住宅ローンの借り換えは得か? 残債2,500万・残25年で1.5%→0.8%なら純メリット1,628,642円・回収8.1年を1円単位で計算
「今のローンは1.5%だけど、ネット銀行は0.8%らしい。借り換えたら得なの?」——住宅ローンを組んで数年経った人がまず抱く疑問です。ところが調べると「金利差1%以上・残期間10年以上・残債1,000万円以上なら借り換えメリットあり」という30年前から使い回されている目安だけが並び、諸費用がいくらかかって、何年で元が取れるのかを1円単位で示したページは驚くほど少ないです。
この記事では、残債2,500万円・残期間25年・金利1.5%→0.8%という現実的なモデルで、月々いくら下がるか・総支払がいくら減るか・諸費用を引いた純メリットはいくらか・何年で回収できるかを、実際の計算式を全部見せながら追います。さらに「1%ルール」が現在は間に合わない条件があることも数字で示します。自分の条件で試せる借り換え計算ツールをページ下部に置いています(入力はブラウザ内だけで計算され、どこにも送信されません)。
借り換えとは何をしているのか(計算式の出発点)
借り換えは「今のローンを別の銀行から借りたお金で一括返済し、新しい条件で借り直す」取引です。つまり新規のローンを、現在の残債を借入額として、残りの期間で組み直すのと同じです。したがって月々の返済額は、住宅ローンと同じ元利均等返済の式で計算できます。
毎月返済額 = 残債 × 月利 × (1+月利)^返済回数 ÷ { (1+月利)^返済回数 - 1 }
※ 月利 = 年利 ÷ 12 ÷ 100、返済回数 = 残り年数 × 12
ここが借り換え判断の全てです。①現在の条件での月額と総支払、②借り換え後の条件での月額と総支払、③借り換えにかかる諸費用——この3つを出して、
純メリット =(旧・総支払額 - 新・総支払額)- 諸費用
がプラスかマイナスかを見るだけです。「金利が下がるから得」ではなく、諸費用を引いてプラスかどうかが唯一の判断基準です。
注意点:比較する「残期間」は必ず現在のローンの残り期間に揃えてください。借り換え時に期間を35年に延ばせば月額は当然下がりますが、それは金利メリットではなく期間を延ばしただけで、総支払はむしろ増えることがあります。同じ期間で比べる——これが借り換え計算の最重要ルールです。
ステップ1:モデルケースの月額を計算する(1.5% → 0.8%)
前提を固定します。残債2,500万円・残期間25年(300回)・現在の金利1.5%(全期間固定)・借り換え後0.8%(全期間固定)。
まず現在の条件。月利は 1.5 ÷ 12 ÷ 100 = 0.00125 です。
現在の月額 = 25,000,000 × 0.00125 × (1.00125)^300 ÷ { (1.00125)^300 - 1 } = 99,984円
次に借り換え後。月利は 0.8 ÷ 12 ÷ 100 = 0.000666… です。
借り換え後の月額 = 25,000,000 × 0.0006667 × (1.0006667)^300 ÷ { (1.0006667)^300 - 1 } = 91,972円
差は 99,984 - 91,972 = 8,012円/月。年間なら 8,012×12=96,144円です。
総支払額は「月額×回数」で出します。
| 項目 | 現在(1.5%) | 借り換え後(0.8%) | 差 |
|---|---|---|---|
| 毎月返済額 | 99,984円 | 91,972円 | −8,012円 |
| 総支払額(300回) | 29,995,224円 | 27,591,583円 | −2,403,642円 |
| うち利息総額 | 4,995,224円 | 2,591,583円 | −2,403,641円 |
金利差わずか0.7%で、利息が約240万円減る——これが借り換えが話題になる理由です。ただしここから諸費用を引かないと本当の答えは出ません。
