給与所得控除の早見表と速算表——年収から給与所得を出す計算方法(年収500万・1000万・1500万・2000万の具体例つき)

2026-09-20 | 給与所得控除 給与所得 年収 所得税 手取り 計算 給与 税金 早見表 速算表

便利箱編集部 | 編集方針・情報の確認

「年収500万円なのに、手取りの計算では『給与所得356万円』って出てくる。なんで?」

そのギャップを生むのが 給与所得控除 です。会社員の場合、税金や保険の計算の出発点になるのは「年収」そのものではなく、その年収から一定額を引いた 給与所得の金額。この「引かれる額」を決めるのが給与所得控除で、年収の大きさに応じて5つの区分で自動計算されます。

この記事では、その計算を 早見表+速算表+年収別具体例 でまとめて解説します。計算式・区分どうしで数字が変わる理由・よくある誤解・注意点まで含めます。入力フォームや外部リンクのクリックは不要で、このページ単独で「自分の年収がいくら区分に入り、給与所得がいくらになるか」を確認できます。

📌 結論ファースト:給与所得の金額 = 年収(総給与額) − 給与所得控除。年収500万円なら控除144万円で給与所得356万円、年収1000万円なら控除195万円(上限)で給与所得805万円、年収1500万円・2000万円も控除は195万円のまま、給与所得はそれぞれ1305万円・1805万円。控除額は年収が上がると増えますが、850万円を超えると一律195万円で止まります。

1. 給与所得控除とは何か(なぜ「年収」と「給与所得」が違うのか)

所得税の世界では、基本的に 所得 = 収入 − 経費 という考え方をします。給与も例外ではなく、通勤・仕事上の打ち合わせ・研修・資格取得などの費用を「経費」として概算で引くために設けられているのが 給与所得控除 です。

ただし実際の経費を1年分そろえて証明するのは手間なので、税務署側は 年収に応じた速算表 を用意しています。あらかじめ決められた式・区分に年収を入れると、控除額が自動的に出ます。その控除額を引いた残りが 給与所得の金額 です。

ここが混同されやすい点なので、言葉を最初に分けます。

つまり 給与所得控除は『手取りが直接増えるお金』ではなく、『年収のうち課税の舞台に載らない部分』 と捉えると分かりやすいです。

2. 速算表は5区分(年収の大きさで式が変わる)

給与所得控除額は、ざっくり言うと 年収が低いほど割合が高く、年収が高いほど割合が下がる 構造です。その結果、負担感を和らげる意味では低年収ほど助かる仕組みになっています。

計算に使う区分はおおむね次の5つです(表は理解のための早見表表現で、実際の精密な計算や適用は国税庁・税務署の情報で確認してください)。

年収の区分給与所得控除額の出し方早見イメージ
180万円以下定額55万円
180万円超 〜 360万円以下収入金額 × 40% − 10万円180万以下と同じく最低55万円の扱いになるケースも
360万円超 〜 660万円以下収入金額 × 20% + 44万円年収500万なら 500万×20%+44万=144万円
660万円超 〜 850万円以下収入金額 × 10% + 110万円年収700万なら 700万×10%+110万=180万円
850万円超195万円(上限)年収1000万でも1500万でも控除は195万円で止まる

区分の境目は 180万円 / 360万円 / 660万円 / 850万円 で、「超」と「以下」が混ざっているため、ちょうど境目の年収の場合はどこに入るかを確認することが大事です。

3. 年収別・早見表(控除額と給与所得の金額)

主要な年収ごとに、控除額と給与所得の金額を計算しました。数字は上の区分・式をそのまま当てた 早見イメージ です。

年収(総給与額)区分給与所得控除額給与所得計算式
150万円180万以下55万円95万円年収500万例とは別枠・180万以下定額
200万円180万超〜360万以下70万円130万円200万×0.4 − 10万
300万円180万超〜360万以下110万円190万円300万×0.4 − 10万
400万円360万超〜660万以下124万円276万円400万×0.2 + 44万
500万円360万超〜660万以下144万円356万円500万×0.2 + 44万
600万円360万超〜660万以下164万円436万円600万×0.2 + 44万
700万円660万超〜850万以下180万円520万円700万×0.1 + 110万
800万円660万超〜850万以下190万円610万円800万×0.1 + 110万
1000万円850万円超195万円805万円上限195万円
1500万円850万円超195万円1305万円上限195万円
2000万円850万円超195万円1805万円上限195万円

この表から分かるように、年収が上がるほど控除額そのものは増えますが、 増え方は割合として小さくなり、850万円超からは 195万円で頭打ち になります。

たとえば年収500万円のときの控除144万円は年収の 28.8% ですが、年収1000万円の控除195万円は年収の 19.5% に過ぎません。同じ「控除があって助かる」仕組みでも、年収が高い人ほど 相対的な恩恵率は下がる 構造です。

4. 区分が変わると数字がどう動くか(計算の具体)

