住宅ローンの総支払額と総利息はいくら? 借入4000万円・35年なら総利息約664万円——元利均等の計算式と金利・期間・借入額別の早見表
「4000万円の住宅ローンを35年で借りると、結局いくら払うの? 利息はいくらになるの?」——この疑問は住宅購入を考える誰もが抱きます。ところがネットで検索すると「月々の返済額」ばかりが出てきて、「トータルでいくら払うか(総支払額)」と「そのうち利息がいくらか(総利息)」を数式と具体例で示したページは意外に少ないものです。
この記事では、住宅ローンの総支払額と総利息を、元利均等返済の公式から1円単位で計算し、「金利が1%上がると総利息は何万円増えるか」「期間を5年短くすると総利息はいくら減るか」「繰上返済でどれだけ浮くか」を具体例(借入4000万円・35年)で順に追います。さらに、他の住宅ローン記事(変動上昇シミュ・固定vs変動・繰上返済・住宅ローン控除)への導線もまとめました。
そもそも「総支払額」と「総利息」は何か
住宅ローンを借りると、毎月の返済額(元利均等なら一定)を長期間払い続けます。その全部を足したものが「総支払額(総返済額)」です。そして総支払額から、実際に借りたお金(元本)を引いた残りが、銀行に支払った「総利息」になります。
総支払額 = 毎月の返済額 × 返済回数(=月数)
総利息 = 総支払額 − 借入元本
つまり「いくら借りて、それを何年・何%で返すか」だけで総利息は決まります。毎月の返済額が安くても、期間が長ければ総利息は膨らみます。この記事の主眼は、この「トータルの利息」を自分で計算できるようにすることです。
計算式の根拠——元利均等返済の公式
日本の住宅ローンで最も一般的な「元利均等返済」では、毎月の返済額が一定になります。その月額は次の公式で出ます(これは住宅ローンに限らず、ローン全般で使われる標準的な式です)。
月返済額 = 元本 × 月利率 × (1+月利率)回数 ÷ {(1+月利率)回数 − 1}
ここで「月利率 = 年利 ÷ 12」「回数 = 借入年数 × 12(月数)」です。この月額に回数を掛けて総支払額を出し、そこから元本を引くと総利息が出ます。
具体例:借入4000万円・金利0.9%・35年なら総利息は約664万円
もっともわかりやすい標準モデルとして、借入4000万円・年0.9%(固定)・35年(420回)で計算します。
- 月利率 = 0.9% ÷ 12 = 0.075%
- 月返済額 = 40,000,000 × 0.00075 × (1.00075)420 ÷ {(1.00075)420 − 1} ≒ 111,060円
- 総支払額 = 111,060 × 420 ≒ 46,645,200円
- 総利息 = 46,645,200 − 40,000,000 = 6,645,200円(約664万円)
つまり「4000万円借りて35年で返すと、実際には約4,664万円を払い、そのうち約664万円が利息」になります。これが、この条件での「総コストの正体」です。
金利別・期間別・元本別の早見表
「金利」「期間」「借入額」の3つが総利息にどう効くか、一覧で確認します。すべて元利均等・固定金利の計算です。
① 金利が変わると総利息はこう変わる(借入4000万円・35年)
| 年利 | 月額 | 総支払額 | 総利息 |
|---|---|---|---|
| 0.9% | 111,060円 | 46,645,200円 | 6,645,200円 |
| 1.5% | 122,474円 | 51,438,986円 | 11,438,986円 |
| 2.5% | 142,998円 | 60,059,196円 | 20,059,196円 |
| 3.0% | 153,940円 | 64,654,832円 | 24,654,832円 |
| 4.0% | 177,110円 | 74,386,156円 | 34,386,156円 |
金利0.9%→2.5%で、総利息は約664万円から約2,006万円へ、約1,341万円も増えます。住宅ローンの金利は数%の世界ですが、それが「数十年×数千万円」で効くと総利息の差は千万円単位に膨らむのが特徴です。
② 期間が変わると総利息はどう変わる(借入4000万円・年0.9%固定)
| 返済期間 | 月額 | 総支払額 | 総利息 |
|---|---|---|---|