注意点:この時点で「240万円得!」と結論を出す記事が非常に多いですが、これは手数料を無視した粗利です。実務では次のステップの諸費用が数十万円単位で乗ります。
ステップ2:借り換えの諸費用を1円単位で積む(合計775,000円)
借り換えは「新しいローンを借りる」+「古いローンを消す」の両方の手続きなので、費用が二重にかかります。借入額2,500万円の場合の内訳です。
| 費目 | 計算式 | 金額 |
|---|---|---|
| 事務手数料(新銀行) | 借入額 × 2.2%(税込) | 550,000円 |
| 抵当権設定の登録免許税 | 借入額 × 0.4% | 100,000円 |
| 抵当権抹消の登録免許税 | 不動産1個 1,000円 × 2(土地・建物) | 2,000円 |
| 司法書士報酬(設定+抹消) | 相場 | 70,000円 |
| 印紙税 | 契約金額1,000万円超5,000万円以下 | 20,000円 |
| 旧ローンの全額繰上返済手数料 | 金融機関所定 | 33,000円 |
| 合計 | 775,000円 | |
最大の費目は事務手数料です。ネット銀行の多くは「借入額×2.2%」の定率型で、2,500万円なら55万円。これが「金利が安いネット銀行」の収益源であり、金利の安さと手数料の高さはトレードオフです。
一方、地銀・信託銀行には定額型(3〜11万円程度)を採用するところもあります。定額型は手数料が安い代わりに金利が0.1〜0.2%高いのが一般的なので、残債と残期間が短いほど定額型が有利になります(費用を回収する期間が短いため)。
そして純メリットは、
純メリット = 2,403,642円 - 775,000円 = 1,628,642円
回収期間は、諸費用を月々の削減額で割ります。
回収期間 = 775,000円 ÷ 8,012円/月 = 96.7か月 = 約8.1年
つまりこのケースでは、借り換えてから8年1か月住み続けて初めて損得がゼロになり、それ以降が純粋な得になります。25年残っているなら十分に回収できますが、「5年後に売却・住み替えを考えている」なら回収前に手放して損になります。
注意点:団体信用生命保険(団信)の扱いも確認してください。金利に含まれるタイプが主流ですが、3大疾病保障などの特約を付けると金利+0.2〜0.3%になり、上の月額差8,012円が一気に半分以下に縮みます。特約付き金利で計算しないと判断を誤ります。
ステップ3:「1%・10年・1,000万ルール」は今も使えるのか(数字で検証)
昔から言われる目安は「金利差1%以上・残期間10年以上・残債1,000万円以上なら借り換えメリットあり」です。この条件ぴったりで計算してみます。残債1,000万円・残期間10年・1.5%→0.5%。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 現在の月額(1.5%) | 89,791円 |
| 借り換え後の月額(0.5%) | 85,451円 |
| 総支払の減少(120回) | 520,814円 |
| 諸費用(借入1,000万・定率2.2%型) | 385,000円 |
| 純メリット | +135,814円 |
プラスにはなりますが、13万円ほどです。書類を集めて審査を受け、司法書士に会って——という手間の対価としてはかなり薄い。しかも回収期間は 385,000 ÷ 4,340 = 約88.7か月(7.4年)で、残期間10年のうち7年以上を費用回収に使うことになります。
つまり「1%ルール」はギリギリ成立する下限であって、おすすめの水準ではありません。実務的な目安は次の表のほうが役に立ちます(すべて定率2.2%型の諸費用で計算した実数)。
| 残債 | 残期間 | 金利差 | 総支払の減少 | 諸費用 | 純メリット |
|---|---|---|---|---|---|
| 3,000万円 | 30年 | 1.8→1.0% | 4,110,369円 | 905,000円 | +3,205,369円 |
