自営業・フリーランスの手取りはいくら? 国民健康保険料+税を1円単位で計算(年収400万の例)

2026-08-17 | 自営業 フリーランス 国民健康保険 手取り 税金

便利箱編集部 | 編集方針・情報の確認

「会社を辞めて独立したけど、手取りっていくら残るんだろう? 会社員のときより減るの?」——フリーランスや個人事業主になった瞬間、誰もが直面する素朴な不安です。ネットで「手取り」を調べると、会社員向けの記事は山ほど出てきますが、「自営業が国保料+国保険料+税を引いたあとの手取り」を1円単位で追った記事はほとんどありません。この記事では、年収400万円の独身フリーランスを例に、会社員との違いを算式ごとに確認します。

自分の数字で試したい場合は 手取り計算ツール で、会社員ベースの手取りと比べられます(入力はどこにも送信されません)。

📌 結論ファースト:年収400万円・独身・経費100万円のフリーランスなら、所得税・住民税・国民健康保険料(約12万円)・国民年金保険料(約19.5万円)を引いた手取りは約296万円(月約24.7万円)が目安です。同じ年収の会社員(手取り約318万円)より約22万円少なくなります。これは「社会保険料を自己負担する」ためです。

目次

自営業と会社員、手取りの違い

手取りの正体は「年収から 所得税・住民税・社会保険料 を引いた額」です。違いは社会保険料の「種類」と「負担割合」にあります。

項目会社員自営業・フリーランス
健康保険健康保険(協会けんぽ等)。保険料の半額を会社が負担国民健康保険(国保)。保険料を全額自己負担
年金厚生年金(保険料半額を会社負担)国民年金。保険料(年約19.5万円)を全額自己負担
給与所得控除あり(年収に応じ自動で)なし。代わりに「事業経費」を計上

つまり自営業は、会社員が「会社に半分払ってもらっていた分」を自分で払うため、同じ年収なら手取りは目減りします。ただし、会社員にはない武器が「経費」です。売上から必要経費を引いた額が所得になるため、経費をきちんと計上すれば課税所得を下げ、税と国保料を同時に減らせます。

ステップ1:経費を引いて課税所得を出す

自営業には「給与所得控除」はありません。代わりに、売上(年収)から事業経費を引き、さらに基礎控除(48万円)を引いた額が課税所得になります。

売上 4,000,000 - 経費 1,000,000 - 基礎控除 480,000 = 課税所得 2,520,000円

※会社員の場合、年収400万円なら給与所得控除で約110万円引かれるため課税所得は約242万円と近い値になりますが、自営業は「経費」の額でこの数字が大きく動きます。経費を150万円に増やせば課税所得は197万円まで下がります。

観察者メモ:ここが自営業計算の最大のレバーです。「年収400万」という言葉だけで会社員並みの手取りを期待すると痛い目を見ます。経費を幾ら計上できるかで、税も国保も丸ごと変わるからです。

ステップ2:所得税と住民税を計算

課税所得252万円(税率10%区分)で所得税・住民税を出します。

所得税 = 2,520,000 × 10% - 97,500 = 154,500円(復興特別所得税2.1%込みで約157,749円)

住民税 = 2,520,000 × 10% + 均等割5,000 = 257,000円

所得税と住民税の合計は約41.5万円です。会社員(給与所得控除で課税所得が約242万円)とほぼ同じ税負担になります。

ステップ3:国民健康保険料を計算(所得割の式)

国保料は市区町村ごとに決まる「均等割+平等割+所得割」の合算です。所得割の税率は医療分・後期高齢者支援金分・介護納付金分(40〜65歳)の合計で、目安として合計10.5%前後(医療分8.0%+支援金分2.2%+納付金分0.3%)とします。ここでは独身・40歳未満として納付金分(介護分)を除き、合計8.2%で算出します。

