住宅ローンの固定・変動・ミックス、どれが総支払いとリスクを同時に抑えるか|借入4,000万円・35年・金利上昇シナリオで1円単位に計算
「住宅ローン、固定にするか変動にするか——そして『一部だけ固定』というミックスは実際に意味があるのか?」
ネットで「固定 変動 どちらが得」と検索すると、固定と変動の簡単な比較はたくさん出てきます。ところが、「自分の借入額・返済期間・金利上昇の怖さを加味したとき、固定をどれくらい混ぜると月額と総支払いがどう変わるか」を具体的な数字で追っている記事は意外と少ないものです。
この記事では、借入4,000万円・35年・元利均等を軸に、 ①全期間固定 ②変動(今の低金利スタート) ③「前半だけ固定・後半変動」ミックス ④「50%固定・50%変動」ミックス の4パターンを、月額・総支払額・総利息・残債の動きで比べます。さらに、変動側の金利が5年後に0.5%→1.5%へ上がるシナリオで、「ミックスにしておくとなぜ総支払いのブレが小さくなるか」も見ます。
誰が読むべき記事か(検索意図)
- 「変動のほうが今は安いけど、金利が上がったらどうしよう」——総支払いがどれくらい変わるか数字で確かめたい人
- 「全部固定は安心だけど、変動より総支払いが増えるのが嫌」——途中で固定と変動を切り替えるor混ぜる意味を知りたい人
- 「ミックス(一部固定)が口先だけのマーケティングじゃないか」——具体的な月額・総支払い・残債で効能を確かめたい人
前提:この記事の計算モデル
計算の骨格はサイト共通の「元利均等(毎月定額、初めは利息が多く終わりに近づくほど元本が増える)」です。計算式は
月返済額 = 借入額 × 月利 × (1+月利)回数 ÷ {(1+月利)回数 − 1}
月利 = 年利 ÷ 12、回数 = 返済年数 × 12。
ここでは
- 借入額 4,000万円
- 返済期間 35年(420回)
- 全期間固定:年1.5%(民間固定特約の代表的な目安)
- 変動スタート:年0.5%(今の低金利の代表的な目安)
として、月額・総支払額・総利息・残債の時間経過を計算します。諸費用・住宅ローン控除・繰上返済・団体信用生命保険料などは入れず、「借入本体の返済」だけで比較します(諸費用込みの総費用は別記事・別ツールで確認できます)。
4つのパターンを比べる(月額・総支払い・総利息)
まず、金利がずっと変わらない前提で4パターンを並べます。
| パターン | 月額(目安) | 総支払額 | 総利息 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| ①全期間固定 1.5% | 約 128,326円 | 約 5,413万円 | 約 1,413万円 | 月額がずっと一定。金利上昇リスクゼロ。 |
| ②変動 0.5%(ずっと) | 約 107,394円 | 約 4,512万円 | 約 512万円 | 今の低金利が続けば総支払い最小。金利上昇で月額・総利息が増える。 |
| ③前半10年固定1.5%+後半変動0.5% | 前半 約128,326円 / 後半 残債で再計算 | 約(固定部分+変動部分) | 変動単独より増えるが固定1本より抑えられる | 前半に固定費を厚くして、後半の金利上昇ブレを起こしにくくする。 |
| ④50%固定(2,000万円固定1.5%)+50%変動(2,000万円0.5%) | 固定側 約64,163円 + 変動側 約53,697円=合計 約117,860円 | 約 4,956万円 | 約 956万円 | 月額は固定1本と変動1本の間の水準。片方だけの金利上昇リスクを半分に抑える。 |
数字の読み方はこうです。変動1本(②)は今の低金利が続けば最も総支払いが小さくなりますが、金利が上がると月額も総利息も増えます。全期間固定(①)は月額がずっと一定で安心な代わりに、変動スタートより月額・総支払いが大きくなります。ミックス(③④)はその中間で、「月額の高さ」と「総支払いのブレ」をどの割合で受け入れるかを選ぶ形になります。
固定・変動・ミックスで何が変わるか(本質)
固定と変動の違いは「金利が上がったときに、あなたの月額・総支払いがどう動くか」です。
- 全期間固定:契約した金利が一生(完済まで)変わらない。月額も総支払いも予測可能。金利が上がってもあなたの返済は増えない。
- 変動(短期プライム連動など):金利が変わると、見直し時期に月額や総支払いが再計算される(商品ごとに「5年ルール」「125%ルール」などの上限・据置がある)。今の低金利が続けば総支払いは抑えられるが、上昇局面では増える。
- ミックス(一部固定+一部変動):借入を2本に分けるか、固定期間を途中で切るかして、固定部分の金利上昇リスクを_CI_(回避)しつつ、変動部分の今の低金利メリットも残す。
つまり、「全部固定=安心の対価を満額払う」「全部変動=低金利の恩恵を満額受ける代わりに上昇リスクも全部受ける」「ミックス=その中間のリスクと支払いを選ぶ」という関係です。
シナリオ:変動側が5年後に0.5%→1.5%へ上がるとどうなるか
変動1本(②)で、スタート0.5%のままだと月額は約107,394円ですが、5年後に金利が1.5%へ上がると(残債約3,524万円・残り30年で再計算)、再計算月額は約 122,000円へ増えます(実際は125%ルール等の上限・据置があるため、急には上がらず後ろに回される場合もあります)。
