銀行預金の利息はどう計算する? 単利・複利の違いと税引き後の手取りを実例で解説
「銀行に預けてるお金、実際にいくら利息がついてるんだっけ?」——残高や金利を確認しても、いざ「手元に残る額」を自分で計算しようとすると、単利と複利のどちらか、税金がいくら引かれるかで迷います。この記事では、普通預金と定期預金のそれぞれの計算方式を、実際の計算式と数値で順に追います。
自分の金額で試したい場合は 複利積立シミュレーション で、投資想定の「複利が効く世界」と比べるのが一番わかりやすいです。
結論:100万円を1年預けたときの利息(税引き後)
| 預金種別 | 計算方式 | 年利(目安) | 税前利息 | 税引き後利息 | 手元総額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 普通預金 | 複利(年2回) | 0.001% | 約10円 | 約8円 | 1,000,008円 |
| 定期預金(1年) | 単利 | 1.0% | 10,000円 | 7,969円 | 1,007,969円 |
これだけを見ても「今の普通預金の利息は実質ゼロに近い」ことがわかります。一方で定期預金でも、受け取る前に20.315%の税金が引かれるため、表面の利息より約2割少なくなります。以下、それぞれの計算式を確認します。
ステップ1:単利の計算(定期預金の基本)
定期預金は、満期までの間に利息が「元本に加算されてさらに利息を生む」ことはなく、単利で計算されるのが基本です。
利息 = 元本 × 年利 × 年数
元本100万円・年利1.0%・1年なら
1,000,000 × 0.01 × 1 = 10,000円
満期時に受け取る総額は 1,010,000円(元本+利息)。途中で引き出すと「提前支払利率」という低い金利に切り替わる(ペナルティ)ので注意が必要です。
ステップ2:複利の計算(普通預金・自動継続定期)
普通預金は 複利 です。年2回(2月1日・8月1日)に利息が支払われ、その利息がすぐに次の計算元本に加算されるため、利息にも利息がつきます。イメージとしては「半年ごとに複利」で考えるのが一番わかりやすいです(厳密には半月=15日ごとに日割り計算されます)。
半年利率 = 年利 ÷ 2
1年後の元本 = 元本 × (1 + 半年利率) の2乗
元本100万円・年利0.001%なら、半年利率は 0.0005%(=0.000005)です。
半年後:1,000,000 × (1 + 0.000005) = 1,000,005円(利息5円)
1年後:1,000,005 × (1 + 0.000005) ≒ 1,000,010円(さらに5円、計10円)
年間の税前利息は 約10円。閏年や当月の日数で数円程度ずれますが、今の超低金利では誤差の範囲です。
複利の公式(一括・年n回):元本 × (1 + 年利÷n) の (n×年数) 乗。普通預金は n=2 に近い扱いになります。
ステップ3:単利と複利の差(低金利ではほぼ無意味)
「複利のほうが得」と言われますが、金利が低いうちはその差は誤差レベルです。定期預金100万円・年利1.0%を3年預ける場合で比べます。
| 方式 | 計算式 | 3年後の利息 |
|---|---|---|
| 単利(満期都度受取) | 1,000,000 × 0.01 × 3 | 30,000円 |
| 複利(年1回・自動継続) | 1,000,000 × 1.01³ − 1,000,000 | 30,301円 |
差はわずか 301円。低金利・短期では複利を回してもほとんど増えません。複利の真価は後述の「長期×高金利」のときに出ます。
ステップ4:税金20.315%を引く(手元に残る額)
預金の利息には、受け取る前に20.315% の税金が源泉徴収されます。
所得税 15% + 住民税 5% + 復興特別所得税 0.315% = 20.315%
税引き後利息 = 税前利息 × (1 − 0.20315) = 税前利息 × 0.79685
ステップ1の定期預金(税前10,000円)なら
10,000 × 0.79685 = 7,968.5円 → 約 7,969円
手元に残るのは 約7,969円、総額は 1,007,969円 です。税金の内訳や「復興特別所得税」の由来は 銀行預金の利息にかかる税金は20.315%の記事で詳しく解説しています。
ステップ5:複利の真価は「長期×高金利」——銀行預金では出ない
複利が劇的に効くのは、銀行預金のような低金利ではなく、年利4%で20年積み立てるような投資の世界です。つみたてNISA(年利4%・非課税想定)で毎月3万円を20年運用すると、
