72の法則とは? 複利で元本が2倍になる年数を計算し、具体例で確認する

2026-08-18 | 貯金 複利 家計

便利箱編集部 | 編集方針・情報の確認

「毎月コツコツ貯金・運用しているけど、結局いくらで元本が2倍になるんだろう?」——預金や積立投資を始めたとき、誰もが一度は思う疑問です。この記事では、その答えを一発で出す「72の法則(Rule of 72)」について、なぜ72で割るのかという根拠から、年利ごとの具体数値、そして使うときの注意点までを整理します。自分の年利で試したい場合は複利積立シミュレーションツールで実際の額を確かめられます。

結論:年利(%)で72を割った年数が、元本が2倍になる目安

72の法則は、次のシンプルな式です。

元本が2倍になる年数(目安) ≈ 72 ÷ 年利(%)

年利72の法則で出る年数実際の計算との誤差
1%72年実際は約70年(やや長めの目安)
2%36年実際は約35年
3%24年実際は約23.5年
4%18年実際は約17.7年
6%12年実際は約11.9年
8%9年実際は約9.0年(ほぼ一致)
10%7.2年実際は約7.3年
15%4.8年実際は約5.0年
18%(カード利子の目安)4年実際は約4.2年

年利が高いほど短期間で2倍になります。普通預金の0.001%台なら2倍に700年以上かかるのに対し、年利8%なら9年、10%なら7年強で2倍です。

ステップ1:72の法則の公式

複利運用では、毎年「これまでの元本+これまでの利息」全体に利息がつきます。元本がちょうど2倍になるのは、次の式が成り立つときです。

(1 + 年利)^年数 = 2

両辺の対数をとると、年数は

年数 = log(2) ÷ log(1 + 年利)

となります。この式に年利を入れれば正確な年数が出ますが、毎回対数を計算するのは面倒です。そこで近似値として使われるのが「72 ÷ 年利(%)」という覚えやすい式です。

ステップ2:なぜ「72」なのか(根拠)

年利を r(小数、例: 5%なら0.05)とします。厳密には

年数 = ln(2) ÷ ln(1 + r) ≒ 0.693 ÷ r

です(ln(2) ≒ 0.693)。r が小さいとき ln(1+r) ≒ r と近似できるためです。これを「%」表示(年利×100)に直すと

0.693 ÷ r = 69.3 ÷ (年利%)

になります。つまり「正確な近似」は69.3の法則です。ではなぜ実務では72が使われるのでしょうか。

注意点:72はあくまで「目安」です。年利が10%を超えると誤差が少し大きくなり(15%で約0.2年、20%で約0.2年のずれ)、より正確を期すなら69.3(連続複利)や、高金利用の補正式(「78の法則」など)もあります。大まかな見積もりには72で十分です。

ステップ3:具体数値例で確認

代表的な年利で「実際の計算」と比べてみます。実際の年数は (1+r)^年数=2 を解いた値です。

年利72の法則正確な年数2倍後のイメージ(一括100万円)
1%72年約69.7年100万円→200万円(孫の代)
4%18年約17.7年100万円→200万円
6%12年約11.9年100万円→200万円
8%9年約9.0年100万円→200万円
10%7.2年約7.3年100万円→200万円
18%(カード)4年約4.2年借金100万円→残高200万円

年利8%までは72の法則と実際の計算がほぼ一致し、それ以上でも0.2〜0.3年のずれに収まります。ざっくりした計画立てには十分な精度です。

ステップ4:使いどころと注意点

① 資産運用の「倍増スピード」の目安に

年利4%なら18年、6%なら12年で2倍。長期の積立投資(つみたてNISA等)で「いつ頃まとまった額になるか」を考えるときの感覚づくりに便利です。毎月3万円を20年積み立てる試算と合わせると、「運用期間×年利」のイメージがつかみやすくなります。

② インフレで「購買力が半減する年数」にも

72の法則は増える方向だけでなく、減る方向にも使えます。年3%のインフレなら、72÷3=24年で「同じお金で買えるモノの量」が半分になります。名目の利回りからインフレ率を引いた「実質利回り」で2倍年数を考えると、目減りへの備えが見えます。

③ 借金の「残高が膨らむ速さ」の逆算に

クレジットカードのリボ払いなど年利18%なら、72÷18=約4年で残高が2倍になります。複利は資産には味方ですが、借金には敵です。返済を先送りにするとあっという間に元本が膨らむ仕組みを、72の法則で実感できます(リボ・分割手数料シミュレーターでも確認可)。

よくある誤解:毎月積立にはそのまま使えない

72の法則は「一括で運用した元本」が2倍になる年数の目安です。毎月3万円ずつ積み立てる場合は、新しく入る元本が追加されるたびにタイミングがずれるため、単純な「72÷年利」は当てはまりません。積立の将来額は複利積立シミュレーションツール(普通年金終価の公式)で計算してください。

手取りとの繋がり

「いくら貯められるか」は、そもそも手元に残る額(手取り)から決まります。年収から税金・社会保険料を引いた手取り額を把握してから、積立に回せる額を決めるのが、現実的な第一歩です。

注意事項

72の法則は概算の目安です。実際の運用では、為替や値動きで年利は変動し、元本が減る年もあります(投資は預金と違い元本保証がありません)。また金融機関の手数料・税金(20.315%の譲渡益課税等)を引くと、手元に残る増え方は法則より緩やかになります。計画の大枠をつかむ目的に用途を限定し、最終的な運用方針はご自身の判断でお願いします。計算はすべてブラウザ内で行われ、入力した金額が外部に送信されることはありません。

よくある質問

72の法則の計算方法は?

元本が2倍になる年数(目安)は「72 ÷ 年利(%)」で求めます。例: 年利6%なら 72÷6=12年、年利8%なら 72÷8=9年で元本が2倍になります。

なぜ72で割るのですか?

厳密には「69.3 ÷ 年利(%)」が対数からの近似(ln(2)≒0.693)ですが、72は約数が多く頭の中で割りやすく、かつ年複利の補正も含めて実用誤差が小さいため、慣習として72が使われています。

72の法則はどこまで正確ですか?

年利8%程度までほぼ一致し、10%でも0.1年程度のずれです。年利が15%を超えると誤差が0.2〜0.3年ほど大きくなるため、より正確な値が必要なら「69.3の法則」や対数計算を使います。

毎月積み立てる場合も使えますか?

72の法則は「一括で運用した元本」が2倍になる年数の目安です。毎月積み立てる場合は新しい元本が加わるたびにタイミングが変わるため、そのままは当てはまりません。積立の将来額は複利積立シミュレーションツールで計算してください。

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