扶養控除とは? 38万円の控除額・「16歳・19歳・23歳・70歳」の年齢区分・所得制限(48万/103万)の計算で解説【2024改正】

2026-08-21 | 扶養控除 扶養親族 年収の壁 手取り 税金 子ども 家族

便利箱編集部 | 編集方針・情報の確認

「夫の年末調整の用紙に『扶養家族』を書く欄があるけど、うちの高校生の子どもっていくらの控除になるの? それとも大学生の兄ちゃんのほうが高いの? あと、0歳の弟は入るの?」——確定申告や年末調整の季節になると、一家のお金を預かる人が必ず引っかかる疑問です。ネットで「扶養控除 いくら」と調べると「38万円」という数字は出てきますが、「子どもの年齢で額が変わること」「16歳未満は対象外という罠」「扶養に入る所得制限(48万円/103万円)」「2024年改正で夫の年収1,000万円の壁ができたこと」「手取りへの影響額」を、具体的な数字で追っている記事は意外と少ないものです。

この記事では、会社員の夫(年収500万円)と妻・子ども2人(高校生16歳・大学生20歳)を例に、扶養控除の控除額の表 → 年齢区分の罠 → 所得制限と2024年改正 → 手取りへの影響を、すべて実数で確認します。自分の世帯で即座に試したい場合は 手取り計算ツール に家族構成を入れれば、同じロジックで一瞬で出ます(入力はどこにも送信されません)。

📌 結論ファースト:扶養控除は、所得税で「16歳以上の扶養親族1人につき38万円」を所得から引ける制度です。19歳以上23歳未満の子(大学生等)は「特定扶養親族」として63万円、70歳以上の老親は「老人扶養親族」として48万円(同居老親等は58万円)になります。ただし16歳未満の子どもは対象外です。扶養に入るには扶養される側の所得が48万円以下(給与だけなら年収103万円以下)で、扶養する側の所得が令和6年(2024年)改正で新設された「1,000万円以下」の上限以内である必要があります。

扶養控除の控除額は「年齢区分」で決まる(表)

扶養控除の額は、扶養する親族の年齢で決まります(令和6年分以降の所得税)。

区分年齢所得税の控除額住民税の控除額
一般の扶養親族16歳以上19歳未満、または23歳以上70歳未満38万円33万円
特定扶養親族19歳以上23歳未満(大学生等)63万円45万円
老人扶養親族(その他)70歳以上48万円38万円
同居老親等70歳以上で同居している老親等58万円43万円

注意点:①16歳未満は扶養控除の対象外です(所得税の要件は「16歳以上」)。②所得税と住民税で額が違います(所得税38万/住民税33万)。③老人扶養(70歳以上)は「同居しているか別居か」で額が変わります。なお、配偶者(妻)は「扶養控除」ではなく配偶者控除(38万円)や配偶者特別控除の枠になります。

年齢区分の罠:「16歳未満は対象外」

最も勘違いされやすいのが、この年齢の境界です。

かつては「16歳未満の年少扶養親族」に対する基礎控除の加算(1人38万円)という制度がありましたが、令和4年(2022年)分から廃止されました。つまり今の制度では、幼い子どもの分は扶養控除も基礎控除加算もなく、控除の恩恵は「原則ゼロ」です。子どもが複数いて下の子がまだ小さい世帯は、「上の子の分だけ控除される」と覚えておくと税金の見積もりが狂いません。

扶養に入るための「所得制限」:48万円(給与103万円)

扶養控除をもらえるのは、扶養される側(子どもや親)が次の要件を満たすときです。

つまり、大学生の子どもがアルバイトで「年収103万円」を少し超えると、その年は扶養から外れ、63万円の控除がゼロになります。これは親の手取りを直接下げるので、子どものバイト代との天秤が重要です。扶養の「壁」の根拠は 年収の壁103万・106万・130万・150万の計算記事 でも追っています。パートの妻の社会保険の壁も パートの社会保険(週20時間・年収130万)の記事 で確認を。

2024年改正:「扶養する側」の年収1,000万円の壁

令和6年(2024年)分から、扶養する側(納税者)の合計所得金額が1,000万円を超えると、扶養控除・配偶者控除等が使えなくなりました。改正前はこうした上限がありませんでした。

言い換えれば、「年収1,000万円超の夫」がいた場合、妻の配偶者控除も親の扶養控除も、一律でゼロになります。高所得世帯ほど「家族の分も控除される」という前提が崩れるので、手取りの見積もりを立て直す必要があります。基礎控除の引き上げに連動した改正であるため、中低所得層には影響せず、逆に基礎控除が増える層もあります。

具体例:年収500万円の夫、子ども2人(高校生16歳・大学生20歳)

夫(年収500万円・会社員)、妻(専業・所得0=配偶者控除38万円)、長男(高校生16歳)、長女(大学生20歳)の世帯で計算します。

家族区分所得税の控除額
妻配偶者控除38万円
長男(16歳・高校生)一般の扶養親族38万円
長女(20歳・大学生)特定扶養親族63万円
控除合計139万円

扶養控除だけで(配偶者控除を除いても)38万+63万=101万円の所得控除になります。もし長女がアルバイトで年収103万円を超えていれば、この63万円分が消え、扶養控除は38万円(長男分のみ)に減ります。

