共働きで住宅ローンはいくら借りられる? 収入合算で借入可能額が上がる計算(年収600万+400万=1000万の例)

2026-08-22 | 住宅ローン 収入合算 共働き 借入可能額 住宅購入 家計

便利箱編集部 | 編集方針・情報の確認

「共働きなんだから、二人の年収を合わせればもっと大きい住宅ローンが組めるはず」——そう思って物件探しを始めるご夫婦は多いものの、ネットで検索すると「収入合算で借入可能額が増える」という結論だけが並び、実際にいくら借りられて、月々いくら返済することになるのかを計算の根拠ごと書いたページは意外と少ないものです。

この記事では、夫年収600万円+妻年収400万円=合算年収1000万円の共働き世帯を例に、次の順で計算します。①二人の合算手取り → ②収入合算での借入可能額(年収倍率と返済負担率の2つの目安) → ③実質上限は「低い方」になる理由。さらに独身単身(年収600万だけ)と比べて借入枠が2000万円広がる計算と、産休・育休・連帯債務・住宅ローン控除の注意点を整理します。自分の数字は手取り計算ツールと住宅ローン計算ツールで即座に出せます。

📌 結論ファースト:夫600万+妻400万=合算1000万の共働きなら、収入合算で借入可能額の目安は約5000万円(年収倍率5倍)。合算手取りは月約40.8万円。独身で年収600万だけなら借入目安は約3000万円なので、収入合算で約2000万円借入枠が広がります。ただし実際に借りられるのは「年収倍率と返済負担率のうち低い方」なので、この例では年収倍率側(5000万円)が実質の上限です。

ステップ1:二人の合算手取りは月約40.8万円

住宅ローンの審査の土台になるのは「世帯の手取り(生活で自由に使えるお金)」です。会社員・独身・扶養なし・40歳未満(介護保険料なし)を前提に、サイト共通の概算モデル(社会保険料は年収の約14.5%、所得税は累進税率、住民税は所得割10%+均等割5000円)で計算します。

項目夫(年収600万)妻(年収400万)合算
給与所得控除▲164万円▲124万円▲288万円
社会保険料(約14.5%)▲87万円▲58万円▲145万円
所得税(復興税込)▲約20.8万円▲約7.4万円▲約28.2万円
住民税▲約31.1万円▲約18.0万円▲約49.1万円
手取り(年/月)約297.1万/月24.8万約192.6万/月16.0万約489.7万/月40.8万
手取り率約49.5%約48.1%約49.0%

計算の根拠:夫の給与所得控除は年収600万が「360万超〜660万以下」の区分に当たるため 600万×20%+44万=164万円。給与所得は436万円。社会保険料は600万×14.5%=87万円。所得税の課税所得は 436万−87万−48万(基礎控除)=301万円で、10%区分(330万以下)ゆえ 301万×10%−97,500=203,500円、復興特別所得税2.1%を加えて約20.8万円。住民税は(436万−87万−43万)×10%+5000=31.1万円。妻も同様の式で求めています(年収400万の手取りの詳しい内訳は年収400万円の手取り記事、年収600万は年収600万円の手取り記事で確認できます)。

ポイント:合算手取り率(約49.0%)は、夫単身(約49.5%)とほぼ同じです。つまり「二人で働くと手取り効率が下がる」わけではなく、むしろ同じ税率区分のまま所得が加算されるため、手取りの絶対額(月40.8万円)が単身(月24.8万円)の約1.6倍に跳ね上がります。これが収入合算の最大のメリットです。

ステップ2:収入合算で借入可能額の2つの目安を計算

収入合算の審査では、独身と同じく「年収倍率」と「返済負担率」の2つの目安を使います(仕組みの全体像は住宅ローンの借入可能額の記事で解説)。違いは「ベースにする年収」が「世帯の合算年収1000万円」になる点です。

目安A:年収倍率(世帯年収の5倍)

民間銀行・信金の標準は「年収の5〜7倍」。収入合算ならフラット35(住宅金融支援機構)は原則9倍までOKです。

借入可能額(年収倍率5倍)= 合算年収1000万円 × 5 = 5000万円

借入可能額(フラット35・収入合算9倍)= 合算年収1000万円 × 9 = 9000万円

目安B:返済負担率25%(世帯年収の25%)

返済負担率 = 年間ローン返済額 ÷ 年収。基準の25%なら年間250万円=月20.8万円が返済に回せる上限です。これを変動金利0.5%・35年(元利均等)の逆算係数(月1円の返済で借りられる総額の目安 約385.75)で掛けると

借入可能額(返済負担率25%)= 208,333円 × 385.75 ≒ 8036万円

見かけ上は「返済負担率25%なら8000万円も借りられる!」となりますが、ここが罠です。実際の審査は「年収倍率」と「返済負担率」の両方をクリアする必要があり、借入可能額は「低い方」になります。

ステップ3:実質上限は「低い方」の5000万円

目安の種類計算借入可能額
年収倍率 5倍(民間標準)1000万円 × 55000万円
年収倍率 7倍(民間上限)1000万円 × 77000万円
返済負担率 25%(月20.8万)208,333円 × 385.75約8036万円
返済負担率 30%(月25万)250,000円 × 385.75約9644万円