| 20年 | 182,179円 | 43,722,960円 | 3,722,960円 |
| 25年 | 148,945円 | 44,683,500円 | 4,683,500円 |
| 30年 | 126,827円 | 45,657,720円 | 5,657,720円 |
| 35年 | 111,060円 | 46,645,200円 | 6,645,200円 |
| 40年 | 99,262円 | 47,645,760円 | 7,645,760円 |
期間を20年から40年に伸ばすと、月額は約18.2万円から約9.9万円へ半減しますが、総利息は約372万円から約765万円へ約393万円増えます。「月額を軽くする」と「総利息を抑える」はトレードオフです。手元の家計に余裕があるなら期間を短くするのが総コスト削減の近道になります。
③ 借入額が変わると総利息はどう変わる(年0.9%・35年)
| 借入額 | 月額 | 総支払額 | 総利息 |
|---|---|---|---|
| 2000万円 | 55,530円 | 23,322,600円 | 3,322,600円 |
| 3000万円 | 83,295円 | 34,983,900円 | 4,983,900円 |
| 4000万円 | 111,060円 | 46,645,200円 | 6,645,200円 |
| 5000万円 | 138,825円 | 58,306,500円 | 8,306,500円 |
| 6000万円 | 166,590円 | 69,967,800円 | 9,967,800円 |
借入額が増えると総利息も(金利×期間で)ほぼ比例して増えます。借入1000万円につき、この条件では総利息は約166万円ずつ増える目安です。
金利上昇が総利息に与えるインパクト(変動型の方へ)
変動金利(多くは年0.3%〜1.5%程度でスタート)で借りた場合、将来の金利上昇が総利息を直撃します。借入4000万円・35年で、金利が1.5%→2.5%に上がるだけで次のようになります。
| ケース | 月額 | 総利息の差 |
|---|---|---|
| 金利1.5% | 122,474円 | 基準 |
| 金利2.5% | 142,998円 | +20,524円/月 |
| 総利息の累計差 | — | 約862万円増 |
毎月の返済額は「+約2万円」に見えますが、それが35年(420回)続くと総利息の差は約862万円に達します。変動型を選ぶときは「金利が1%上がっても払えるか」を、この総コストの視点で確認するのが鉄則です。金利上昇時の返済額シミュレーションは変動金利上昇シミュレーションの記事、固定と変動のどちらが得かは固定vs変動どちらが得の記事でそれぞれ計算根拠つきで解説しています。
繰上返済で総利息を減らせる額
ボーナスや余剰資金で「繰上返済」をすると、残高が減る分だけ将来の利息が浮きます。効果を確かめます。借入4000万円・年0.9%・35年の5年後(残高約3,503万円)に、500万円を繰上返済した場合:
- 5年後の残高:約35,027,233円
- 500万繰上後、期間をそのまま(残り約3,003万円を残り30年で返す)→ 月額は111,060円から約95,206円に下がる
- 「期間短縮型」で月額を変えずに返すと、完済が35年目から約25.2年目(約302回)へ約10年短縮
期間短縮型なら、残りの期間が約10年縮む分、そのぶんの利息が丸ごと浮きます(この例では数百万円規模の削減)。繰上返済の効果は繰上返済の効果を計算した記事でシミュレーション付きにまとめています。なお、住宅ローン控除を受けている期間は、繰上返済しすぎて残高が減ると控除額も減る(「戻る税金>減る利息」なら様子見もあり)点に注意。控除額の計算は住宅ローン控除額の記事で確認できます。
「総支払額」と「総費用」は別物——ついでにかかるもの
ここまでの「総支払額(元本+利息)」はあくまでローン返済分です。実際の住宅取得には、これに頭金・諸費用(登記費用・仲介手数料・火災保険・融資事務手数料等)・引越し費用が上乗せになります。例えば4000万円借りても、手元資金(頭金+諸費用)が別途数百万円必要です。住宅ローンと生活費を含めたトータルコストの全体像は住宅ローンの総費用を生活費込みで比べた記事、諸費用の内訳は諸費用を計算した記事で扱っています。
自分の数字で試すなら