手取りへの影響(控除額×実効税率で概算)

控除額が増えると、夫の「所得税+住民税」がその分だけ減り、手取りが増えます。年収500万円層の実効税率(所得税・住民税合わせて)はおおむね25%程度とすると、手取りの増え幅は「控除額×約25%」で概算できます。

ケース扶養控除額夫の手取り増(年)
長男(16歳)+長女(20歳)とも扶養内101万円約25万円
長女がバイトで扶養外になった38万円約9.5万円

つまり、長女のアルバイトが扶養の境界(年収103万円)をこえるだけで、夫の手取りは年約15万円減る計算になります。もちら長女自身のバイト収入(所得税・社会保険料を引いた手取り)は別に増えるため、世帯全体でどちらが得かは設計が必要です。手取りの内訳の根拠は 年収500万円の手取りを1円単位で分解した記事 で確認を。

よくある誤算4つ

  1. 「子どもは何人いても同じ38万円」:違います。19歳以上23歳未満は特定扶養親族として63万円、70歳以上の老親は48万円(同居老親等58万円)と、年齢で額が変わります。
  2. 「0歳の赤ちゃんも扶養控除」:違います。所得税の扶養控除の要件は16歳以上です。年少扶養親族の基礎控除加算も令和4年から廃止されたため、幼い子どもの分は原則ゼロです。
  3. 「扶養控除の額は年収で決まる」:実際には扶養される側の合計所得金額で決まります。給与収入103万円の目安は、給与所得控除の計算により所得と一致しない場合があります。
  4. 「年収高くても扶養控除はもらえる」:令和6年(2024年)改正で、扶養する側(納税者)の合計所得が1,000万円を超えると扶養控除等が使えなくなりました。

関連する計算・ツール

自分の世帯の手取りへの影響は 手取り計算ツール、配偶者控除との違いは 配偶者控除の記事、妻が103万円を超える場合は 配偶者特別控除の記事、年収の壁の根拠は 年収の壁103万・106万・130万・150万の計算記事、所得税の計算は 所得税の計算記事、住民税の仕組みは 住民税の計算記事、給与所得控除そのものは 給与所得控除の計算記事、子どもへの別の給付は 児童手当の支給額を計算した記事 も併せてどうぞ。いずれもブラウザ内で計算し、入力した金額はどこにも送信されません。

注意事項

本記事の数値は、令和6年(2024年)分以降の税制を前提とし、夫が会社員・年収500万円を想定した概算です。扶養控除が受けられるのは、扶養親族の合計所得金額が48万円以下(給与所得のみの場合は給与収入103万円以下)かつ、納税者(扶養する側)の合計所得金額が1,000万円以下(老人控除対象配偶者等を除く)などの要件を満たす場合に限ります。控除額の区分(一般38万/特定63万/老人48万・58万)や、同居老親等の判定、住民税との額の差(一般33万/特定45万/老人38万・43万)は、改正や地域によって変動することがあります。また「年収○万円」の目安は給与所得控除の計算により所得と一致しない場合があります。正確な額は、勤め先の年末調整および 住民税の計算方法 等の公式情報が最終的な根拠になります。本記事は情報提供を目的とし、個別の税務相談に代わるものではありません。

よくある質問

扶養控除っていくら引いてもらえますか?

所得税では、16歳以上の一般の扶養親族1人につき38万円です。19歳以上23歳未満の「特定扶養親族」(大学生など)は63万円、70歳以上の「老人扶養親族」は48万円(同居している老親等は58万円)になります。住民税では額が少し下がり、一般33万円・特定45万円・老人38万円(同居老親等43万円)になります。

子どもが16歳未満だと扶養控除はつかないのですか?

はい、所得税の扶養控除の要件は「16歳以上」です。0歳の赤ちゃんや小学校低学年の子どもは、扶養控除の対象になりません(かつてあった基礎控除の「16歳未満の年少扶養親族の加算」も令和4年分から廃止されました)。中学校を卒業して16歳の誕生日を迎えた年から扶養控除が効き始めます。

大学生の子どもはいくらの控除になりますか?

19歳以上23歳未満なら「特定扶養親族」として所得税63万円(住民税45万円)の控除になります。ただし、アルバイト等で合計所得が48万円を超える(給与収入でいうと年収約103万円超)と扶養から外れ、控除はゼロになります。

扶養に入るための所得制限はどのくらいですか?

扶養される側(子どもや親)の「合計所得金額」が48万円以下であること(給与所得だけの場合は給与収入103万円以下)が要件です。さらに令和6年(2024年)改正で、扶養する側(納税者)の合計所得金額が「1,000万円以下」という上限が新設されました。年収1,000万円超の世帯は扶養控除が使えなくなりました。

2024年の改正で何が変わりましたか?

大きく2点です。①扶養する側(納税者)の合計所得金額が1,000万円を超えると、扶養控除・配偶者控除等が使えなくなりました(改正前は上限なしでした)。②基礎控除の引き上げに連動して控除額の体系が整理されました。扶養される側の「48万円以下(給与103万円以下)」という所得制限自体は従来どおりです。

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