| 2,500万円 | 25年 | 1.5→0.8% | 2,403,642円 | 775,000円 | +1,628,642円 |
| 2,000万円 | 20年 | 1.3→0.8% | 1,074,010円 | 645,000円 | +429,010円 |
| 1,500万円 | 15年 | 1.5→0.8% | 837,072円 | 515,000円 | +322,072円 |
| 2,500万円 | 25年 | 1.5→1.2% | 1,045,600円 | 775,000円 | +270,600円 |
| 1,000万円 | 10年 | 1.5→0.5% | 520,814円 | 385,000円 | +135,814円 |
| 800万円 | 8年 | 1.4→0.7% | 232,599円 | 333,000円 | −100,401円(損) |
この表から読み取れる法則は明確です。借り換えメリットは「残債 × 残期間 × 金利差」でほぼ決まり、諸費用は残債にほぼ比例する(定率型なら借入額×2.2%が主)。だから残期間が長いことが決定的に重要で、金利差が小さくても残期間が長ければ回収できる(2,500万・25年・0.3%差でも+27万円)一方、残期間が8年しかないと0.7%差でもマイナスになります。
注意点:残債800万円・残期間8年のケースは、借り換えではなく繰り上げ返済に諸費用相当額を回すほうが確実に得です。33万円を繰り上げ返済すれば、その分の元本に対する利息(1.4%×残期間)が丸ごと消え、審査も登記費用も不要です。判断に迷うなら 繰上返済の利息削減額を計算する記事 と比べてください。
ステップ4:月額を下げるか、期間を短くするか(同じ金利差でも結果が変わる)
借り換えには2つの使い方があります。繰り上げ返済と同じ構造です。
- 返済額軽減型:期間はそのまま25年、月額を99,984円→91,972円に下げる。手取りの余裕が増える。
- 期間短縮型:月額を99,984円のまま据え置き、0.8%で借り換えて期間を短くする。
期間短縮型を計算します。残債2,500万円・金利0.8%・月額99,984円で完済するまでの回数を、元利均等の式を回数について解いて求めます。
回数 = log{ 月額 ÷ (月額 - 残債×月利) } ÷ log(1+月利)
= log{ 99,984 ÷ (99,984 - 25,000,000×0.0006667) } ÷ log(1.0006667) = 約273.6回
300回 → 273.6回、つまり約26.4か月(2年2か月)短縮されます。総支払は 99,984×273.6 = 約27,357,771円で、現在の29,995,224円より 2,637,454円少ない。諸費用を引いた純メリットは 1,862,454円です。
| 使い方 | 毎月返済額 | 完済まで | 純メリット(諸費用775,000円控除後) |
|---|---|---|---|
| 現状維持(1.5%) | 99,984円 | 25年0か月 | — |
| 返済額軽減型(0.8%) | 91,972円 | 25年0か月 | +1,628,642円 |
| 期間短縮型(0.8%) | 99,984円(据置) | 22年10か月 | +1,862,454円 |
期間短縮型のほうが 233,812円だけ有利です。理由は単純で、元本を早く減らすほど利息の計算対象(残高)が小さくなるからです。ただし差は約23万円で、月8,012円の家計の余裕(25年で240万円のキャッシュフロー)とどちらを取るかという判断になります。教育費のピークが来る家庭なら軽減型、定年までに完済したい人なら短縮型です。
注意点:期間短縮型を選ぶ場合、借り換え時に「返済期間を短く申し込む」ことになります。審査上は月々の返済負担率が下がらないため、年収に対する返済比率がギリギリの人は審査で不利になることがあります。負担率の考え方は 返済負担率から借入可能額を逆算する記事 を参照してください。
ステップ5:変動0.4%に借り換える誘惑と、金利上昇のシナリオ計算
