健康保険料(協会けんぽ)はどう計算されている? 標準報酬月額×保険料率÷2(折半)の計算式と、年収400万・600万の会社員での月額・年額具体例・賞与天引きの注意点

2026-08-21 | 健康保険料 協会けんぽ 標準報酬月額 健康保険料率 社会保険料 会社員 給与天引き 手取り 社会保険 介護保険

便利箱編集部 | 編集方針・情報の確認

「給与明細の『社会保険料』のなかで、健康保険料っていくら? どうやって計算されてるの? 年収が上がるとどれくらい増える? ボーナスからも引かれるの?」——会社員なら毎月の手取りから天引きされる健康保険料ですが、「標準報酬月額」「保険料率」「折半(半分ずつ負担)」という言葉の意味と、その計算式を具体例つきで追っている記事は意外と少ないものです。

この記事では、健康保険料(協会けんぽを例にします)の基本式 「標準報酬月額 × 保険料率 × 月割 ÷ 2(折半)」 を解説します。さらに 年収400万円・600万円の会社員を例に、実際に月額・年額でいくらになるかを計算し、賞与(ボーナス)からも引かれる仕組みと、折半負担・介護保険の加算・等級の固定という3つの注意点も数値で示します。手元の額は 手取り計算ツール、社会保険料全体の仕組みは 社会保険料の記事、給与所得控除との関係は 給与所得控除の記事 もどうぞ。

📌 結論ファースト:健康保険料(協会けんぽ)の月額は、「標準報酬月額 × 保険料率(約9.54%)÷ 2(折半)」 で求めます。例えば月給30万円(標準報酬月額29万円)の会社員(40歳未満)なら、健康保険料の自己負担は 月額 約1.4万円(年額 約16.6万円) です。さらに賞与からも同率で引かれます。年収600万円・45歳(介護保険加算あり)なら自己負担は 月額 約2.4万円(年額 約28.5万円) になります。

健康保険料の基本式

会社員の健康保険料(ここでは最も多い「協会けんぽ」を例にします)は、次の式で月額が決まります。

月額保険料 = 標準報酬月額 × 保険料率(介護含む) ÷ 2(折半)

ポイントは3つあります。

「標準報酬月額」とは何か

健康保険料は「その月にもらった給料」ではなく、毎年1回(および入社時)決まる「標準報酬月額」をもとに計算されます。給料を金額帯(等級)に分け、その等級に割り当てられた決まった額を使います。以下は協会けんぽの等級表の一部(2024年度の目安)です。

等級報酬月額の範囲標準報酬月額
27280,001 ~ 300,000円290,000円
28300,001 ~ 320,000円310,000円
30360,001 ~ 390,000円380,000円
31400,001 ~ 430,000円420,000円

たとえば月給30万円なら等級27(範囲280,001~300,000円)に入り、標準報酬月額は 29万円 として計算されます。月給が29.5万円でも30.5万円でも、同じ等級なら同じ保険料になります。

具体例① 年収400万円・月給30万円(35歳・介護なし)

項目金額計算の根拠
月給300,000円—
標準報酬月額290,000円等級27(280,001~300,000円)
保険料率(合計)9.54%健康保険分のみ(40歳未満)
月額保険料(合計)27,666円290,000×9.54%
自己負担(月額)13,833円合計÷2(折半)
自己負担(年額・12ヶ月)約166,000円13,833×12

月額 約1.4万円、年額 約16.6万円が手取りから天引きされます。残りの半分(月額 約1.4万円)は会社が負担します。

具体例② 年収600万円・月給42万円(45歳・介護あり)

項目金額計算の根拠
月給420,000円—
標準報酬月額420,000円等級31(400,001~430,000円)
保険料率(合計)11.33%健康9.54%+介護1.79%(40歳以上)
月額保険料(合計)47,586円420,000×11.33%
自己負担(月額)23,793円合計÷2(折半)
自己負担(年額・12ヶ月)約285,500円23,793×12

年収が200万円高く、かつ介護保険分が加わるため、自己負担は年額 約28.5万円 まで増えます。年収400万円のケースの約1.7倍です。

賞与(ボーナス)からも引かれる

健康保険料は毎月の給与だけでなく、賞与(ボーナス)からも同率で引かれます。ただし賞与には「標準賞与額」という別の上限(年間573万円まで)があり、その範囲内の賞与総額に保険料率をかけ、折半します。

ケース賞与目标賞与分の自己負担(目安)
年収400万(賞与20万×2回)400,000円400,000×9.54%÷2 = 約19,100円
年収600万(賞与50万×2回)1,000,000円1,000,000×11.33%÷2 = 約56,700円

