年収500万の社会保険料はいくら?給与から天引きされる健康保険・厚生年金・雇用保険の内訳を1円単位で計算する
「年収500万円の手取り記事で、社会保険料は『約72万円』って出てたけど、その72万円はどうやって出たの?」——当サイトの年収500万円の手取りを分解した記事をはじめ、手取りを書く記事のほとんどが「社会保険料 約72万円」という数字を出しています。でも、その数字の出所を書いている記事が、サイトの中に一つもないのが現状です。
この記事では会社員・独身・40歳未満・協会けんぽ(健康保険)全国平均を前提に、給与から天引きされる社会保険料が、どのような計算式で年間約72万円になるのかを、実際の料率と数値をすべて追います。自分の年収で即座に試したい場合は手取り計算ツールに金額を入れれば、同じロジックで出ます。
結論:年収500万円の社会保険料は年間約72万円(月約6万円)
| 項目 | 本人負担額(年間) | 備考 |
|---|---|---|
| 健康保険 | 約239,750円 | 協会けんぽ全国平均料率9.59%の半分 |
| 厚生年金 | 約457,500円 | 料率18.3%の半分 |
| 雇用保険 | 約15,000円 | 労働者負担0.3% |
| 合計 | 約712,250円 | 月あたり約59,400円/手取りの約14% |
等級の丸めや都道府県ごとの料率差を含めると、実感としては「年間約72万円」という数字になります。年収500万の手取り記事が出した「社会保険料 約72万円」は、この計算に合致します。
ステップ1:社会保険料の正体は「3つ」+(40歳以上は+1つ)
会社員の給与から天引きされる社会保険料は、原則として次の3つです。
- 健康保険(病気やケガの医療費を支え合う)
- 厚生年金(老後の年金の原資)
- 雇用保険(失業時の給付や雇用安定)
さらに40歳〜64歳の人には、健康保険の保険料に介護保険料が上乗せされます(40歳未満は非課税)。今回は前提の通り40歳未満として、介護分は後段の「注意点」で触れます。
最大の要点:会社員は「折半」です。健康保険と厚生年金は、保険料の半分を会社が、半分を本人が負担します。つまり給与から引かれるのは「保険料の半分」だけ。残り半分は会社が払ってくれていることになります(雇用保険は労働者0.3%・事業主0.6%で、本人は3分の1程度の負担)。
ステップ2:計算のベースは「標準報酬月額」
社会保険料は「年収」ではなく、毎月の固定給与を等級表(標準報酬月額表:1等級〜50等級)で決めた標準報酬月額をベースに計算します。賞与は「標準賞与額」(年間573万円が上限)として別枠で計算されます。ここではわかりやすく年収÷12で概算する実務的な見積もりを示します(正確な額は給与明細の「社会保険料」欄が最終回答です)。
ステップ3:健康保険料を計算する
協会けんぽ(健康保険)の全国平均保険料率は9.59%(令和6年度)。これに標準報酬総額を掛け、さらに本人負担分(半分)を取ると、本人が払う額になります。
健康保険(本人負担) = 保険料率9.59% × 年間標準報酬総額 × 1/2
年収500万円なら 9.59% × 5,000,000 × 0.5 = 239,750円。都道府県や組合健保によって料率は前後しますが、全国平均できれいにこの数字になります。
ステップ4:厚生年金保険料を計算する
厚生年金の保険料率は18.3%(令和7年度も据え置き)。これも折半なので、本人負担はその半分です。
厚生年金(本人負担) = 保険料率18.3% × 年間標準報酬総額 × 1/2
年収500万円なら 18.3% × 5,000,000 × 0.5 = 457,500円。健康保険よりも額が大きく、社会保険料の半分以上を占めるのが厚生年金です。
ステップ5:雇用保険料を計算する
雇用保険の労働者負担は0.3%(一般の事業)。リーマンショック以降、据え置きで変わっていません。
雇用保険(本人負担) = 0.3% × 年間標準報酬総額(賞与含む)
年収500万円なら 0.3% × 5,000,000 = 15,000円。金額としては小さいですが、失業時の給付や雇用安定の原資になっています。
合算:なぜ「約72万円」になるのか
ステップ3〜5を合計すると
239,750 + 457,500 + 15,000 = 712,250円(約71.2万円)
等級の丸めや端数処理、都道府県ごとの料率差を含めると、手取り記事が出した「約72万円」という数字とぴたりと一致します。つまり「社会保険料 約72万円」は、適当な丸めではなく、この3つの保険料の合計に根ざした数字なのです。
年収別の具体数値:300万〜1000万円を一覧に
同じ前提(会社員・独身・40歳未満・協会けんぽ全国平均・折半)で、年収ごとの本人負担額を出します。月額は年額÷12です。
| 年収 | 健康保険 | 厚生年金 | 雇用保険 | 合計(年間) | 月換算 |
|---|---|---|---|---|---|
| 300万円 | 約143,850 | 約274,500 | 約9,000 | 約427,350 | 約3.6万 |
