障害年金はいくらもらえる? 1級2級の年金額+配偶者・子の加算を計算し、所得制限と非課税の注意点を具体例で
「病気やけがで働けなくなった。障害年金っていくらもらえるの? 1級と2級で金額はどう違う? 妻や子がいると加算されるって聞いたけど、実際いくら増える? 所得が高いと支給停止されるって本当?」——急に経済的な不安が募る場面で、誰もが一度は検索する切実な疑問です。ネットには「障害年金 金額」の概要は出てきますが、「1級・2級の正確な年金額」「配偶者・子の加算を合わせた合計額」「所得制限でいくらから支給停止になるか」「所得税・住民税はかかるか」を、具体的な数字で追っている記事は意外と少ないものです。
この記事では、令和6年度(2024年4月〜2025年3月)の金額をもとに、障害基礎年金の1級・2級の年金額と、配偶者加算・子の加算を実際に足し算して合計額を出します。さらに、障害厚生年金の仕組み、所得制限(支給停止)の計算、そして「障害年金は所得税・住民税がかからない(非課税)」という手取りに直結する注意点も整理します。金額はすべてブラウザ内で確認でき、入力した内容が外部へ送信されることはありません。
障害年金の2つの柱:基礎年金と厚生年金
障害年金には、加入していた制度によって2種類あります。
- 障害基礎年金:国民年金(第1号・第2号被保険者)から。会社員の場合でも、厚生年金の「基礎の部分」として支給されます。
- 障害厚生年金:会社員・公務員(厚生年金・共済)から。給与に応じた「報酬比例部分」+ 基礎年金分 + 加給年金 が組み合わさります。
等級は、障害の程度に応じて 1級(最重度)・2級・3級 などに分かれます(3級は厚生年金のみ。基礎年金には1級・2級のみ)。まずは、金額が決まっている障害基礎年金から見ていきましょう。
障害基礎年金の年金額(令和6年度)
| 等級 | 年金額(年額) | 目安 |
|---|---|---|
| 1級 | 978,125円 | 原則として2級の2倍(最重度) |
| 2級 | 489,063円 | 標準的な支給水準 |
この金額は毎年4月に「物価スライド」で見直されます。令和6年度(2024.4〜2025.3)の数字を使っていますが、翌年度以降は数パーセント前後変動するため、最新の額は年金証書や日本年金機構の発表で確認してください。
加算の計算:配偶者と子がいるといくら増えるか
障害基礎年金には、生計を維持する家族がいる場合、次の「加給年金(加算)」が上乗せされます(令和6年度)。
| 加算の種類 | 加算額(年額) |
|---|---|
| 配偶者加算 | 224,575円 |
| 子の加算(第1子・第2子) | 各 224,575円 |
| 子の加算(第3子以降) | 各 74,860円 |
合計年金額 = 障害基礎年金額(1級/2級)+ 配偶者用加算 + 子の加算(各子分)
具体例1:2級 + 配偶者 + 子2人
489,063(2級)+ 224,575(配偶者)+ 224,575(子1)+ 224,575(子2)
= 1,162,788円/年(月額 約96,899円)
単身の2級(489,063円/年・月約40,755円)と比べると、家族がいるだけで 年間約67万円多く 受け取れます。
具体例2:1級 + 子1人
978,125(1級)+ 224,575(子1)= 1,202,700円/年(月額 約100,225円)
子の加算の対象は、原則として 18歳到達年度末までの子で(障害がある子は20歳まで)。配偶者加算は、生計を維持する配偶者が一定年齢(原則65歳未満、詳細は制度で変動)であることが条件です。
障害厚生年金の構造と、いくらになるかの目安
会社員など厚生年金から受ける「障害厚生年金」は、次の3つを合計したものです。
- 報酬比例部分:直近の給与(平均標準報酬月額)と加入期間から算定。1級はこの部分が1.25倍、2級は1.0倍になります。
- 障害基礎年金分:1級には基礎年金1級相当、2級には基礎年金2級相当(約49万円)が上乗せされます。
- 加給年金:配偶者・子がいれば、基礎年金と同じ加算(配偶者 224,575円、子等)がつきます。
報酬比例部分の 目安例(平均標準報酬月額 30万円、厚生年金に40年加入した2級の場合):
報酬比例部分 約 月額14万円(年額 約168万円)+ 基礎年金2級分 489,063円
= 年額 約217万円(加算なし・単身の目安)
※これは「給与30万円・40年加入」を仮定した概算です。実際は勤続年数や給与履歴(標準報酬の変動)によって変わり、正確な額は日本年金機構の「年金証書」に記載されます。あくまで「だいたいこの桁」の目安としてください。
所得制限:いくら稼ぐと支給停止になるか
障害基礎年金には、受給者本人の 前年の所得 に応じた支給停止(所得制限)があります。※配偶者や子の加算には、加算される側(配偶者・子)の所得制限は別にありません(本人の所得が基準です)。
