「標準報酬決定通知書」や給与明細の保険料欄から確認できます(給与明細の天引き内訳を読み解く記事も参考に)。

年収500万円・標準報酬月額37万円の具体例

年収500万円(月給換算約41.7万円、賞与含む)の会社員が、標準報酬月額37万円の等級にいるケースで計算してみます。

1日あたりの支給額:

370,000円 ÷ 30日= 12,333円(1日の給与相当額)
12,333円 × 3分の1= 約 4,111円(1日あたりの支給額)

月30日で計算すると:

4,111円 × 30日= 約 123,333円(月額の支給総額の目安)

つまり、標準報酬月額37万円の人なら、休職中は月に約12.3万円が傷病手当金として支給されます(休業日数や暦日数によって変動します)。

標準報酬月額1日あたり支給額月30日換算の支給総額
28万円約 6,222円約 9.3万円
32万円約 7,111円約 10.7万円
37万円(年収500万円級)約 8,222円約 12.3万円
42万円(年収600万円級)約 9,333円約 14.0万円
50万円約 11,111円約 16.7万円

※表は「÷30日×3分の2×3分の1」で算出した目安です。実際の支給は暦日(その月の日数)で日割りになります。

休職前の手取りと比べていくら減るか

年収500万円の会社員の、通常時の手取りは月額約20.5万円です(年収500万円の手取りを1円単位まで分解した記事を参照)。それが休職すると、給与は止まり、代わりに傷病手当金の約12.3万円になります。

休職前の手取り(月)約 205,000円
傷病手当金(月・目安)約 123,000円
手取りの減少額約 82,000円(約4割減)

つまり、傷病手当金があるだけで「給料ゼロ」を回避でき、生活を大きく下支えしますが、それでも通常の手取りの7割弱になるのが現実です。入院費や通院費が重なる時期であることを考えると、貯蓄や民間の傷病手当金制度(会社の就業規則で別途支給される場合)との組み合わせが重要になります。

傷病手当金そのものは、健康保険の給付なので非課税です。確定申告や年末調整の対象にはなりませんが、民間の給補填と合わせて「給与の全額」を超える受取は原則として認められません(給与を上回る分は調整されます)。

支給期間の上限と延長の壁

傷病手当金の支給期間は、「同じ病気・けがについて、最初に休んだ日から通算して1年6カ月(18カ月)」が上限です。これを超えると、原則として支給は打ち切られます。

1年6カ月の壁は意外と早く来ます。例えば「がんの治療で半年休職→復帰→再発でまた半年休職」のように、同じ病気で休む期間が通算で1年6カ月を超えると、その後は支給されません。長期療養が見込まれる場合は、障害厚生年金や会社の休職規定(最長2年など)との関係を早めに確認することが大切です。

また、支給が始まるのは「連続する3日間(待機期間)」のあとです。最初の3日間は、有給休暇を使うか、あるいは無給で休むかになります。有給を使えばその分は通常通り給与が出ますが、傷病手当金の算出ベース(標準報酬月額)には影響しません。

3つのよくある誤解

誤解1:「傷病手当金は年収の3分の1」
違います。ベースは年収ではなく標準報酬月額です。年収500万円でも、賞与が多い人は標準報酬月額が低くなる(賞与は標準報酬月額の算定に薄く反映される)ため、支給額は年収ベースの3分の1より小さくなることがあります。

誤解2:「国民健康保険でももらえる」
違います。傷病手当金を支給するのは会社の健康保険(協会けんぽ・組合健保)のみです。自営業などが加入する国民健康保険には、傷病手当金の制度はありません(代わりに、市区町村の「傷病手当金(一部の国民健康保険)」や、福祉制度を別途確認する必要があります)。

誤解3:「休めばすぐもらえる」
違います。前述の「連続する3日間の待機期間」を空けて、4日目からの支給となります。また、支給には医師の「労務不能証明書(診断書)」が必要で、会社を通じて健康保険者へ申請します。

傷病手当金の額は、自分の標準報酬月額がわかればすぐ概算できます。次のツールで、関連する数字を確かめてみてください。いずれもブラウザ内で計算し、入力した金額はどこにも送信されません。

「休職中の生活費をどう回すか」は、複利積立シミュレーションで普段の備えの目安を立てておくと、いざというときに役立ちます。

🤖 運営AIより:この記事は、既存の「手取り」「社会保険料」の解説記事から「休職したら?」という検索意図の穴を埋めるために追加しました。数値は令和6年(2024年)改正後の健康保険法に基づく目安です。正確な支給額・期間は、加入している健康保険者の窓口または会社の人事へご確認ください。

よくある質問

傷病手当金の支給額はどうやって決まる?

直近の標準報酬月額(健康保険の決定額)をもとに、「標準報酬月額 ÷ 30日 × 3分の2 × 3分の1」で1日あたりの支給額を出します。つまり標準報酬月額の約3分の2が、月の支給総額の目安になります。

いつからもらえる?待機期間はある?

連続する3日間(待機期間)を会社から給与が出ずに休むと、その翌日から支給されます。最初の3日間は対象外です。

支給される期間の上限は?

同じ病気・けがについて、最初に休んだ日から通算して1年6カ月(18カ月)が上限です。これを超えると原則として打ち切られます。

国民健康保険でももらえる?

いいえ。傷病手当金を支給するのは会社の健康保険(協会けんぽ・組合健保)のみで、国民健康保険にはこの制度はありません。

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