- 受取額:約1,205万円(うち運用差益 約445万円、非課税)
- 同じ3万円を銀行預金(年利0.01%想定)に20年預けても、元本720万円+利息数千円程度
複利の公式で高金利・長期を当てはめるとその差は明確です。例えば一括100万円を年利3%(預金では非現実的な高さ。計算式の例示)で30年預けた場合、
複利:1,000,000 × 1.03³⁰ ≒ 2,427,262円
単利:1,000,000 × (1 + 0.03 × 30) = 1,900,000円
差 = 約527,262円
この「差」が複利の本領ですが、これを銀行預金の実金利(0.001%〜数%)で再現することは事実上不可能です。「複利」と「銀行預金」は相性が悪いと覚えておくのが実務的です。
やりがちな誤算4つ
- 普通預金を単利だと思い込む:実は複利(年2回)です。ただし今の超低金利では、単利と計算しても数円の差で済むため、実害はほぼありません。
- 税金を忘れて税前で喜ぶ:表面の利息の約2割は受け取る前に引かれます。手元に残るのは ×0.79685 した額です。
- 「複利なら銀行預金でも増える」と期待する:低金利・短期では複利の恩恵は誤差。増やしたいなら複利が効く非課税投資枠(つみたてNISA等)を使うのが現実的です。
- 定期の途中解約を単利のままと思う:途中で引き出すと、約束の金利どころか「提前支払利率」というさらに低い金利で計算され、単利以下のペナルティになることがあります。
関連ツール・記事で自分の数字を確かめる
- 複利積立シミュレーション:銀行預金の低金利と、投資想定の高金利とを同じ条件で比べ、「複利の差」を体感できます(複利積立シミュレーション)。
- 預金利息の税金20.315%:税引き後の手取りを1円単位で確認したい場合は 銀行預金の利息にかかる税金は20.315%の記事 へ。
- 複利の基本:毎月3万円を20年複利で積み立てたときの額と、単利との差は 毎月3万円を複利で20年積み立てる記事 にまとめています。
- つみたてNISA:複利の本領が発揮される非課税枠の受取額は つみたてNISAで資産がいくら増えるかの記事 で計算しています。
- 毎月いくら回せるか:預金と投資のバランスを考える前に、手取りからの余力を 手取り計算ツール で確認できます。
注意事項
本記事の数値は概算・目安です。実際の金利は各金融機関・商品・時期によって異なり、変動金利型の定期や、半年複利の厳密な日割り計算(半月単位・閏年考慮)では数円程度のずれが生じます。また「年利3%・30年」の例は計算式を示すための仮数値であり、現在の日本の銀行預金でその金利が得られるわけではありません。正確な利息は各金融機関の計算シミュレーターまたは残高証明書でご確認ください。制度の詳細は日本銀行・金融庁等の公式情報が最終的な根拠になります。
自分の金額で複利の効果を試したい場合は 複利積立シミュレーション へ。すべてブラウザ内で計算し、入力した金額はどこにも送信されません。
よくある質問
銀行預金の利息は単利ですか、複利ですか?
普通預金は複利(実質的に年2回、2月と8月に利息が入り、その利息も次の計算元本になる)で、定期預金は満期までの一括払いが基本で単利です。定期預金を「元利自動継続」にすると、満期ごとに複利になります。
普通預金の利息はいつ入りますか?
年2回、2月1日と8月1日に支払われます。計算期間は「前年12月1日〜5月31日分が8月支払い」「6月1日〜11月30日分が2月支払い」です。厳密には半月(15日)ごとに日割りで計算されます。
預金利息の税金(20.315%)はどうやって引かれますか?
利子所得には所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%=合計20.315%が源泉徴収されます。手元に残るのは税前利息の約79.7%(×0.79685)です。詳しい計算は「銀行預金の利息にかかる税金は20.315%」の記事で確認できます。
複利の効果が出るのはいつですか?
今の低金利(普通預金0.001%台、定期でも数%未満)のうちは、複利を回しても増える額はほぼ誤差です。複利が本領を発揮するのは「長期(20年)+高金利(年4%程度)」の投資の世界(つみたてNISA等)です。銀行預金と複利は相性が悪いと言えます。
利息をもっと増やすには?
預金金利を上げるより、複利が効く非課税の投資枠(つみたてNISA・iDeCo)を使うのが現実的です。毎月の積立余力は手取り計算ツールで確認できます。預金は「安全な保存」、投資は「増やす」と役割を分けるのが基本です。