住民税が0円になる条件——単身は年収90万・扶養1人は111万以下で非課税になる計算(合計所得金額の限度額と、超えたときの跳ね上がりを1円単位で)

2026-08-27 | 住民税 住民税非課税 住民税0円 合計所得金額 均等割 所得割 扶養 給与所得控除 パート 家計 手取り

便利箱編集部 | 編集方針・情報の確認

「住民税って、収入が少なければ0円になるって本当? うちの親は『年金だけど住民税を払っていない』と言っているし、自分もバイトの年収が低いときは引かれていなかった気がする」——この疑問は、扶養内で働く人や、収入が一時的に減った世帯が必ず抱きます。ネットで検索すると「住民税のしくみ」の概説は出てきますが、「自分の年収だと実際にいくらで0円になるのか」を1円単位で示したページは意外に少ないものです。

この記事では、住民税が「所得割も均等割も0円(非課税)になる境界」を、給与所得控除→合計所得金額→非課税限度額の順に1円単位で計算します。単身なら年収90万円以下、配偶者や扶養親族が1人いれば年収111万円以下で0円になります(扶養が増えるごとに境界が21万円ずつ上がります)。さらに、「なぜ年収ではなく『給与所得』で判定されるのか」「住民税は前年の所得ベース(1年遅れ)」「年金だけの人も非課税限度を超えると課税される」という、多くの解説が見落としている実用ポイントも数値で示します。

📌 結論ファースト:住民税(所得割+均等割)が0円になるのは、「合計所得金額」が 350,000円 + 扶養等1人につき210,000円 以下のときです。給与だけの場合、これを年収に直すと次のようになります。単身=年収90万円以下、扶養等1人=111万円以下、2人=132万円以下、3人=153万円以下。このラインをわずか1円でも超えると、いきなり所得割(数千〜数万円)と均等割(約5,000円)が発生します。

誰が読むべき記事か(検索意図)

この記事は次のような人に向けて書いています。

住民税の2つの構成——なぜ「0円」になるのか

住民税は、大きく「所得割」と「均等割」の2つからなります(いずれも都道府県分+市区町村分の合算)。

項目計算のしかた意味
所得割(合計所得金額 − 基礎控除43万円)× 10%「前年の所得」に応じてかかる税
均等割定額(都道府県分+市区町村分、合わせて約5,000円/年)所得の有無にかかわらず、住民としての定額負担

そして税法上、これらには「非課税限度額」というラインが設けられています。合計所得金額が一定額以下なら、所得割も均等割も0円になります。このラインが、この記事の主題です。

計算の根拠——非課税限度額は「合計所得金額」ベース

住民税が0円になるかどうかは、次の限度額で決まります。

非課税限度額(合計所得金額) = 350,000円 + 210,000円 × 控除対象配偶者・扶養親族の数

「控除対象配偶者・扶養親族」とは、住民税の計算で「控除される家族」のことです。単身なら0人、妻(控除対象)がいれば1人、さらに子ども(大学生など扶養親族)が1人なら2人、というふうに数えます。

ここで重要なのが、判定の基準は「年収」ではなく「合計所得金額」だという点です。給与だけの人では、合計所得金額は「給与所得」と同じになりますが、給与所得は年収から給与所得控除を引いたあとの額です。

年収の区分給与所得控除額
180万円以下55万円(定額)
180万超〜360万以下年収×40%−10万円
360万超〜660万以下年収×20%+44万円

本記事の対象範囲(年収153万円以下)はすべて「180万円以下」の定額55万円です。つまり 給与所得 = 年収 − 55万円 で、これを上の限度額に当てはめて年収へ逆算します。