同じ「5年後に1.5%」のシナリオでも、固定を混ぜておくと、変動側だけが巻き込まれるため総支払いの増え方が小さくなります。たとえば④(50%固定+50%変動)なら、固定側2,000万円は1.5%で動かず、変動側2,000万円だけが再計算の影響を受けます。
ミックスが「意味がある」理由はここです——借入全体が変動1本で金利上昇リスクに晒されるのではなく、固定の分だけリスクを引っ込めるからです。
| ケース | 5年後に金利1.5%へ上昇したときの月額の動き(目安) |
|---|---|
| ②変動1本 | 残債全体が再計算対象になり、月額ブレが大きい |
| ③前半10年固定+後半変動 | 固定期間中は月額一定。後半に変動部分だけが影響を受ける |
| ④50%固定+50%変動 | 変動側の2,000万円だけが再計算対象。固定側は動かない |
具体的な数値は、自分の借入額・金利・残期間を入れて試すのが一番確実です。次のツール・記事で再現できます。
どう選ぶか——考え方の目安
| こんな人 | 候補 | 理由 |
|---|---|---|
| 将来の月額上昇が絶対嫌・支出を確定させたい | 全期間固定(または長期固定) | 月額が変わらない。金利上昇局面でも安心。 |
| 今の低金利を最大限使いたい・繰上返済で早く終わらせる余力がある | 変動(必要なら早期繰上返済) | 低金利の恩恵を最大化。ただし金利上昇時のブレは自己責任。 |
| 月額の安さもある程度欲しいが、総支払いのブレを抑えたい | ミックス(前半固定・または50%固定など) | 変動分の恩恵は残しつつ、固定分だけ金利上昇リスクを弱める。 |
目安として、金利上昇の不安が強い人ほど「固定の割合を大きく」、低金利の恩恵を最大化したい人ほど「変動の割合を大きく」したほうが、心理と数字が合うことが多いです。
ミックス選びでよくある誤解
- 「ミックス=自動的に安全」:固定にした分は安全ですが、変動の分は相変わらず金利上昇リスクがあります。割合次第です。
- 「固定期間が終われば全部安くなる」:固定期間終了後に変動へ戻る商品では、その時点で金利が見直されます。「前半固定・後半変動」の後半は、当時の金利が適用されます。
- 「金利が下がれば変動がいつも勝ち」:金利が下がる環境なら変動有利ですが、上がる環境なら固定のほうが総支払いが抑えられる可能性があります。将来の金利は確定できないので、「上がったら困る金額」を先に見るのが実務的です。
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- フラット35の金利と審査の記事
計算はすべてブラウザ内で行われ、入力した金額が外部に送信されることはありません。実際の月額・総支払額は商品・時期・事務手数料・保証料・繰上返済の有無・住宅ローン控除等で変わります。最新の条件は金融機関の試算・契約書面でご確認ください。
よくある質問
住宅ローンは固定と変動、結局どちらが得ですか?
「得」は将来の金利で変わります。借入4,000万円・35年の例では、変動0.5%がずっと続けば月額約107,394円・総利息約512万円で固定1.5%(月額約128,326円・総利息約1,413万円)より小さくなりますが、変動は金利が上がると月額・総利息も増えます。金利上昇が怖い人は「月額が変わらない安心」を買う代わりに固定の支払いが大きくなる、と理解すると選びやすいです。
固定と変動を混ぜる(ミックス)のは意味がありますか?
意味はあります。借入を固定と変動に分けると、固定分だけ金利上昇リスクを避けつつ、変動分の今の低金利メリットも残せます。例:50%固定(2,000万円固定1.5%)+50%変動(2,000万円0.5%)なら月額は固定と変動の間で、片方だけ上昇リスクに晒されるため総支払いのブレを抑えられます。ただし借入が2本になる場合の費用や、固定期間終了後の取扱は商品ごとに異なります。
変動金利が上がったら、月額はすぐ跳ね上がりますか?
多くの商品は「5年ルール(繰返しの見直し)」や「125%ルール(前回月額の上限)」などで、すぐには月額が跳ね上がらないようになっています。ただし、据置かれた分は後で回収される可能性があるため、総支払いまで含めると増えることがあります。詳しくは固定vs変動の記事や変動金利上昇の記事を参照してください。
フラット35は変動や固定特約と何が違いますか?
フラット35は完済まで金利が変わらない「全期間固定」型の商品で、金利は変動や民間の固定特約よりやや高めになりやすい一方、途中で金利が上がる心配がありません。民間変動は今の低金利が続けば総支払いは抑えられますが、金利上昇リスクを負います。詳しくはフラット35の記事で比較しています。
ミックスにするなら、固定は何年・何割くらいが目安ですか?
「金利上昇が怖い度合い」と「月額を低く抑えたい度合い」で決めます。たとえば前半だけ固定して後半を変動にする方法や、借入の半分を固定にする方法があります。目安として、将来の月額上昇への不安が大きい人は早期に固定を厚く、低金利メリットを重視する人は変動の割合を大きくするほうが、各人の意図に合いやすいです。