| 400万円 | 約191,800 | 約366,000 | 約12,000 | 約569,800 | 約4.7万 |
| 500万円 | 約239,750 | 約457,500 | 約15,000 | 約712,250 | 約5.9万 |
| 600万円 | 約287,700 | 約549,000 | 約18,000 | 約854,700 | 約7.1万 |
| 700万円 | 約335,650 | 約640,500 | 約21,000 | 約997,150 | 約8.3万 |
| 800万円 | 約383,600 | 約732,000 | 約24,000 | 約1,139,600 | 約9.5万 |
| 1000万円 | 約479,500 | 約915,000 | 約30,000 | 約1,424,500 | 約11.9万 |
数字の伸びは年収にほぼ比例します。ただし標準報酬月額には上限等級(月額139万円)があり、年収約1,700万円を超えるとそれ以上は増えません。上の表はいずれも上限未到達の範囲です。
注意点:ここを飛ばすと誤解する
- これは「本人負担分」だけ。会社が同じ額(雇用保険はさらに事業主分0.6%)を負担しているため、実際の保険料総額は表の2倍近くになります。いわば「半額で加入できている」のが会社員の特徴です。
- 40歳以上は介護保険料が上乗せされる。協会けんぽ全国平均で保険料率1.62%のうち半分(0.81%)が本人負担です。年収500万円なら年間約8,000円程度の上乗せになります。
- 自営業(国民年金+国民健康保険)は全額自己負担。計算方法も別で、国民年金は定額(月額16,980円)、国民健康保険は所得や世帯で決まる料率ときめ細かく異なります。会社の「折半」はありません。
- 賞与にも社会保険料がかかる。賞与は「標準賞与額」(年間573万円が上限)として別枠計算されます。ボーナス月は手取りが一段下がります。
- 保険料率は都道府県・組合健保で異なる。協会けんぽは都道府県ごとに料率が違い、さらに企業の組合健保(健保組合)は独自の料率です。目安としての「全国平均」である点に注意してください。
- 住民税の均等割(年5,000円)は社会保険料ではない。手取り記事の「約72万円」には含まれません。混同しないよう。
手取り全体とのつながり
社会保険料は、年収500万円の手取り・年収300万円の手取り・年収1000万円の手取りのいずれでも「税金より重い」最大の天引きです。自分の数字で確かめたいなら手取り計算ツールが使えます。社会保険料そのものは減らせませんが、iDeCo等で課税所得を下げれば手取りは増えるため、住民税の計算方法や株式の譲渡益税と合わせて読むと、家計の「引かれるお金」の全体像が見えてきます。
注意点:本記事の数値は、協会けんぽ全国平均料率(9.59%)・厚生年金料率(18.3%)・雇用保険料率(労働者0.3%)を前提とした概算モデルです。実際の額は、ご自身の給与明細の「社会保険料」欄、および勤務先の健保組合・協会けんぽの「保険料率のお知らせ」でご確認ください。都道府県・組合健保・賞与の有無・標準報酬月額の等級丸めによって、数万円程度ずれる場合があります。本記事は情報提供を目的とし、個別の社会保険・税務相談に代わるものではありません。
よくある質問
年収500万円の社会保険料はいくらですか?
会社員・独身・40歳未満・協会けんぽ(健康保険)全国平均の目安で、年間約72万円(月約6万円)です。内訳は健康保険約24万円、厚生年金約46万円、雇用保険約1.5万円。これらは給与から天引きされる「本人負担分」だけで、会社が同額(雇用保険はさらに事業主分)を負担しています。
社会保険料は何から引かれますか?
毎月の給与(額面)から天引きされます。会社員の場合、健康保険と厚生年金は「折半(半分ずつ)」なので、本人の給与から引かれるのは保険料の半分です。残り半分は会社が負担します。雇用保険は労働者負担0.3%・事業主負担0.6%です。
自営業(国民年金・国民健康保険)の場合はどう違いますか?
自営業は会社がいないため、年金(国民年金)も医療(国民健康保険)も全額自己負担になります。計算方法も「標準報酬月額×料率」ではなく、国民年金は定額(月額16,980円・令和4年度改正後)、国民健康保険は所得や世帯で決まる料率ときめ細かく異なります。
40歳を超えると社会保険料は増えますか?
はい。40歳〜64歳の第2号被保険者には、健康保険の保険料に「介護保険料」が上乗せされます(協会けんぽ全国平均で保険料率1.62%のうち半分が本人負担)。年収500万円なら年間約8,000円程度の上乗せになります。
社会保険料を減らして手取りを増やす方法はありますか?
社会保険料そのものは制度で決まるので個人では減らせませんが、iDeCo(イデコ)や小規模企業共済等の掛金を払うと、それが「全額所得から控除」されるため、所得税・住民税が下がって結果的に手取りが増えます。あくまで「課税所得を減らす」ルートです。