住宅ローン控除 還付額計算

住宅ローン控除で1年あたり・10年間でどれだけ税金が戻るか(還付額の目安)を計算。年収・借入額・金利・配偶者から、月返済額・年末残高の目安とともに所得税・住民税の還付額を出します。控除の要件や期間の詳細は住宅ローン控除額の計算を解説した記事、頭金ありの効果は頭金あり住宅ローンの計算記事で確認できます。

住宅ローン控除の還付額の目安はどう計算するか(計算の根拠)

住宅ローン控除は「年末のローン残高」の一定割合を、所得税・住民税から差し引いて税金を軽減する制度です。このツールは、まず「月返済額」を出し、次に「新規借入後1年目の年末残高の目安」から「1年あたりの控除上限」を求め、最後に「所得税と住民税でそれぞれどれくらい戻る(控除される)か」の概算を出しています。

月返済額(元利均等) = 借入額 × 月利率 × (1+月利率)月数 ÷ {(1+月利率)月数 − 1}
月利率 = 年利 ÷ 12、 月数 = 返済年数 × 12

住宅ローン控除の「対象になる金額」の代表的な目安は、新規借入の場合は年末残高の1%で、上限は年40万円(一定のケースでは適用年数が10年となる前提)です。このツールは「年末残高の目安」を借入額の97%で簡易計算し、そこから年40万円のキャップまでを適用しています。

年末残高の目安(1年後・概算) = 借入額 × 0.97
1年あたりの控除額の目安 = 年末残高 × 1%(上限40万円)

この「年40万円」がそのまま還付額になるわけではなく、実際に戻る(軽減される)額は「その人の所得税・住民税の大きさ」で頭打ちになります。所得税は累進税率(ここでは給与所得控除・社会保険料・基礎控除を概算した後の課税所得に税率を掛け、復興特別所得税2.1%を込めた目安)、住民税の所得割はおおむね課税所得の10%を基準にします。このツールは「年40万円の上限内」で、所得税側・住民税側それぞれの税額を超えない範囲で控除される前提の概算を表示しています。

具体例——借入4,000万円・金利1.0%・35年・年収500万円の場合の早見表

借入額金利月返済(目安)年末残高(1年目目安)1年あたり控除上限(目安)10年合計控除上限(目安)
3,000万円1.0%約84,686円約2,910万円約29.1万円約291万円
4,000万円1.0%約112,914円約3,880万円約38.8万円約388万円
4,000万円1.5%約122,474円約3,880万円約38.8万円約388万円
4,000万円2.5%約142,998円約3,880万円約38.8万円約388万円
5,000万円1.0%約141,143円約4,850万円約40.0万円(上限)約400万円(上限)

このように「年末残高の1%」だけで見ると、金利が変わっても借入額が同じなら控除額のキャップはほぼ同じです。つまり住宅ローン控除は「金利が高いほどお得」ではなく、「残高が大きいほど対象額が大きい」側に入りやすい制度で、還付額の上限は借入額と返済期間のほうに敏感です。

ただし、実際に戻る額は「その年の所得税・住民税がどれだけあるか」で頭打ちになります。たとえば課税所得が小さく所得税が数万円しかない人は、年40万円分の控除があっても所得税からはその数万円しか戻らず、住民税側で差を補う形になります(住民税の控除も一定の上限があります)。逆に課税所得が大きければ、所得税・住民税の両方で控除が効きやすくなります。このツールでは、その「頭打ち」も踏まえた還付額の概算を、所得税側・住民税側に分けて表示しています。

具体例——年収・借入額別にどれだけ戻るか(目安)

年収借入額金利月返済(目安)1年あたり控除上限(目安)年合計還付(目安)10年合計還付(目安)
400万円3,000万円1.0%約84,686円約29.1万円約10.5万円約105万円
500万円3,000万円1.0%約84,686円約29.1万円約25.6万円約256万円
700万円4,000万円1.0%約112,914円約38.8万円約38.8万円約388万円
1,000万円4,000万円1.0%約112,914円約38.8万円約38.8万円約388万円

借入3,000万円・年利1.0%・35年・年収500万円・配偶者あり(控除対象)のケースでは、月返済額は約84,686円、年末残高の目安は約2,910万円になり、1年あたりの控除額の目安は「残高の1%」で約29.1万円です(上限40万円には届かない)。このときの年合計還付(所得税+住民税の目安)は約25.6万円、10年間の合計は約256万円が目安になります。

