ボーナス(賞与)の手取り計算:天引きされる所得税・社会保険料・住民税の計算式と、年収500万で夏ボーナス100万の具体例

2026-08-20 | ボーナス 賞与 手取り 源泉徴収 社会保険料 住民税 特別徴収 年収 家計

便利箱編集部 | 編集方針・情報の確認

「夏のボーナスが100万円出る」と聞いても、実際に口座に振り込まれるのはその全額ではありません。賞与(ボーナス)にも、毎月の給与と同じように所得税・社会保険料・住民税が天引きされるからです。「手元にいくら残るのか」「何がいくら引かれるのか」を、計算式の根拠と具体例で解き明かします。

この記事では、年収500万円の会社員が夏ボーナス100万円を受け取った場合をモデルに、①社会保険料(健康保険+厚生年金)、②所得税(源泉徴収税額表・賞与編)、③住民税(特別徴収)のそれぞれがいくら引かれるかを計算します。毎月の手取りの全体像は 手取り計算ツール でも確認できます(入力はどこにも送信されません)。

📌 結論ファースト:夏ボーナス100万円(年収500万・独身・扶養なし・介護保険非加入の会社員)の場合、天引きされるのはおおむね 社会保険料 約9.3万円 + 所得税 約5万円 + 住民税 約10万円 = 計約24万円。手元に残る手取りは 約76万円 です。賞与にも社会保険料と所得税が乗る点、住民税はボーナス月に「特別徴収」で集中して引かれる点に注意してください。

賞与から天引きされる3つのもの

賞与(ボーナス)にも、原則として毎月の給与と同じ3つが天引きされます。

天引き項目根拠・算出方法ポイント
社会保険料
(健康保険+厚生年金)
標準賞与額 × 保険料率(個人負担分)賞与にもかかる。標準賞与額に上限あり
所得税「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」で算出毎月の給与とは別枠。年末調整で精算
住民税前年の所得で決まる年税額を「特別徴収」で天引きボーナス月に集中(6月・12月等)

いずれも「非課税扱い」ではなく、賞与の全額が対象になります(通勤手当などの非課税部分は賞与には含まれません)。

①社会保険料:(健康保険+厚生年金)× 個人負担率

賞与にも社会保険料がかかります。本人が負担するのは、健康保険と厚生年金の「折半分」です。

賞与の社会保険料(個人負担)= 標準賞与額 ×(健康保険料率 約4.95% + 厚生年金保険料率 約4.37%)

2024年(令和6年)の目安として、健康保険の個人負担は約4.95%、厚生年金は約4.37%です。合わせて賞与の約9.3%が天引きされます(40歳以上で介護保険に加入する場合は、健康保険に介護分が上乗せされ、約9.8%程度になります)。保険料率は組合(協会けんぽ・健康保険組合)や地域によって異なります。

注意すべきは「標準賞与額」に上限があることです。健康保険の標準賞与額は1回あたり「標準報酬月額×3か月分(年間573万円相当)」、厚生年金の標準賞与額は1回150万円(年間573万円)が上限です。ボーナスがこれを超える分には社会保険料がかかりません。

②所得税:源泉徴収税額表(賞与編)の計算式

賞与の所得税は、毎月の給与に使う「月額表」とは別の「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」で計算されます。給与等の月額(社会保険料等を控除した額)に応じた「税率」と「控除額」が決まっています。

賞与の所得税(甲欄・扶養なしの例)= 賞与 × 税率 - 控除額
給与等の月額(社会保険料控除後)の目安税率控除額
36万円以下5%0円
36万円超〜74万円以下10%18,000円
74万円超〜150万円以下20%92,000円

例えば月給33万円(社会保険料控除後は約28万円)の層は「36万円以下」に該当し、賞与100万円なら 100万×5%−0=5万円 が所得税として天引きされます。「扶養控除等申告書」を提出していない乙欄の場合は税率が高くなるため、引かれる額も増えます。またこの所得税には、復興特別所得税(所得税額の2.1%)が上乗せされています(令和19年度末までの時限措置、その後も延長の可能性があります)。

賞与の所得税は「概算の前払い」であり、年間の正しい税額との過不足は年末調整で精算されます(過払いなら還付、不足なら追徴)。

③住民税:ボーナス月の「特別徴収」

住民税(市民税・都道府県民)も、賞与から天引きされることがあります。これを「特別徴収」といいます。金額の根拠は、前年の所得から決まる「年間住民税額」です。

ボーナスからの住民税(特別徴収)= 年間住民税額のうち、自治体が定めたボーナス回数分(多くは6月・12月の年2回で各約1/4)

