育児休業給付金(育休手当)はいくらもらえる? 標準賃金日額×2/3と×1/2の計算式と手取りとの差を具体例で

2026-08-21 | 育児休業給付金 育休手当 手取り 出産 育児 雇用保険 家計

便利箱編集部 | 編集方針・情報の確認

「育児休業(育休)を取ると、給与はいくらに減るの? 『育休手当』って結局いくらもらえるの?」——出産・育児を控える働く親にとって、これは家計の最大の関心事のひとつです。ネットで「育休手当 計算」と検索しても「最大67%」という数字は出てきますが、実際に自分の月給でいくらになるか、その計算式(標準賃金日額×2/3と×1/2)と手取りとの差を具体的に追っている記事は意外と少ないものです。

この記事では、月給30万円の会社員が育休を取る場合を例に、育児休業給付金がいくらになるかを、標準賃金日額の出し方から、180日目の境界、産前産後休業給付金との違いまで、実際の計算式で確認します。自分の数字で試したい場合は 手取り計算ツール で、育休中の収入減を把握できます。

📌 結論ファースト:育児休業給付金は、休業開始から180日目までが「標準賃金日額×2/3(約67%)」、181日目以降が「×1/2(50%)」です。賞与を除く月給30万円なら、育休中の手当は約20万円/月(67%)→約15万円/月(50%)になります。支給は子が1歳の誕生日の前日まで(場合により1歳6ヶ月・2歳まで延長)。所得制限はありません。

ステップ1:標準賃金日額の出し方

育児休業給付金のベースになるのは「標準賃金日額」です。これは、育児休業を開始する前の直近6ヶ月(180日)に支払われた賃金(賞与を除く)の合計 ÷ 180で求めます。

標準賃金日額 = 直近6ヶ月の賃金(賞与除く)の合計 ÷ 180

毎月ほぼ同じ給与の場合、「月給 ÷ 30」で近似できます(6ヶ月÷180日=月÷30日)。例えば月給(賞与除く)30万円なら、標準賃金日額は 300,000 ÷ 30 = 10,000円/日です。

注意点:標準賃金日額には賞与(ボーナス)は含みません。また、育休開始前の6ヶ月のうち休業や欠勤が多いと、賃金が支払われた日数で割り直す端数処理が入り、実際の日額は上の近似より低くなることがあります。正確な額は事業主が計算した「標準賃金日額」をご確認ください。

ステップ2:180日目の境界(2/3と1/2)

支給率は、育児休業を開始してからの経過日数で変わります。

期間支給率計算式
育休開始から180日目まで標準賃金日額の 2/3(約67%)日額 × 2/3 × 育休日数
181日目以降標準賃金日額の 1/2(50%)日額 × 1/2 × 育休日数

例えば標準賃金日額10,000円の場合、180日目までは1日あたり 10,000 × 2/3 ≒ 6,667円、181日目以降は 10,000 × 1/2 = 5,000円です。育休が長くなるほど、後半は給付率が下がる(50%)点に注意が必要です。

ステップ3:月給別の「育休中の手当」を出す

賞与を除く月給ごとに、育休中の手当(月額目安)を計算します。標準賃金日額 ≒ 月給÷30 として、前半(67%)と後半(50%)で比較します。

月給(賞与除く)標準賃金日額前半 約67%(月額目安)後半 50%(月額目安)
20万円約6,667円約133,000円約100,000円
25万円約8,333円約167,000円約125,000円
30万円約10,000円約200,000円約150,000円
40万円約13,333円約267,000円約200,000円
50万円約16,667円約333,000円約250,000円

※月額目安は「日額 × 率 × 30日」の概算です。実際の支給は原則「61日ごと」の単位で、その期間の育休日数ぶんを計算します。

ステップ4:手取り(産前産後+育休)との差を比べる

普段の手取りと比べると、育休中の収入減がよく分かります。月給30万円(賞与除く、社会保険料・所得税を引く前の額面)の会社員が、産前産後休業(出産手当金・給与の2/3)を経て育休に入る場合:

時期月収(目安)普段の手取りとの差
普段(育休前)額面30万、手取り約24万—
産前産後休業(出産手当金 2/3)約20万▲約4万
育休前半(育児休業給付 2/3)約20万▲約4万
育休後半(育児休業給付 1/2)約15万▲約9万