具体例——家族構成別「0円になる年収の上限」

上記の根拠を使って、家族構成ごとの「住民税0円の境界(年収)」を計算しました。

家族構成非課税限度額
(合計所得金額)
給与所得の
限度額
年収の上限
(給与所得+55万)
単身(扶養等なし)350,000円350,000円900,000円
配偶者・扶養親族 1人560,000円560,000円1,110,000円
扶養親族等 2人770,000円770,000円1,320,000円
扶養親族等 3人980,000円980,000円1,530,000円

つまり「世帯の扶養が1人増えるごとに、非課税の年収上限が21万円ずつ上がる」のがルールです。扶養内で働く主婦が「103万・106万の壁」を意識するのと同じ感覚で、「住民税0円の壁」は扶養の有無で111万/132万/153万と動きます。

境界を1円でも超えると、いくらかかるか(単身の例)

非課税のラインを超えたとき、住民税は「少しずつ増える」のではなく、所得割と均等割が同時に発生します。単身(限度額=年収90万)で、年収が上がるごとにどうなるかを示します。

年収給与所得
(年収−55万)
所得割
(給与所得−43万)×10%
均等割住民税合計
90万円350,000円0円(限度内)0円0円
100万円450,000円(45万−43万)×10% = 2,000円約5,000円約7,000円
120万円650,000円(65万−43万)×10% = 22,000円約5,000円約27,000円
150万円950,000円(95万−43万)×10% = 52,000円約5,000円約57,000円

年収90万円までは0円だった住民税が、91万円にするだけでいきなり年7,000円(月約580円)かかり始め、120万円では年27,000円(月2,250円)になります。「非課税の壁」は、所得割と均等割が同時に発生するため、超えた瞬間に一定額(均等割分)が必ず乗っかる点が特徴です。

扶養1人の場合——111万の壁

配偶者や扶養親族が1人いる場合、非課税限度額は合計所得56万円(年収111万円)に上がります。

年収給与所得所得割均等割住民税合計
111万円560,000円0円(限度内)0円0円
112万円570,000円(57万−43万)×10% = 14,000円約5,000円約19,000円
130万円750,000円(75万−43万)×10% = 32,000円約5,000円約37,000円

「111万の壁」も単身の90万と同じ構造です。111万円までは住民税0円ですが、112万円にするだけで年19,000円(月約1,580円)が発生します。扶養内で働く場合、「106万の壁(社会保険料)」とセットで、この「111万の壁(住民税)」も意識すると手取りが最適化できます。

ここが誤解の多いポイント

① 「年収」ではなく「給与所得(合計所得金額)」で判定される

非課税限度額の35万円・56万円などの数字は、給与所得控除を引いたあとの「給与所得」の話です。だから単身の境界が「年収90万円」になるのは、「年収90万 − 給与所得控除55万 = 給与所得35万」がちょうど限度額に当たるからです。「年収35万円以下なら0円」ではなく「年収90万円以下」なので、この55万円の差(給与所得控除)を忘れないでください。

② 住民税は「前年の所得」ベース(1年遅れ)

住民税は、前年1月〜12月の所得をもとに計算され、当年の6月から徴収されます。つまり「今年収入が減って0円になった」としても、去年の所得が高ければ、当年はまだ住民税がかかります。逆に「今年稼いで住民税0円の境界を超えた」としても、その分の住民税が引かれるのは来年6月からです。この1年遅れを混同すると、「なぜ0円にならないのか」と不思議に思います。

③ 給与以外の所得(年金・事業・不動産)も「合計所得金額」に含まれる

パートの年収が非課税の境界以内でも、公的年金や事業所得・不動産所得があると、それらを合算した「合計所得金額」が限度額を超え、住民税がかかります。特に年金生活の高齢者は、「年金収入だけ」でも、公的年金等控除(65歳以上は最大120万円など)を引いたあとの年金所得が35万円(単身の場合)を超えると課税されます。「年金だから0円」は正しくありません。年金の税金については 公的年金を受け取るときの税金の計算記事 も参照してください。