実際に借り換えを検討すると、変動金利は0.3〜0.6%台という数字が並び、固定0.8%より魅力的に見えます。ここで「変動に借り換えれば月額がもっと下がる」と飛びつく前に、上昇シナリオを計算しておくのが必須です。
0.8%で借り換えた後、5年後に金利が1.8%まで上がったケースを見ます。まず借り換え後5年(60回)を返済した時点の残高を、毎月「残高×月利の利息を払い、残りを元本に充てる」計算で追うと、
5年後残高 = 約20,391,667円(2,500万円から約460万円減)
ここから残り20年を1.8%で返すと、月額は 約101,238円。総支払は 91,972×60 + 101,238×240 = 約29,815,365円。当初1.5%固定を続けた場合の29,995,224円と比べると、まだ約18万円だけ得という薄氷の結果です。
| シナリオ | 総支払額 | 1.5%固定継続との差 | 諸費用775,000円控除後 |
|---|---|---|---|
| 1.5%固定を継続(借り換えなし) | 29,995,224円 | — | — |
| 0.8%固定に借り換え | 27,591,583円 | −2,403,642円 | +1,628,642円 |
| 0.8%→5年後1.8%に上昇 | 約29,815,365円 | −179,859円 | −595,141円(損) |
結論:変動や短期固定で借り換える場合、金利が1%上がるだけで諸費用を回収できなくなるということです。だから借り換えは基本的に「全期間固定 → より低い全期間固定」のときに最も判断が容易で、固定 → 変動は金利予測の賭けになります。
注意点:変動金利には5年ルール(返済額の見直しは5年ごと)と125%ルール(見直し後の返済額は従前の1.25倍まで)があります。これは「安心装置」ではなく未払利息の先送りで、金利が急上昇すると返済額が抑えられる代わりに元本が減らず、最終回に残債が一括請求されるリスクがあります。変動と固定の構造的な違いは 変動金利と固定金利のどちらが得かを計算した記事 で詳しく比較しています。
借り換えシミュレーター(残債・残期間・金利差・諸費用を入れる)
自分の条件で純メリットと回収期間を出せます。すべてブラウザ内で計算され、入力内容はどこにも送信されません。
入力の目安:「その他の諸費用」の既定値225,000円は、抵当権設定の登録免許税(借入額×0.4%=2,500万円なら100,000円)+抹消2,000円+司法書士報酬70,000円+印紙税20,000円+旧ローンの繰上返済手数料33,000円の合計です。借入額が変わると登録免許税も変わるので、正確に出したい場合は借入額×0.4%+125,000円を目安に入れ直してください。
借り換えでよくある誤算6つ
- 「金利差だけ」で判断する:判断材料は金利差ではなく残債×残期間×金利差 - 諸費用です。金利差1%でも残期間8年なら赤字になり得ます(上の表の800万円・8年のケース)。
- 期間を延ばして「月額が下がった」と喜ぶ:残り25年のローンを35年に組み直せば月額は当然下がりますが、それは金利メリットではありません。必ず同じ残期間で比較してください。
- 事務手数料の定率型と定額型を区別しない:2,500万円なら定率2.2%で55万円、定額型なら5.5万円。差は約50万円で、純メリットの3割に相当します。「金利+手数料」の総額で銀行を比べるのが正解です。
- 団信の特約分の上乗せ金利を無視する:3大疾病特約で+0.2〜0.3%乗ると、0.7%の金利差が0.4〜0.5%に縮み、純メリットは半分近くまで落ちます。実際に適用される金利で計算してください。
- 住宅ローン控除の残り年数を忘れる:住宅ローン控除は「年末残高×0.7%」が所得税・住民税から差し引かれる制度です。借り換えても当初の借入を引き継ぐ形(返済期間10年以上)であれば控除は継続しますが、借り換えで期間を10年未満に短縮すると控除が打ち切られます。控除が残っている人が期間短縮型を選ぶ際は、控除の失効額(年末残高2,000万円なら年14万円)と利息削減額を必ず比較してください。控除の仕組みは 住宅ローン控除と住民税の関係の記事 にあります。
