児童扶養手当(母子手当)はいくらもらえる? 第1子43,160円+加算の計算式と所得制限(490万の壁)・年金との較差を具体例で
「離婚して子どもをひとりで育てることになった。『児童扶養手当(じどうふようてあて)』って、月にいくらもらえるの? 子どもが2人・3人いるとき加算はどうなる? 年収(所得)が高いと『もらえなくなる』って本当? 年金をもらっていると減るの?」——ひとり親の家計では、この手当の額が生活の基盤になります。ネットで「児童扶養手当 いくら」と検索しても「最大約4.3万円」という数字は出てきますが、実際に自分の子どもの数でいくらになるか、所得制限(490万円の壁)でいつ支給停止になるか、年金との較差でどう減るかを、具体的な数字で追っている記事は意外と少ないものです。
この記事では、令和6年度の支給額(第1子 43,160円/月)から出発し、「第1子 + 第2子加算 + 第3子以降加算」の計算式で、子どもの数ごとの月額を1円単位で計算します。さらに所得制限限度額(扶養親族数別の表)、年金との併給制限(較差)で減額・不支給になる罠も数値で示します。自分の手元の動きを確かめたい場合は 手取り計算ツール で、ひとり親控除との違いは ひとり親控除の記事、児童手当(別の制度)は 児童手当の記事 もどうぞ。
そもそも「児童扶養手当」とは何か
児童扶養手当は、父母の一方がいない(死別・離婚・未婚での出産等)などの理由で、ひとり親(監護する親)が子どもを養育している世帯に支給される、都道府県(実務は市区町村)の制度です。児童手当(子ども1人あたりの現金給付、所得制限あり)とは別の制度で、どちらも原則もらえます。
| 制度 | 対象 | 所得制限 |
|---|---|---|
| 児童扶養手当 | ひとり親が養育する子 | あり(限度額超で支給停止) |
| 児童手当 | すべての世帯の子(年齢要件あり) | あり(所得上限) |
| ひとり親控除 | 親の税金を減らす(所得税・住民税) | 合計所得500万円以下 |
つまり、ひとり親世帯なら「児童扶養手当 + 児童手当 + ひとり親控除(税の減免)」の3本柱で家計を支えることができます。本記事はこのうち「児童扶養手当」の額と計算に絞って解説します。
支給額の計算式:第1子 + 加算
児童扶養手当の月額は、「対象となる子のうち、最年長の子(第1子)の基本額」に「下の子の数に応じた加算」を足したものです。
月額 = 第1子の基本額 + 第2子加算 +(第3子以降の人数 × 第3子以降加算)
| 子の順位 | 令和6年度の額(月額) | 計算式の意味 |
|---|---|---|
| 第1子(最年長) | 43,160円 | 基本額 |
| 第2子 | +10,190円 | 第2子加算 |
| 第3子 | +6,110円 | 第3子以降加算 |
| 第4子 | +6,110円 | 第3子以降加算(1人につき) |
※額は毎年度(令和6年度=2024年4月〜2025年3月)ごとに物価等を踏まえて見直されます。最新の額はお住まいの都道府県・市区町村の窓口でご確認ください。
具体例1:子ども2人(第1子+第2子)の場合
| 項目 | 月額 | 年額(×12) |
|---|---|---|
| 第1子 基本額 | 43,160円 | 517,920円 |
| 第2子 加算 | 10,190円 | 122,280円 |
| 合計 | 53,350円/月 | 640,200円/年 |
子どもが2人なら、月額 53,350円(年額約64万円)が目安です。ひとり親控除(所得税・住民税の減免、年収300万・子1人で約5.3万円増)と合わせると、手取りの底上げ効果はさらに大きくなります。
具体例2:子ども3人(第1子+第2子+第3子)の場合
| 項目 | 月額 | 年額(×12) |
|---|---|---|
| 第1子 基本額 | 43,160円 | 517,920円 |
| 第2子 加算 | 10,190円 | 122,280円 |
| 第3子以降 加算(1人) | 6,110円 | 73,320円 |
| 合計 | 59,460円/月 | 713,520円/年 |
子どもが3人なら、月額 59,460円(年額約71万円)です。第3子以降は1人につき6,110円ずつ加算されるため、子どもが増えるほど月額は順次上がります。
所得制限(490万円の壁)の計算式
児童扶養手当には所得制限があります。受給資格者(親)本人またはその配偶者(事実婚を含む)の「前年所得」が、次の限度額以上だと、手当は支給停止(もらえなくなる)になります。所得が限度額未満なら全額支給です(児童扶養手当に「一部支給」の区分はありません)。
| 扶養親族等の数 | 所得制限限度額(前年所得) |
|---|---|
| 0人 | 4,900,000円 |
| 1人 | 5,270,000円 |
| 2人 | 5,650,000円 |
| 3人 | 6,030,000円 |
| 4人 | 6,410,000円 |
| 5人 | 6,790,000円 |
| 6人以上 | 5人分 +(人数−5)×380,000円 |