この例では、年収倍率5倍(5000万円)が実質の上限です。返済負担率25%の計算(8036万円)は「年収倍率」の壁に引っかかるため、実際には5000万円が借りられる天井になります。

独身(年収600万単身)と比べて2000万円借入枠が広がる

もし夫が独身で年収600万円だけなら、同じ年収倍率5倍でも

借入可能額(独身・600万×5)= 3000万円

となります。妻の年収400万を収入合算するだけで、借入可能額の目安は3000万円→5000万円へ、約2000万円広がります。物件価格にすると「借入可能額+頭金」なので、頭金1000万円を用意すれば独身なら4000万円の物件が限界のところ、共働きなら6000万円の物件が視野に入ります。

ケース世帯年収借入可能額(目安)頭金1000万での物件上限
独身(夫600万単身)600万円約3000万円約4000万円
共働き(夫600万+妻400万)1000万円約5000万円約6000万円

借入5000万円の「月々の支払い」を確認する

借入5000万円・変動0.5%・35年の場合、月々の返済額は

月返済額 = 50,000,000円 × 0.00041667 ÷ 0.16073 ≒ 129,600円

項目金額
借入額5000万円
金利(変動0.5%)・35年−
月々の返済額約12.96万円
年間返済額約155.5万円
合算年収1000万に対する返済負担率約15.6%

合算手取り(月40.8万円)に対する返済額(月12.96万円)の比率は約31.8%。返済負担率(年収ベース)は15.6%と余裕がありますが、手取りベースで見ると約3割がローン返済になるため、子どもの教育費や老後資金を引くと決して「余裕あり」とは言えません。ギリギリの借入ではなく、手取りの2割程度(月約8万円)を目安にする設計が安心です。

注意点——収入合算ならではの落とし穴

関連ツール・記事で自分の数字を確かめる

いずれもブラウザ内で計算し、入力した金額はどこにも送信されません。

注意事項

本記事の数値は、夫年収600万円+妻年収400万円(ともに会社員・独身・扶養なし・40歳未満)・変動金利0.5%・35年返済・元利均等 を前提とした単純なモデル計算です。実際の借入可能額は、金融機関ごとの審査基準(年収倍率の係数、返済負担率の評価、既存の債務の有無、勤続年数、年齢、物件の担保評価、配偶者の就労形態など)によって大きく変わります。また「返済負担率25%/30%」「年収倍率5〜9倍」は一般的な目安であり、住宅金融支援機構や各金融機関の最新の基準・商品内容は必ずご自身でご確認ください。金利は変動するものであり、将来の返済額を保証するものではありません。本記事は情報提供を目的とし、個別のローン契約・家計判断に代わるものではありません。計算はすべてブラウザ内で行われ、入力した情報が外部に送信されることはありません。

よくある質問

共働きの収入合算って何?

夫婦2人の年収を合わせて1本の住宅ローンの審査に回す仕組みです。これを「収入合算」または「ペアローン(収入合算型)」と呼びます。審査では「世帯の総年収」と「世帯の総返済負担」を見るため、単身で借りるより借入可能額の目安が大きく上がります。ただし「どちらかが無収入になっても返せるか」も審査されるため、片方が専業主婦(主夫)になると合算できません。

収入合算で借入可能額はいくら上がりますか?

年収600万(独身)単独なら年収倍率5倍で借入目安は約3000万円ですが、妻の年収400万を合算した世帯年収1000万なら、同じ年収倍率5倍で約5000万円に上がります(約2000万円増)。返済負担率25%の目安で逆算すると約8036万円になりますが、実際に借りられるのは「年収倍率と返済負担率のうち低い方」なので、この例では5000万円が実質上限です。

収入合算の審査で気をつける点は?

妻が産前産後・育児休業で収入が一時的に減る時期、あるいはどちらかが転職・退職した場合の返済力が問われます。多くの金融機関は「復帰後の年収」や「手取りベース」で審査しますが、審査時点の年収で行うケースもあります。また収入合算は「連帯債務(夫婦双方が借主)」となることが多く、一方の死亡・離婚時の債務整理ルールを事前に確認しておく必要があります。

住宅ローン控除は夫婦で分けられますか?

はい、収入合算で共同でローンを組む場合、ローン残高を夫婦で「按分(割合配分)」すれば、それぞれの上限内で住宅ローン控除(所得税・住民税の軽減)を受けられます。誰がどの割合で持つかは契約時に決めます。控除額の計算の根拠は「住宅ローン控除額の計算記事」で確認できます。

収入合算のシミュレーションは自分でできますか?

できます。まず2人の年収をそれぞれ手取り計算ツールに入れて「世帯の合算手取り」を出し、次に住宅ローン計算ツールで「借入額→月返済額」を確認します。返済負担率(年間返済額÷世帯年収)が25%前後なら標準的、30%を超えないよう設計するのが鉄則です。入力はすべてブラウザ内で完結し、外部へ送信されません。

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