登録免許税(所有権保存・移転登記)はいくらかかる? 課税標準×税率(保存0.15%・移転2%/住宅軽減0.1%・0.3%)の計算式と軽減措置を具体例で

2026-08-24 | 登録免許税 住宅取得 マイホーム 税金 不動産登記 住宅ローン 家計 諸費用

便利箱編集部 | 編集方針・情報の確認

「マイホームを買った(建てた)。司法書士から『登録免許税 約35万円』と言われたけど、この数字はどうやって出ているの? 軽減されるって聞いたけど本当?」——家を取得すると必ず直面する税金(の一つ)ですが、ネット上には「登記費用は数十万円」とだけ書かれたあいまいな情報が多く、自分が実際にいくら払うかの内訳が追えていないことが多いものです。

この記事では、登録免許税の基本の計算式 「課税標準額 × 税率(保存登記:標準0.15%/住宅軽減0.1%、移転登記:標準2%/住宅軽減0.3%)」 を出発点に、マイホームなら必ず効く 「住宅用の軽減措置」 の根拠を、具体数値で確認します。住宅ローンの全体像は 住宅ローン計算ツール、諸費用の内訳は 住宅ローンの諸費用の記事、同じ取得時の税金は 不動産取得税の計算記事、毎年の税金は 固定資産税の計算記事 もどうぞ。

📌 結論ファースト:登録免許税は「買った価格」ではなく、役所が決めた「課税標準額(固定資産評価額をベースにした額)」にかかります。新築の「所有権保存登記」は 税率0.15%(住宅軽減なら0.1%)、売買等による「所有権移転登記」は 2%(住宅軽減なら0.3%) です。例えば土地評価額2,000万円・建物評価額1,500万円の新築で、軽減を未適用なら約32.5万円、住宅軽減を適用すれば約17.5万円——約15万円の差が出ます(詳細は下の計算例)。

そもそも「登録免許税」って何? いつ・いくら払う?

登録免許税は、不動産の登記(所有権の保存・移転など)を行うときにかかる「国税」です。徴収するのは法務局(登記所)で、住宅ローンの借入額にも諸費用にも含まれず、司法書士が登記申請をする際に、登記免許税として国に納められます(その手数料とは別に)。マイホーム取得では、大きく2つの登記でかかります。

登記の種類いつかかるか標準税率住宅軽減後
所有権保存登記新築(自分で初めて所有権を登記するとき)0.15%0.1%
所有権移転登記中古購入・贈与でもらう等(他人から所有権が移るとき)2%0.3%

※このほか、住宅ローンを組むときの「抵当権設定登記」にも税率0.4%(住宅軽減0.1%)でかかりますが、本記事では所有権に関わる2つを中心にします。

基本の計算式:登録免許税 = 課税標準額 × 税率

登録免許税 = 課税標準額 × 税率(保存:標準0.15%/軽減0.1%、移転:標準2%/軽減0.3%)

ここでの 「課税標準額」 が最大のポイントです。これは売買価格(取得価格)ではなく、固定資産評価額をベースにした額 です。一般的に、土地・建物の「公示価格や実勢価格」より 固定資産評価額は数割安く なるため、ここで既に税額は圧縮されています。さらに、居住用には下記の軽減が重なります。

ステップ1:新築の「所有権保存登記」= 建物評価額 × 0.1%(軽減時)

新築で自分が初めて建物の所有権を登記するときは 「所有権保存登記」 です。税率は標準0.15%ですが、居住用の住宅には 0.1%への軽減 があります。

建物の登録免許税 = 建物の課税標準額 × 0.1%(住宅軽減時)/ 標準なら0.15%

例えば建物評価額が 1,500万円 の場合、

軽減時:1,500万 × 0.1% = 1.5万円 / 標準:1,500万 × 0.15% = 2.25万円

ステップ2:土地の「所有権移転登記」= 土地評価額 × 0.3%(軽減時)

新築の場合、土地は売主(開発業者等)から自分へ所有権が移るため 「所有権移転登記」 になります。税率は標準2%ですが、居住用の住宅用地には 0.3%への軽減 があります。

土地の登録免許税 = 土地の課税標準額 × 0.3%(住宅軽減時)/ 標準なら2%

例えば土地評価額が 2,000万円 の場合、

軽減時:2,000万 × 0.3% = 6万円 / 標準:2,000万 × 2% = 40万円

注意点:ここで分かる通り、土地の移転登記は「軽減の有無で税額が約6.7倍(40万円 vs 6万円)も変わる」のが最大の差の源泉です。軽減要件(後述)を満たさないと、この分が丸ごと標準税率で跳ね上がります。

具体例:土地評価額2,000万円 + 建物評価額1,500万円の新築

項目軽減「未」適用(標準税率)軽減「適用」(住宅軽減)
土地(移転登記)2,000万 × 2% = 40万円2,000万 × 0.3% = 6万円
建物(保存登記)1,500万 × 0.15% = 2.25万円1,500万 × 0.1% = 1.5万円
合計42.25万円7.5万円