上の計算はすべて住宅ローン計算ツールと同じロジック(元利均等返済公式)に基づいています。ツールに借入額・金利・期間を入れると、毎月の返済額と総支払額・総利息が即座に出ます(計算はブラウザ内で完結し、入力は送信されません)。手取りへの影響を確かめたい場合は手取り計算ツールもどうぞ。
- 住宅ローン計算ツール——月額・総支払額・総利息を即算出(金利・期間を動かして比較可)
- 手取り計算ツール——毎月の返済が手取りにどう響くか
- 変動金利上昇シミュレーション——金利上昇が月額・総利息に与える影響
- 固定vs変動どちらが得——均等本息計算式・5年/125%ルール
- 繰上返済の効果——総利息をどれだけ減らせるか
- 住宅ローン控除額の計算——戻る税金と総コストの関係
- 住宅ローンの実質金利——インフレを差し引いた「本当の金利」
注意事項
本記事の数値は、元利均等返済・固定金利・ボーナス併用なしを前提とした概算です。実際の住宅ローンは、変動金利(金利見直しと5年ルール等の条件あり)や、ボーナス返済の併用、元金均等返済、事務手数料(借入額の2.2%程度が別途かかる)の有無、繰上返済手数料、火災保険・団信料などにより、総支払額・総利息は大きく変わります。金利は市場環境で変動し、将来の返済額を保証するものではありません。消費税や制度改正(住宅ローン控除の要件等)も影響します。正確な返済計画は、ご契約の金融機関の試算表と、最新の制度情報(国税庁等)で必ずご確認ください。本記事は情報提供を目的とし、個別のローン契約・税務判断に代わるものではありません。計算はすべてブラウザ内で行われ、入力した情報が外部に送信されることはありません。
よくある質問
住宅ローンの総支払額と総利息の違いは何ですか?
総支払額は「毎月の返済額×返済回数」で、借りたお金(元本)をすべて返し終わるまでに払う合計額です。総利息は、その総支払額から元本を引いた残りで、銀行に支払う金利の総額です。例えば借入4000万円・年0.9%・35年なら、総支払額は約4,664万円、そのうち総利息は約664万円になります(総支払額=元本+利息)。
住宅ローンの月額はどう計算すればいいですか?
日本で一般的な「元利均等返済」では、月額=元本×月利率×(1+月利率)^回数÷{(1+月利率)^回数−1} で求めます(月利率=年利÷12、回数=年数×12)。この月額に回数を掛けて総支払額を出し、元本を引くと総利息が出ます。電卓で手計算するより、住宅ローン計算ツールに数値を入れると総支払額・総利息まで一括で出ます。
金利が1%上がると総利息はどれくらい増えますか?
借入4000万円・35年で試算すると、金利1.5%の総利息約1,144万円が、2.5%では約2,006万円になり、差は約862万円に達します。住宅ローンは「数%の金利×数十年×数千万円」で効くため、金利のわずかな違いが総利息では千万円単位の差になります。変動型を選ぶ際は「金利が1%上がっても払えるか」を総コストの視点で確認してください。
返済期間を短くすると総利息はどれくらい減りますか?
借入4000万円・年0.9%で、35年(総利息約664万円)から20年(総利息約372万円)に短くすると、総利息は約393万円減ります。ただし月額は約11.1万円から約18.2万円へ上がるため、「月額を軽くする」か「総利息を抑える」かのトレードオフになります。手元に余裕があれば期間を短くするのが総コスト削減の近道です。
繰上返済すると総利息はどれくらい浮きますか?
借入4000万円・年0.9%・35年の5年後に500万円を繰上返済した場合、期間をそのままにすると月額が約11.1万円から約9.5万円に下がり、期間短縮型(月額そのまま)を選ぶと完済が約35年目から約25年目へ約10年短縮され、その分の利息が丸ごと浮きます。効果は数百万円規模になることもあります。ただし住宅ローン控除中は、繰上返済しすぎて残高が減ると控除額も減る点に注意してください。
「総支払額」と「総費用」は同じですか?
同じではありません。総支払額はローン返済分(元本+利息)だけです。実際の住宅取得には、これに頭金、諸費用(登記費用・仲介手数料・火災保険・融資事務手数料等)、引越し費用が別途かかります。例えば4000万円借りても、手元資金(頭金+諸費用)が数百万円必要です。生活費込みのトータルコストは総費用の記事で確認できます。