育休後半は給付率が50%に下がるため、手取りとの差が大きく開きます。家計の立て直し(配偶者の収入への依存、貯金の取り崩し、育休中の節約)を事前に考えておくと安心です。なお出産手当金(産前産後休業給付金)については出産手当金の計算記事、出産時の一時金は出産育児一時金の記事も参照してください。

ステップ5:産前産後休業給付金との違い

よく混同されるのが「産前産後休業給付金(出産手当金)」と「育児休業給付金(育休手当)」です。

つまり、出産手当金(2/3)のあとに育休手当(2/3→1/2)が続くイメージです。注意点:どちらも雇用保険の給付で、所得制限はありません。会社員・公務員(一部を除く)で雇用保険に加入していれば原則もらえます(一部の短時間労働者等は要件あり)。

ステップ6:いつまで・いつもらえるか

育児休業給付金の支給期間は、原則として「子が1歳の誕生日の前日」までです。保育所等の入所待機等の場合は、1歳6ヶ月(2歳)まで延長できることがあります。

支給のスケジュール:原則として61日ごと(約2ヶ月ごと)に、事業主を通じて(または直接)申請し、後日振り込まれます。初回は育休開始から一定期間経ってからになるため、「最初の1〜2ヶ月は給与が止まる」点に注意し、貯金や配偶者の収入でつなぐ必要があります。

やりがちな失敗3つ

  1. 「育休=給与の67%がずっと続く」と勘違いする:181日目以降は50%に下がります。後半の収入減を事前に織り込まないと、育休終盤で家計が苦しくなります。
  2. 賞与を含めて標準賃金日額を計算する:標準賃金日額には賞与は含みません。ボーナスが多い人ほど「月給(賞与含む)÷30」で計算すると実際より高く見積もりすぎます。
  3. 「最初の月から手当が入る」と期待する:支給は61日ごとの後払いです。育休開始直後は給与・手当ともに途絶える期間があるため、つなぎの資金を用意しておく必要があります。

関連ツールで自分の数字を確かめる

育休中の収入減を含めた家計の手取りは 手取り計算ツール で確認できます。給与明細の読み方は給与明細の読み方の記事、雇用保険のしくみ(失業手当等)は雇用保険の失業手当の記事も参考になります。いずれもブラウザ内で計算し、入力した金額はどこにも送信されません。

注意事項

本記事の数値は概算のシミュレーションです。実際の育児休業給付金の額は、育休開始前の6ヶ月の賃金実績(賞与除く)、育休日数、事業主の届出内容、厚生労働省の雇用保険法上の計算式によって決まります。支給要件(被保険者期間、育休取得の形態、延長の可否等)や育児休業の制度自体は頻繁に見直されるため、最新の情報は日本年金機構・ハローワーク・厚生労働省の公式発表、または社会保険労務士等の専門家にご確認ください。本記事は情報提供を目的とし、個別の給付相談に代わるものではありません。

よくある質問

育休手当は実際にいくらもらえますか?

賞与を除く月給30万円なら、育休中の手当は前半(180日目まで)が約20万円/月、後半(181日目以降)が約15万円/月になります。ベースになる標準賃金日額(月給÷30目安)に、前半2/3・後半1/2をかけた額です。月給が上がるほど手当も増えますが、後半は必ず50%に下がります。

育児休業給付金の計算方法は?

まず標準賃金日額=育休開始前の直近6ヶ月の賃金(賞与除く)÷180 を出します。これに、休業開始から180日目までは2/3、181日目以降は1/2 をかけて、その期間の育休日数ぶんを支給します。月給がほぼ一定なら標準賃金日額は「月給÷30」で近似できます。

産前産後休業給付金(出産手当金)との違いは?

産前産後休業給付金は出産のための休業(産前42日・多胎98日、産後56日)に支給され、率は標準賃金日額の2/3です。育児休業給付金は産後休業が明けたあとの養育のための休業に支給され、前半2/3・後半1/2になります。どちらも雇用保険の給付で所得制限はありません。

いつまでもらえますか?

原則として子が1歳の誕生日の前日までです。保育所等の入所待機などの場合は、1歳6ヶ月(さらに2歳)まで延長できることがあります。支給は原則61日ごとの後払いで、事業主を通じて(または直接)申請します。

所得制限はありますか?

ありません。育児休業給付金と産前産後休業給付金はともに雇用保険の給付なので、世帯の所得や配偶者の収入に関わらず、雇用保険の被保険者要件を満たせば原則もらえます。

[ 広告枠 / Google AdSense ]

‹ ブログ一覧へ