「扶養親族等の数」には、配偶者や所得税法上の扶養親族(下の子ども等)が含まれます。つまり、子どもが多いほど限度額が緩和され、より高い所得まで手当を受けられます。
具体例:単身で子2人(扶養親族等2人)の場合
| 本人の前年所得 | 限度額(扶養親族等2人) | 判定 |
|---|---|---|
| 480万円 | 565万円 | 限度額未満 → 全額支給 |
| 600万円 | 565万円 | 限度額超 → 支給停止 |
扶養親族等が2人(子2人)の場合、限度額は565万円です。年収(給与所得)ベースでは、給与所得控除を引いた「所得」で判定するため、給与年収は目安として600万円前後が一つのラインになります(正確には所得ベースでの判定)。逆に、扶養親族等が0人の場合は490万円が限度額なので、より早く支給停止になります。
年金との較差(併給制限)の罠
児童扶養手当の大きな落とし穴が、公的年金(遺族年金・障害年金等)との調整です。同じ子を対象として、遺族年金(中高齢寡婦加算等を含む)や障害年金などの「手当と同種の年金給付」を受けている場合、手当のうち「年金額に相当する部分」は支給されません。
実際に支給される手当 = 児童扶養手当の額 − 年金(手当と同種部分)の額
| ケース(第1子のみ・基本額43,160円の場合) | 年金(手当と同種部分) | 支給される手当 |
|---|---|---|
| 年金なし | 0円 | 43,160円/月(全額) |
| 遺族年金(児童分)30,000円 | 30,000円 | 13,160円/月(差額) |
| 遺族年金(児童分)50,000円 | 50,000円 | 0円/月(支給なし) |
年金のほうが手当を上回ると、手当は0になります(「差し引きゼロ」)。「年金もらってるから手当は0かも」と思って届出を諦めず、窓口で「年金との較差」を計算してもらうのが重要です。年金が手当より少なければ、その差額分はちゃんと支給されます。
やりがちな失敗3つ
- 「児童手当と同じだと思い込む」:児童手当は子ども全世帯向けですが、児童扶養手当はひとり親向けの別制度で、所得制限のラインや額の仕組みが異なります。両方もらえるため、片方しか申請しないのはもったいないです。
- 「年金があるからもらえない」と諦める:年金との較差で差額が出るだけで、必ずしも0になるわけではありません。未申請のままにせず、窓口で計算してもらいましょう。
- 「所得制限は年収で決まる」と勘違いする:判定は「給与所得控除を引いた所得」ベースです。また配偶者(事実婚含む)の所得も見られ、再婚等で配偶者の所得が高いと支給停止になります。
関連ツールで自分の数字を確かめる
児童扶養手当を含めた家計の手取りは 手取り計算ツール で確認できます。ひとり親控除(所得税・住民税の減免)との違いは ひとり親控除の記事、別制度の児童手当は 児童手当の記事、育児休業給付金(産前産後・育休中の給付)は 育児休業給付金の記事、扶養の壁は 扶養控除(38万円)の記事 も参考になります。いずれもブラウザ内で計算し、入力した金額はどこにも送信されません。
注意事項
本記事の数値は令和6年度の目安です。児童扶養手当の額は毎年度見直され、所得制限の限度額や年金との調整(較差)の取扱いも、市区町村・都道府県の運用や制度改正によって変わります。支給要件(監護状況、所得、現況届の提出等)や正確な額は、お住まいの都道府県・市区町村の窓口、または福祉事務所・年金事務所等の専門窓口でご確認ください。本記事は情報提供を目的とし、個別の受給相談に代わるものではありません。
よくある質問
児童扶養手当は実際にいくらもらえますか?
令和6年度の額で、子ども1人(第1子)なら月額43,160円(年額約51.8万円)です。子どもが増えると加算が上乗せされ、2人なら月額53,350円(第2子加算+10,190円)、3人なら月額59,460円(第3子以降加算+6,110円/人)になります。額は毎年度見直されるため、最新の額は窓口でご確認ください。
支給額の計算方法は?
月額=第1子の基本額(43,160円)+第2子加算(10,190円)+(第3子以降の人数×6,110円)で求めます。例えば子ども3人なら 43,160+10,190+6,110=59,460円/月です。
所得制限(490万円の壁)とは何ですか?
受給者本人または配偶者(事実婚含む)の前年所得が限度額以上だと支給停止になります。限度額は扶養親族等の数で変わり、0人なら490万円、1人なら527万円、2人なら565万円、以降1人増えるごと約38万円ずつ緩和されます。所得が限度額未満なら全額支給です(一部支給の区分はありません)。
年金をもらっていると減りますか?
はい、遺族年金や障害年金など、手当と同種の公的年金を受けている場合、手当のうち年金額に相当する部分は支給されません(較差)。年金が手当より少なければその差額が、年金が手当を上回れば0になります。年金があるからといって未申請にせず、窓口で差額を計算してもらいましょう。
児童手当とはどう違いますか?
児童手当は子ども全世帯向けの現金給付(所得上限あり)ですが、児童扶養手当はひとり親向けの別制度です。両方もらえるため、ひとり親世帯はどちらも申請するのが有利です。