これを年額に上乗せすると、例①は 年間 約18.5万円、例②は 年間 約34.2万円 の健康保険料(自己負担)になります。

年収別・年齢別の比較表

年収年齢標準報酬月額自己負担(月額)自己負担(年額・賞与込)
400万円35歳(介護なし)29万円約13,800円約18.5万円
600万円45歳(介護あり)42万円約23,800円約34.2万円

健康保険料は、社会保険料の記事で解説している「年収の約14.5%」のうち、厚生年金とあわせて天引きされる半分の負担分の一部です。手取りへの影響を一括で知りたい場合は 手取り計算ツール が便利です。

注意点① 折半負担なので「見えない半分」がある

給与明細に載っている健康保険料は、あなたの負担分(半分)だけです。残り半分は会社が負担しており、労使折半が原則です。そのため「手取りから引かれる額の2倍」が、会社を含めた社会全体の保険料負担になります。転職や給与交渉を考えるとき、「手取り減」だけでなく、会社側の負担増(人件費増)という側面もあることを覚えておくと、年収の壁(年収の壁の記事)や扶養の話とつながります。

注意点② 介護保険の加算(40歳~65歳未満)

40歳の誕生日の属する月から65歳に達する月まで、健康保険料に介護保険分(合計1.79%)が加わります。例①(35歳)と例②(45歳)の差の一部は、この介護加算によるものです。40歳未満の方は介護分はかからず、少し安くなります。

注意点③ 標準報酬月額は「固定」され、すぐには変わらない

標準報酬月額は、原則として 毎年9月に決まる「定時決定」(前年6月~当年5月の報酬の平均)と、昇給・降給で報酬が大幅に動いたときの「随時改定」でしか変わりません。そのため「今月だけ残業で給料が跳ね上がっても、その月の健康保険料は変わらない」のが普通です。逆に言うと、昇給しても保険料の反映はタイムラグを伴います。

関連する計算・ツール

健康保険料は社会保険料の一部です。全体の仕組みは 社会保険料(健康保険+厚生年金)の記事、手取りへの影響は 手取り計算ツール で、年収ごとの手取り率や「年収の壁」は 年収500万円の手取りを分解した記事 が参考になります。賞与を含めた年間の手取りを知りたい場合は ボーナス込みの手取りの記事 もどうぞ。いずれもブラウザ内で計算し、入力した金額はどこにも送信されません。

注意事項

本記事の数値は 「協会けんぽ(2024年度・令和6年度の標準料率)」を前提 に、健康保険料 = 標準報酬月額 × 保険料率 ÷ 2(折半)の基本式で算出した目安です。実際の保険料率は、協会けんぽのほか、健康保険組合(企業独自の組合)や地域によって異なり、毎年見直されます。また標準報酬月額の等級区分や、介護保険の加算対象年齢、標準賞与額の上限(年間573万円)などの条件は、お住まいの保険者・お勤めの会社によって変わります。正確な額は、給与明細の「社会保険料」欄、またはお勤めの会社の人事・経理、もしくは日本年金機構・協会けんぽの案内でご確認ください。本記事は情報提供を目的とし、特定の保険者の加入を勧めるものではありません。

よくある質問

健康保険料はどうやって計算されますか?

会社員の健康保険料(協会けんぽの例)の月額は「標準報酬月額 × 保険料率(健康保険分 約9.54%、40歳以上は介護分 約1.79% を加算)÷ 2(折半)」で求めます。標準報酬月額は、実際の月給を等級表に当てはめて決まる「決まった額」です。賞与(ボーナス)からも同率で引かれます。

標準報酬月額と給料が違うのはなぜですか?

健康保険料は「その月にもらった給料」ではなく、毎年決まる等級表(報酬月額の範囲ごとに割り当てられた金額)を使うためです。たとえば月給30万円なら等級27に当てはめられ、標準報酬月額は29万円として計算されます。同じ等級なら月給が少し動いても保険料は変わりません。

ボーナス(賞与)からも健康保険料は引かれますか?

はい。賞与にも毎月と同じ保険料率がかかり、折半されます。ただし対象となるのは「標準賞与額」という年間573万円までの範囲内の賞与総額です。賞与20万円×2回なら、自己負担は 400,000円×9.54%÷2 ≒ 約1.9万円になります。

40歳を超えると保険料が上がるのはなぜですか?

40歳から65歳未満は、健康保険料に「介護保険分(合計 約1.79%)」が加わるからです。そのため40歳未満より月額・年額ともに高くなります。例えば年収600万円のケースでは、介護なしの35歳より自己負担が年額 約10万円前後増える目安です。

会社が負担する分はどこに行くのですか?

健康保険料は労使折半が原則で、会社が半分を負担します。給与明細に載っているのはあなたの自己負担分(半分)だけで、残り半分は会社の人件費として処理されます。手取りへの影響を知るには、厚生年金と合わせた全体は「社会保険料の記事」や「手取り計算ツール」で確認できます。

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