- 審査に落ちる前提を持たない:借り換えは新規の住宅ローン審査を通る必要があります。転職直後・産休育休中・健康状態の変化(団信に加入できない)・カードローンやリボ払いの残高がある場合、金利がいくら魅力的でも借り換えできません。リボ残高がある人は先にそれを整理するほうが優先度が高いです。
判断チェックリスト(この順で確認する)
- 現在の残債と残期間を返済予定表で確認する(「借入額」ではなく今の残債で計算します)。
- 実際に適用される金利(団信特約込み)を候補銀行から取る。
- 事務手数料のタイプ(定率2.2% か 定額)と、その他諸費用(登記+司法書士+印紙+旧ローンの繰上手数料)を確認する。
- 上のシミュレーターで純メリットと回収期間を出す。
- 回収期間 < 今の家に住み続ける年数 か確認する(売却・住み替え予定があるなら特に重要)。
- 住宅ローン控除の残存年数と、借り換え後も控除が継続する条件(残返済期間10年以上)を満たすか確認する。
- 純メリットがマイナスなら、諸費用相当額を繰り上げ返済に回す案と比べる。
この7項目をすべて数字で埋められれば、「借り換えるべきか」の答えは自動的に出ます。逆に、埋まっていない項目がある状態で銀行のシミュレーターを見て決めるのは危険です(銀行のシミュレーターは自社の諸費用を控えめに、金利メリットを大きく見せる設計になっていることがあります)。
関連ツールと記事
- 住宅ローン計算ツール:借入額・金利・期間から月額と総支払を出す。借り換え後の条件をそのまま入れて使えます。
- 繰上返済の利息削減額を期間短縮型・返済額軽減型で計算:借り換えの純メリットがマイナスだった場合の代替策。
- 変動金利と固定金利はどちらが得か:借り換え先を変動にするか固定にするかの判断材料。
- 返済負担率から借入可能額を逆算する:借り換え審査で見られる比率の考え方。
- 住宅ローンの諸費用は何にいくらかかるか:新規借入時の費用構造(借り換えの諸費用と共通項目が多い)。
- 手取り計算ツール:下がった月額が手取りの何%になるかを確認する。
注意事項・免責
本記事の数値は残債2,500万円・残期間25年・金利1.5%→0.8%・諸費用775,000円などの前提を置いた概算のシミュレーションです。実際の借り換えでは、適用金利(審査結果・団信特約・キャンペーンにより変動)、事務手数料の方式(定率/定額)、抵当権設定・抹消の登録免許税(不動産の個数や課税標準により変動)、司法書士報酬、印紙税、旧ローンの繰上返済手数料、保証料の返還額(保証料一括前払い型の場合は未経過分が戻ることがあります)などが金融機関ごとに異なり、結果は変わります。また住宅ローン控除の継続要件(借り換え後の返済期間10年以上、当初借入の返済のための借入であること等)や、変動金利の5年ルール・125%ルールの適用も契約内容によって異なります。正確な金額と条件は、ご自身の返済予定表と各金融機関の商品説明書・重要事項説明、および税制の詳細については国税庁の公式情報でご確認ください。本記事は特定の金融商品の勧誘を目的とするものではありません。
よくある質問
住宅ローンの借り換えはいくら得になりますか?
残債2,500万円・残期間25年・金利1.5%→0.8%のモデルでは、毎月返済額が99,984円→91,972円(月8,012円減)、総支払額が29,995,224円→27,591,583円で2,403,642円減ります。ここから諸費用775,000円(事務手数料550,000円=借入額×2.2%、抵当権設定の登録免許税100,000円、抹消2,000円、司法書士報酬70,000円、印紙税20,000円、旧ローンの繰上返済手数料33,000円)を引いた純メリットは1,628,642円です。判断は「金利が下がるか」ではなく「総支払の減少 - 諸費用」がプラスかで行います。
借り換えの諸費用は合計いくらかかりますか?