④ 均等割の金額は自治体で微妙に異なる

この記事では均等割を「約5,000円/年(都道府県分+市区町村分の合算)」と概算していますが、正確な額はお住まいの都道府県・市区町村の条例で決まります(例:東京都区部は約5,000円、政令指定都市によっては異なる)。あくまで目安としてください。

自分の数字で確認する

すべてブラウザ内で計算され、入力した金額が外部に送信されることはありません。

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注意点・免責

本記事の数値は、住民税の非課税限度額(合計所得金額 350,000円 + 控除対象配偶者・扶養親族1人につき210,000円)、給与所得控除(令和6年以降現行5段階、180万円以下は定額55万円)、所得割の基礎控除(43万円)と税率(10%)、均等割(都道府県分+市区町村分の合算を約5,000円/年で概算)を前提とした概算です。実際の非課税判定は「合計所得金額」で行われ、給与以外の所得(公的年金・事業・不動産など)を合算した額で決まります。また住民税は前年所得ベース(1年遅れ)で計算されるため、当年の収入変動は当年の税額には直ちに反映されません。均等割の正確な額はお住まいの自治体の条例により異なります。夫婦の働き方や扶養の判定(103万・106万・130万・150万の壁)は「給与収入」ではなく「給与所得」や「所得金額」の基準になる場合があり、年齢や他の所得の有無でも変わります。本記事は情報提供を目的とし、特定の働き方や節税を勧めるものではありません。正確な非課税判定は市区町村の課税台帳・税务署・年金事務所でご確認ください。計算はすべてブラウザ内で行われ、入力した情報が外部に送信されることはありません。

よくある質問

住民税が0円になる年収の上限はいくらですか?

給与だけの場合、「合計所得金額」が 350,000円 + 扶養等1人につき210,000円 以下なら住民税(所得割+均等割)は0円になります。給与所得控除(年収180万以下は定額55万円)を引いたあとの「給与所得」で判定されるため、年収に直すと単身で90万円以下、扶養等1人で111万円以下、2人で132万円以下、3人で153万円以下が0円の境界です。

なぜ「年収」ではなく「給与所得」で判定されるのですか?

住民税の非課税限度額の数字(35万円・56万円など)は、給与所得控除を引いたあとの「給与所得(=合計所得金額)」の基準だからです。年収90万円なら、給与所得控除55万円を引いて給与所得35万円となり、ちょうど限度額に当たるため0円になります。「年収そのものが35万以下」という意味ではありません。

住民税は前年の所得で計算されると聞きましたが、どういうことですか?

住民税は前年1月〜12月の所得をもとに計算され、当年の6月から徴収されます(1年遅れ)。そのため、たとえ今年収入が減って非課税の境界内になっても、去年の所得が高ければ当年も住民税がかかります。逆に今年境界を超えても、その税額が引かれるのは来年6月からです。

年金だけの生活でも住民税がかかりますか?

かかる場合があります。年金収入には「公的年金等控除」(65歳以上は最大120万円など)があり、これを引いたあとの「年金所得」が、単身なら35万円、扶養等1人なら56万円などの非課税限度額を超えると住民税が発生します。「年金だから必ず0円」ではありません。

106万の壁(社会保険料)と111万の壁(住民税)の違いは?

106万の壁は、年収を超えると健康保険の被保険者となり本人負担の社会保険料(年収の約13.77%)が発生する境界です。111万の壁(扶養等1人の場合)は、住民税が所得割・均等割ともに0円になる上限です。どちらも扶養内で働く人が意識すべき境界で、超え方によって手取りへの影響が大きく変わります。

自分の正確な非課税判定を知るには?

ブラウザ内で計算する<a href="/tools/takehome.html">手取り計算ツール</a>で、年収・扶養状況から住民税の内訳を確認できます。ただし実際の非課税判定は市区町村の課税台帳で行われ、給与以外の所得の有無や前年所得の遅れも影響するため、確定はお住まいの自治体・税務署でご確認ください。

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