| 受給者本人の前年所得 | 支給の扱い |
|---|---|
| 345万円未満 | 全額支給 |
| 345万円以上 〜 538万円未満 | 年金額の 2分の1 を支給停止(一部停止) |
| 538万円以上 | 全額 支給停止 |
給与収入でいうと、単身の場合 年収約460万円(控除後の所得 約345万円)で一部停止が始まり、年収約740万円(所得 約538万円)で全額停止の目安になります(扶養親族の有無で変動します)。「障害年金を受けながら少し働いても大丈夫?」という場面で、このラインを意識すると無用な停止を避けやすくなります。
最大の注意点:障害年金は「非課税」で手取りに響かない
障害基礎年金・障害厚生年金は、原則として 所得税も住民税もかかりません(非課税所得)。つまり、受け取った額がそのまま手取りに入ります。これは手元の生活設計で大きな違いです。
例えば、会社員時代の年収500万円で手取りが約398万円(月約33万円)だった人が、障害厚生年金で年額約217万円(月約18万円)を受け取る場合、その217万円は 税引きなし です。もし同じ額を「働いて得た給与」として受け取っていたら、所得税・住民税・社会保険料で2〜3割引かれていました。非課税であることは、手取り計算ツール(給与ベース)との比較で際立ちます。ただし、障害年金のほかに 給与や事業所得がある場合、そちらには通常通り税がかかり、年金と合算して所得が上がると上の所得制限に触れる点に注意してください。
よくある誤算3つ
- 「障害年金にも税金がかかる」:違います。障害基礎年金・障害厚生年金は非課税です(一部の「障害手当金」などの一時金も非課税のものがあります)。確定申告の「非課税所得」欄になります。
- 「年金証書の額が低いのは間違い?」:厚生年金の報酬比例部分は、給与の履歴(標準報酬の変動)と加入期間で決まります。「同僚より低い」のは働き方の違いです。納得がいかない場合は年金事務所で「額の改定請求」も検討できます。
- 「所得制限は家族の年収で決まる」:基準になるのは 受給者本人の所得 です。配偶者の収入が高くても、本人の所得が345万円未満なら全額支給されます。
関連する計算・ツール
自身の手取り(給与ベース)の内訳は 手取り計算ツール、将来の老後資金の目安は 複利積立シミュレーション、所得税の計算の根拠は 所得税の計算記事、住民税の仕組みは 住民税の計算記事、年収500万円の手取り分解は 年収500万円の手取り記事、老後資金2000万円問題は 老後資金2000万円の記事 を併せてどうぞ。いずれもブラウザ内で計算し、入力した金額はどこにも送信されません。
注意事項
本記事の金額は 令和6年度(2024年4月〜2025年3月) の障害基礎年金・加算額を前提としたもので、毎年4月の物価スライドで変動します。障害厚生年金の報酬比例部分の数値は「平均標準報酬月額30万円・40年加入」を仮定した 概算の目安 であり、正確な額は日本年金機構の年金証書に記載されます。所得制限の基準(345万円・538万円)は受給者本人の「前年所得(給与所得控除後の合計所得金額)」ベースのもので、扶養親族の有無やその他の控除によって実際の停止ラインは変動します。障害年金の受給には「初診日における保険料納付要件(直近の納付済・免除期間が一定割合以上など)」や「障害の認定(等級)」といった手続き・要件があり、本記事は金額の仕組みを説明する情報提供を目的とし、個別の年金相談に代わるものではありません。正確な受給可否・額は、最寄りの年金事務所または日本年金機構へご確認ください。
よくある質問
障害基礎年金の金額はいくらですか?
令和6年度(2024年4月〜2025年3月)は、1級が978,125円/年、2級が489,063円/年です。毎年4月の物価スライドで数パーセント前後変動するため、最新の額は年金証書や日本年金機構の発表で確認してください。
配偶者や子がいるといくら増えますか?
障害基礎年金に、配偶者加算224,575円、子の加算(第1子・第2子は各224,575円、第3子以降は各74,860円)が上乗せされます。例えば2級+配偶者+子2人なら、489,063+224,575×3=1,162,788円/年になります。
所得が高いと支給停止になりますか?
障害基礎年金には受給者本人の前年所得に応じた支給停止があります。所得345万円未満は全額支給、345万円以上538万円未満は年金額の2分の1が停止、538万円以上は全額停止です。給与収入でいうと単身で年収約460万円で一部停止、約740万円で全額停止の目安になります(扶養等で変動)。
障害年金には税金がかかりますか?
障害基礎年金・障害厚生年金は、原則として所得税も住民税もかからない(非課税所得)ため、受け取った額がそのまま手取りに入ります。確定申告では「非課税所得」の欄になります。ただし年金以外に給与等の所得がある場合は、そちらに通常通り税がかかります。