ここでは代表的な3本の年収を、式まで追って確認します。

例1:年収500万円

500万円は 360万超〜660万以下の区分です。

給与所得控除 = 500万円 × 0.2 + 44万円 = 100万円 + 44万円 = 144万円
給与所得 = 500万円 − 144万円 = 356万円

この356万円を起点に、社会保険料・基礎控除・各種控除・税率へ進みます。年収500万円の手取りの詳細な分解は 年収500万円の手取りを1円単位で分解した記事 も参考になります。

例2:年収1000万円

1000万円は 850万円超の区分なので、控除は 上限の195万円 で止まります。

給与所得控除 = 195万円(上限)
給与所得 = 1000万円 − 195万円 = 805万円

ここでのポイントは、年収が850万円を超えた瞬間から 控除額は増えなくなる ことです。つまり1000万→1500万→2000万と上がっても、控除の額は195万円のまま。逆に言うと、それ以上増えた年収は ほぼそのまま課税の舞台に乗りやすく なります。

例3:年収1500万円・2000万円

どちらも850万円超なので控除は195万円のままです。

年収1500万円の給与所得 = 1500万円 − 195万円 = 1305万円
年収2000万円の給与所得 = 2000万円 − 195万円 = 1805万円

この段階になると、給与所得だけで1000万円を超えます。そこから社会保険料・所得税の累進税率・住民税が関わるため、手取り額や手取り率の話は 年収1000万円の手取り記事・年収1500万円の手取り記事 と合わせて見るのが分かりやすいです。

5. 給与所得控除が出たあと、実際の手取りはどう決まるか

給与所得控除は 最初の通過点 に過ぎません。給与所得が出たら、通常は次の順で手取りが決まります。

つまり「年収から給与所得控除を引いたあと」に初めて、社会保険料・税金の計算が始まるという構造です。給与所得控除だけで手取りが決まるわけではない点は、よく誤解されるので覚えておくと良いです。

手取り全体を自分の数字で一気に見たい場合は 手取り計算ツール が使えます(給与所得控除→社会保険料→所得税・住民税の流れをまとめて試せます。入力はブラウザ内で完結し、外部送信はしません)。

6. よくある誤解・注意点

⚠️ 注意:この記事の速算表・早見表は、国税庁の考え方を理解しやすく整理した 概要の表現 です。年収境界の扱い、控除額の計算式、適用される具体的金額、改正後の取り扱いは、必ず国税庁・税務署などの最新の公式情報で確認してください。

7. 早見表をどう使えばいいか(実用的な使い方)

給与所得控除の早見表は、主に次の場面で役立ちます。

この早見表と合わせて、具体的な手取り・税額まで追う記事として 給与所得控除の計算方法(年収から給与所得を出す速算表と早見表)・年収から手取りまでの計算フロー・手取り率を年収別で比べた記事 も参照できます。

8. まとめ:早見表の使い方チェックリスト

このページの早見表・速算表の数値は、給与所得控除の区分と計算式を理解しやすくするための 概算のイメージ です。個人の実際の手当・賞与・扶養・社会保険の種類・居住自治体・適用年度の取扱いなどにより、結果は変わります。計算はブラウザ内でのみ扱われ、入力した金額・個人情報が外部に送信されることはありません。制度・税率・控除額は変更される可能性があるため、最終的な金額は国税庁・税務署・社会保険関係の公式情報で確認してください。

よくある質問

給与所得控除の早見表はどう読めばいいですか?

年収を最初に5つの区分のどれに入るかで分け、該当する式で控除額を出し、それを年収から引くと給与所得になります。たとえば年収500万円は「360万超〜660万以下」なので、500万×0.2+44万=144万円が控除額、給与所得は356万円です。

年収850万円を超えると給与所得控除はいくらですか?

850万円を超えると控除額は195万円(上限)で止まります。年収1000万円・1500万円・2000万円も控除額は同じ195万円で、給与所得はそれぞれ805万円・1305万円・1805万円になります。

給与所得控除はなぜ年収によって式が違うのですか?

給与所得控除は、給与を得るための経費相当額を年収に応じて概算で認める仕組みです。低年収ほど割合が高く、高年収ほど割合が下がる構造で、850万円を超えると一律195万円で頭打ちになります。これは高所得者ほど実効的な経費率が低いとみなされるためです。

給与所得控除さえ計算すれば手取りは分かりますか?

分かりません。給与所得控除は最初の通過点で、ここから社会保険料・基礎控除・各種の控除・所得税・住民税へと進みます。手取り全体を見たい場合は、給与所得控除だけでなく社会保険料・税額までまとめて試せる <a href="/tools/takehome.html">手取り計算ツール</a> が使いやすいです。

この早見表の数字は自分の年収にそのまま使えますか?

あくまで区分・式を理解するための概算のイメージです。賞与の配分、扶養、社会保険の種別、居住自治体、適用年の取扱いなどで実際の金額は変わります。正確な額は源泉徴収票・確定申告書・社会保険の通知・国税庁の最新情報で確認してください。

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