同じ借入3,000万円・年利1.0%・35年でも、年収400万円・単身だと、課税所得が小さく所得税率も5%帯になるため、年あたりの還付合計は約10.5万円・10年間で約105万円にとどまります。借入額・金利が同じでも「年収(所得税の大きさ)」が違えば控除恩恵の額が大きく変わる典型的なパターンで、これが「住宅ローン控除は所得税を納めている人で効果が大きい」理由です。

借入4,000万円・年利1.0%・35年・年収700万円・単身では、月返済額は約112,914円、年末残高の目安は約3,880万円になり、1年あたりの控除額の目安は約38.8万円です。課税所得が約322.5万円・所得税率10%帯なので、年あたりの還付合計は上限の約38.8万円に近付き、10年間の合計は約388万円が目安になります。年収1,000万円・借入4,000万円のケースでも、年あたりの控除上限は同じく約38.8万円で、10年間の合計は約388万円が目安です(所得税率区分が変わっても、このケースでは控除上限が先に頭打ちになります)。

頭金を入れると借入額が減るため、月返済額だけでなく「年末残高×1%」の控除額も減ります。比較は頭金あり住宅ローン計算で、返済全体の試算は住宅ローン計算で確認できます。

住宅ローン控除の金額が一人ひとり違う理由

実際の計算の流れを1つずつ追う(借入4,000万円・金利1.0%・35年・年収500万円・単身)

ここでは、ツールに数値を入れたときに内部でどんな順番で計算しているかを、1つの具体例でそのまま追います。前提は「元利均等・固定金利・1年目の年末残高は借入額の97%目安・控除上限年40万円・適用期間10年」です。

ステップ1:月返済額を出す

月利率 = 1.0% ÷ 12 ≒ 0.0083333
月数 = 35 × 12 = 420
月返済額 = 40,000,000 × 0.0083333 × (1.0083333)420 ÷ {(1.0083333)420 − 1}
≒ 約112,914円/月

ステップ2:1年目の年末残高の目安を出す

1年間の元本返済額の目安を、ここでは借入額の3%程度と見ると
年末残高の目安 = 借入額 × 0.97 = 40,000,000 × 0.97 = 約38,800,000円

この「×0.97」は、毎月元利均等で返していった最初の1年間に元本がどれくらい減るかの簡易的な目安です。実際の年末残高は金利・返済回数・ボーナス併用の有無で変わるため、精密な数字は 住宅ローン計算ツール で月単位の推移を確認してください。

ステップ3:1年あたりの控除額の上限を出す

控除対象額の目安 = 年末残高 × 1% = 38,800,000 × 0.01 = 388,000円
上限(一例) = 400,000円/年
→ 1年あたりの控除額の目安 = min(388,000円, 400,000円) = 388,000円

この段階では「控除額の計算上の上限」までしか出てきません。ここから先が「実際に戻る額」への変換です。

ステップ4:その人の所得税・住民税を求める(目安)

単身・年収500万円・40歳未満・社会保険料目安(年収の約14.5%)・基礎控除48万円(所得税)/43万円(住民税)・扶養なし、という概算モデルで計算すると次のようになります。

項目計算金額(目安)
給与所得控除500万×20%+44万(360万超〜660万以下の区分)164万円
給与所得500万 − 164万336万円
社会保険料500万×14.5%約72.5万円
課税所得(所得税)336万 − 72.5万 − 48万約215.5万円
所得税額(本税)215.5万×10% − 9.75万(控除)約11.8万円
復興特別所得税(2.1%)11.8万×2.1%約2,478円
所得税額の合計目安本税+復興約12.05万円
課税所得(住民税)336万 − 72.5万 − 43万約220.5万円
住民税所得割(10%)220.5万×10%約22.05万円

ここでのポイントは、所得税の本税が約12万円程度だということです。この金額は「住宅ローン控除で毎年40万円近く戻る」と期待していた人にとっては、思っているよりも小さいことがよくあります。