借入額2,500万円なら合計約775,000円です。最大の費目は新銀行の事務手数料で、ネット銀行に多い定率型は借入額×2.2%(税込)=550,000円。地銀等の定額型なら55,000円程度ですが、その代わり金利が0.1〜0.2%高いのが一般的です。ほかに抵当権設定の登録免許税(借入額×0.4%=100,000円)、抵当権抹消の登録免許税(不動産1個1,000円×2)、司法書士報酬70,000円前後、印紙税20,000円(契約金額1,000万円超5,000万円以下)、旧ローンの全額繰上返済手数料33,000円程度がかかります。
借り換えの諸費用は何年で元が取れますか?
「諸費用 ÷ 毎月の返済減少額」で計算します。残債2,500万円・残期間25年・1.5%→0.8%なら 775,000円 ÷ 8,012円/月 = 約96.7か月=約8.1年です。つまり借り換えてから8年1か月住み続けて初めて損得ゼロになります。この回収期間より前に売却・住み替え・完済をすると元が取れないため、「今の家に何年住むか」が借り換え判断の前提条件になります。
「金利差1%以上・残期間10年以上・残債1,000万円以上」の目安は今も有効ですか?
成立はしますが、ギリギリの下限です。残債1,000万円・残期間10年・1.5%→0.5%(金利差1.0%)で計算すると、総支払の減少は520,814円、諸費用385,000円を引いた純メリットは135,814円しか残らず、回収期間は約88.7か月(7.4年)=残期間10年のほとんどを費用回収に使います。逆に残債2,500万円・残期間25年なら金利差0.3%(1.5%→1.2%)でも純メリット270,600円が出ます。メリットは「残債×残期間×金利差」でほぼ決まるため、金利差の数字だけを見る目安は精度が低いです。
借り換えると損になるのはどんな場合ですか?
残期間が短く残債が少ないケースです。残債800万円・残期間8年・金利1.4%→0.7%では、総支払の減少が232,599円に対し諸費用が333,000円かかるため、純メリットは−100,401円のマイナスになります。この場合は借り換えではなく、諸費用相当額(33万円)をそのまま繰り上げ返済に回すほうが確実に得です(審査も登記も不要で、元本が減った分の利息が丸ごと消えます)。ほかに、団信の特約で金利が+0.2〜0.3%上乗せされて金利差が縮む場合、借り換え後に金利が上昇する場合も損になり得ます。
借り換えで月額を下げるのと期間を短くするのはどちらが得ですか?
総支払額では期間短縮型が有利です。残債2,500万円・1.5%→0.8%で、月額を99,984円に据え置いて0.8%で返すと約273.6回(22年10か月)で完済し、期間が約26.4か月短縮されます。総支払は約27,357,771円で、諸費用控除後の純メリットは1,862,454円。返済額軽減型(月91,972円・25年)の1,628,642円より233,812円多く得します。ただし軽減型は月8,012円・25年で約240万円のキャッシュフローを生むので、教育費のピークが来る家庭は軽減型、定年前完済を目指すなら短縮型が合理的です。
借り換え後に金利が上がったらどうなりますか?
0.8%で借り換えた5年後に1.8%へ上昇するシナリオでは、5年後残高が約20,391,667円、残り20年の月額が約101,238円になり、総支払は約29,815,365円。1.5%固定を続けた場合の29,995,224円との差は約179,859円しかなく、諸費用775,000円を引くと約595,141円の赤字になります。金利が1%上がるだけで借り換えメリットが消えるため、判断が容易なのは「全期間固定→より低い全期間固定」の借り換えです。変動には5年ルール・125%ルールがあり、返済額が抑えられる代わりに未払利息が先送りされる点にも注意が必要です。
借り換えても住宅ローン控除は続きますか?
当初の借入を返済するための借り換えで、かつ借り換え後の返済期間が10年以上あれば控除は継続します。逆に期間短縮型で残返済期間を10年未満にすると控除は打ち切られます。控除額は年末残高×0.7%なので、年末残高2,000万円なら年14万円。期間短縮で得られる利息削減額と、失う控除額を必ず比較してください。また借り換え後の年末残高証明書は新しい金融機関から発行されるため、確定申告・年末調整の書類も差し替えになります。