例えば年間住民税が20万円の人なら、6月と12月のボーナスから各約10万円(年20万の半分を2回)が天引きされるのが目安です。ただし特別徴収の上限は、その月の給与・賞与の支給額の20%と定められています。ボーナスが少ない年や、そもそもボーナスが出ない人は、給与からの「普通徴収(12分割)」で納めます。

具体計算:年収500万の会社員が夏ボーナス100万円

年収500万円(月給×12+賞与100万円)、独身・扶養なし・介護保険非加入の会社員が、夏ボーナス100万円を受け取った場合を計算します。

項目計算式金額
賞与(支給額)—100.0万円
− 社会保険料(個人負担)100万 × 9.3%▲9.3万円
− 所得税(源泉徴収・甲欄)100万 × 5%▲5.0万円
− 住民税(特別徴収・夏分)年税額20万の半分のうち1回分▲10.0万円
手取り(振込額)100 - 9.3 - 5.0 - 10.0約75.7万円

つまり夏ボーナス100万円のうち、手元に残るのは約76万円です。賞与の約24%が各種天引きに回ります。なお住民税の金額は「前年の所得」で決まるため、今年のボーナス増減には直接連動しません(前年の給与・賞与がベースです)。

賞与を含めた年収と手取りの全体像

賞与は「給与所得」に含まれます。年収=月給×12+賞与であり、賞与分も給与所得控除の対象(給与所得控除は年収ベースで決まる)になります。手取り全体は「月給の手取り+賞与の手取り」の合計です。

年収500万円の手取りの内訳(月給+賞与)は、年収500万円の手取りを分解した記事で確認できます。ボーナスが多い年は、月給だけの手取り率より全体の手取り率がわずかに下がる傾向があります(賞与にも社会保険料・所得税が乗るため)。

注意点(よくある誤算)

関連ツール・記事でさらに深める

年収全体の手取りを確認するなら 手取り計算ツール、給与所得控除の仕組みは 給与所得控除の計算記事、毎月の社会保険料の内訳は 社会保険料の計算記事、所得税の計算式は 所得税の計算記事、住民税の特別徴収と限界は 住民税の計算記事、賞与明細の読み方は 給与明細の読み方の記事 を併せてどうぞ。ボーナスを貯めるなら 複利積立シミュレーションツール も。いずれもブラウザ内で計算し、入力した金額はどこにも送信されません。

よくある質問

ボーナス(賞与)に社会保険料はかかる?

はい、健康保険と厚生年金が「標準賞与額×保険料率(個人負担分)」で天引きされます。2024年の目安は、健康保険約4.95%+厚生年金約4.37%=賞与の約9.3%(40歳以上で介護保険に加入する場合は約9.8%程度)。標準賞与額には年間573万円相当の上限があり、超える分にはかかりません。

ボーナスの所得税はどうやって決まる?

毎月の給与とは別の「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」で、給与等の月額(社会保険料等を控除した額)に応じた税率×賞与−控除額で求めます。扶養なし・標準的な層なら賞与100万円で所得税約5万円(税率5%)。乙欄や高所得層は増えます。年末調整で年間の正しい税額と精算されます。

住民税はボーナスから引かれる?

はい、前年の所得で決まる年間住民税額の一部が、ボーナス月(多くは6月・12月)の「特別徴収」で天引きされます。例えば年間住民税20万円なら6月・12月のボーナスから各約10万円の目安。天引き上限はその月の支給額の20%です。ボーナスがない人は給与からの普通徴収(12分割)になります。

ボーナスの手取りは月給より少ない?

賞与にも社会保険料(約9%)と所得税が乗るため、月給の手取り率(約8割)より引かれる割合が大きく、手取り率は約7〜8割になります。年収500万で夏ボーナス100万円なら手取りは約76万円(約76%)です。

賞与の所得税で確定申告は必要?

会社員の場合、賞与の所得税は給与の源泉徴収と同じく年末調整で精算されるため、別途確定申告は不要です(過払いなら還付、不足なら追徴)。給与所得のみで年収2,000万円以下なら原則確定申告不要です。

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