ステップ5:控除額を所得税・住民税に振り分けて、実際の還付額(目安)を出す

住宅ローン控除は、計算上の控除額を「所得税→住民税」の順で充当していくイメージで捉えられます(実際の処理は年末調整・確定申告・住民税の徴収方法で形が変わります)。ここでは「所得税側で控除しきれない分は住民税側で控除される」という簡易モデルで見ます。

所得税側の控除可能額 = min(控除額の目安 38.8万, 所得税額の目安 12.05万) = 約12.05万円
住民税側に回る残り = 38.8万 − 12.05万 = 約26.75万円
住民税所得割の大きさ = 約22.05万円
→ 住民税側で実際に控除される額 = min(26.75万, 22.05万) = 約22.05万円
年合計の還付・控除目安 = 12.05万 + 22.05万 = 約34.1万円

この例では「控除額の目安38.8万円」に対して、実際の還付・控除の合計は約34.1万円程度に留まりました。差の約4.7万円は、住民税の所得割(約22万円)がそこそこの大きさだったためほぼ吸えましたが、所得税が小さすぎる人では住民税の所得割も小さく、結果として控除額の大半が使われないことがあります。

⚠ 「控除上限40万円なのに、全然戻らないのはなぜ?」
このツールの「1年あたりの控除上限」は「控除の対象になり得る最大額」であって、「口座に振り込まれる現金の額」ではありません。所得税・住民税のどちらも上限があるため、実際に軽減される額は「その年に納めている所得税+住民税の大きさ」できちんと頭打ちになります。課税所得が小さい人・所得控除を多く使っている人ほど、この頭打ちが大きく出ます。自分の所得税・住民税の大きさは 手取り計算ツール で先に確かめておくと、控除の当て込みが現実的になります。

配偶者がいるとこの数字はどう変わるか(同じ4,000万円・1.0%・35年・年収500万円)

世帯で見る場合は、配偶者にも所得税・住民税があれば、控除を分け合う形で合計の還付額が増える余地があります。たとえば配偶者の年収が300万円(単身・同様の概算モデル)なら、配偶者側の所得税・住民税の大きさに応じて、世帯全体の「控除を受け止められる額」が大きくなります。

ケース本人(年収500万)の還付目安配偶者(年収300万)の還付目安世帯合計の目安
単身(本人だけ)約34.1万円—約34.1万円
配偶者あり(年収300万)約34.1万円約10〜15万円台(所得税・住民税の大きさによる)約45〜50万円程度

配偶者がいる場合に給付が増えるかどうかは、「配偶者の所得税・住民税がどれだけあるか」で決まります。収入が少ない配偶者では控除枠を十分に使えず、世帯合計があまり増えないこともあります。自分たちのケースは 手取り計算ツール に本人と配偶者の年収を入れて所得税・住民税の目安を出し、この住宅ローン控除ツール に借入額・金利・年収・配偶者情報を入れて試すのが一番確実です。

上の数字は「給与所得控除・社会保険料(年収の約14.5%)・基礎控除(所得税48万/住民税43万)・扶養なし・40歳未満(介護保険料なし)・所得税累進税率+復興特別所得税2.1%・住民税所得割10%」という概算モデルで出した目安です。生命保険料控除・iDeCo・医療費控除・ひとり親控除などの他の控除、配偶者控除・配偶者特別控除、住宅借入限度額・適用年数・住宅の区分(新築・中古・省エネ・認定住宅など)、入居時期、確定申告か年末調整か、住民税の徴収方法(普通徴収か特別徴収か)などにより、実際の還付額・時期・控除の振り分けは変わります。自分の正確な数値は控除申告書・税務署・金融機関の案内・契約書面で確認してください。計算はすべてブラウザ内で行われ、入力した金額が外部に送信されることはありません。

よくある注意点

もっと具体的に確かめる

数値は「元利均等・固定金利・年末残高の目安(借入額の97%)・一般的な上限(年40万円・10年)」を前提とした概算です。実際の控除額・還付額・適用年数は、入居時期・住宅区分・所得金額・税務署の取扱い・契約内容で異なります。確定申告・年末調整・住民税の徴収方法により、実際に返ってくる額・時期も変わり得ます。個別の判断は控除申告書・税務署・金融機関の案内・契約書面で必ず確認してください。計算はすべてブラウザ内で行われ、入力した金額が外部に送信されることはありません。

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