※上の「軽減適用」列はあくまで目安です。実際は土地と建物で評価額が異なり、さらに「住宅用地の特例」等で土地の課税標準額自体が圧縮されるケースもあるため、実額はこの範囲内で物件ごとに変わります。逆に、床面積などの要件を満たさず軽減が受けられないと、標準税率の列(約42万円)に近づきます。

「登録免許税」と「不動産取得税」の違い(よく混同される)

項目登録免許税不動産取得税
かかる根拠登記行為(保存・移転など)取得行為(買った・建てた)
徴収主体国(法務局・登記所)都道府県(県税事務所)
税率(住宅軽減後)保存0.1%・移転0.3%標準4%・住宅軽減3%
かかる単位登記1件ごと取得1回

どちらも「評価額ベースの課税標準」で計算される点は同じですが、何を理由にかかるか(登記 vs 取得)と誰が徴収するか(国 vs 県)が違う のが最大の違いです。マイホームのトータルコストを考えるときは、この2つを別々に見積もる必要があります(同じ取得時の税金は 不動産取得税の計算 も併せて確認を)。

注意点① 買った「価格」ではなく「評価額」で計算される

登録免許税の最大の罠は、「売買価格(取得価格)」ではなく「固定資産評価額」で計算される 点です。公示価格や実勢価格より評価額が低くなるため、税額は「買値×税率」よりずっと安くなります。「高く買ったから税金も高い」とは限らず、逆に中古で安く買っても評価額が高ければ税額は下がりません。

注意点② 軽減には「要件」がある(ここを外すと数倍に跳ね上がる)

0.1%・0.3%への軽減には、それぞれ 床面積(50㎡以上240㎡以下など)や「自己の居住用」であること などの要件があります。投資用(貸家・事務所)や床面積の大きすぎる物件、あるいは既に人が住んでいる中古を「事業用」にする場合などでは軽減が受けられず、標準税率(保存0.15%・移転2%)がそのまま適用 されます。移転登記は特に差が大きいため、司法書士との打ち合わせで「軽減の可否」を必ず確認してください。

注意点③ 住宅ローン控除(減税)とは別物——混同しない

「登録免許税」と「住宅ローン控除」は名前が似ていますが全く別です。登録免許税は登記時に 「払う」税金、住宅ローン控除は年末のローン残高に応じて所得税・住民税から 「戻ってくる」控除 です。どちらも住宅取得の資金計画には必要ですが、タイミングと性質が全く違います(控除の仕組みは 住宅ローン控除額の計算記事 で確認を)。

関連する計算・ツール

登録免許税は住宅ローンの「諸費用」の一部です。借入可能額や返済計画は 住宅ローン計算ツール、諸費用の全体像は 住宅ローンの諸費用の記事、借入額の目安は 借入可能額の記事、同じ取得時の 不動産取得税の計算、毎年の 固定資産税の計算、そして手元のキャッシュフローを考えるなら 給与所得控除の記事 も併せてどうぞ。いずれもブラウザ内で計算し、入力した金額はどこにも送信されません。

注意事項

本記事の数値は、令和6年度(2024年)以降の制度を前提とした単純化モデルです。①登録免許税の税率・軽減措置は、国の予算(住宅取得促進のための時限措置)により年度ごとに延長・変更されることがあります。②軽減には床面積・用途・取得価格などの要件があり、本記事の例(土地2,000万・建物1,500万等)は説明用です。③課税標準額(評価額)は物件ごとに異なり、実勢価格より数割安くなるのが通例です。正確な税額は、司法書士の見積もり・登記申請時の法務局の決定・お住まいの自治体の公式情報でご確認ください。本記事は情報提供を目的とし、個別の税務判断に代わるものではありません。計算はすべてブラウザ内で行われ、入力した情報が外部に送信されることはありません。

よくある質問

登録免許税の計算方法は?

登記(所有権の保存・移転など)の際にかかる国税で「課税標準額 × 税率」で求めます。課税標準額は固定資産評価額(実勢価格より数割安い)をベースにした額です。新築の所有権保存登記は標準税率0.15%(居住用等の軽減で0.1%)、売買等による所有権移転登記は標準税率2%(軽減で0.3%)が目安です。

不動産取得税とどう違うの?

どちらも「評価額ベース」で、マイホーム取得時にかかる点は同じですが、徴収するのが「国税(登記所・法務局)」か「都道府県税」か、そしてかかる根拠が「登記行為」か「取得行為」かが違います。登録免許税は登記1件ごとにかかり、不動産取得税は取得(買った・建てた)1回にかかります。

住宅用の軽減措置には要件があるの?

はい、軽減(税率の引き下げ)には「床面積50㎡以上240㎡以下」「自己の居住用」などの要件があります。投資用や事務所・店舗、床面積の大きすぎる物件では軽減が受けられず、標準税率(保存0.15%・移転2%)がそのまま適用されることがあります。

住宅ローン控除(減税)とは別物?

別物です。登録免許税は登記時に「払う」税金、住宅ローン控除は年末のローン残高に応じて所得税・住民税から「戻ってくる」控除です。どちらも住宅取得の資金計画には必要ですが、タイミングと性質が全く違います。

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