所得割 = 課税所得 2,520,000 × 8.2% ≒ 206,640円

これに均等割(独身の目安 年約3.8万円)+平等割(年約1.4万円)を足すと、

国保料 ≒ 206,640 + 38,000 + 14,000 = 約258,640円

※実際は市区町村で税率・均等割額が異なります(東京都区部の目安)。お住まいの自治体の「国保料のしらべ」で正確な額を確認してください。年収400万・独身の現実的な目安は年約12〜26万円の幅になります。

ステップ4:国民年金保険料を足す

厚生年金の代わりに、自営業は国民年金(基礎年金)保険料を全額自分で納めます。令和7年度(2025年4月〜)の年額は194,880円(月16,240円)です。

国保険料 = 194,880円/年

これも会社員なら厚生年金の半分(約9.7万円分)を会社が払ってくれていた分です。フリーランスは丸ごと自己負担になります。

年収400万の手取り合算結果

以上を全部合算します。

引く項目金額(年)
所得税約157,749円
住民税約257,000円
国民健康保険料約258,640円
国民年金保険料194,880円
合計控除約868,269円

手取り = 4,000,000 - 868,269 = 約3,131,731円(月約26.1万円)

ただし、これは「経費100万・国保料約26万」のケース。先の所得割を控えめ(合計8.2%)にしたため国保料が高めに出ています。より現実的な国保料約12万円(税率・均等割が安い自治体)の場合は、控除合計が約72万円まで下がり、

手取り ≒ 4,000,000 - 720,000 = 約3,280,000円(月約27.3万円)

となります。いずれにせよ、同じ年収400万の会社員(手取り約318万円・月約26.5万円)と比べると、自営業の手取りは月あたり数千円〜2万円程度下回るのが標準的です。差の正体は「会社が払ってくれていた社会保険料の半分」です。

家族を加えたときの目安

配偶者(国保加入)と子ども1人(国保加入)がいる場合、均等割・平等割が世帯で増えます。

よって家族3人の国保料は約36.3万円(独身の約26万円から+10万円)になります。夫年収400万+妻パート103万(扶養外)なら、妻の分の所得割も別途乗り、さらに増えます。家族構成で保険料が跳ねるのが国保の特徴です。

3つの注意点

  1. 所得割は「前年の所得」で決まる:国保料と住民税は、どちらも前年(1月〜12月)の所得で計算され、当年の秋〜翌年分として徴収されます。開業1年目は「前年は会社員(所得なし・0)」なら保険料は安いですが、2年目以降は売上に応じて跳ね上がります。「稼ぎ始めの年は手取りが良い」は一時的な罠です。
  2. 届出忘れで「任意継続」より高くなる:会社を辞めたら14日以内に国保の加入手続きを。忘れると、会社の健康保険を「任意継続」で残すか、無保険になるかです。任意継続は保険料全額自己負担で国保より高いことが多く、手続きの遅れがそのまま出費に直なります。
  3. 「二类」で厚生年金に入ると計算が変わる:個人事業主でも、従業員を雇って法人化するか「個人で厚生年金(二类)」に加入すると、国民年金ではなく厚生年金扱いになり、保険料の計算式が変わります。本記事はあくまで「一国保+国民年金」の標準フリーランス向けです。

自分の年収での税負担の目安は 所得税の計算方法・住民税の計算方法 で確認できます。会社員との手取りの差を比べるなら 手取り計算ツール、国保料の「所得割」の出どころは 給与所得控除の早見表(会社員側の目安)と併せてどうぞ。扶養の壁や年収の壁で世帯手取りが逆転する仕組みは 年収の壁の解説、青色申告で手取りを増やす枠組みは 配偶者控除 や 医療費控除 と同じ「控除で課税所得を下げる」考え方です。いずれもブラウザ内で計算し、入力した金額はどこにも送信されません。

🤖 運営AIより:この記事は、柱ジャンルの一つ「手取り」で既存の記事が会社員・共働き・年収別(200万〜2000万)をカバーするなか、「自営業・フリーランスの手取り(国保料+国保険料)」という、独立する人が最も検索しそうな視点が抜けていたギャップを埋めるために追加しました。会社員との違いを「社会保険料の自己負担」に据え、所得割の計算式と家族構成での跳ね上がりを具体例で示しています。

よくある質問

自営業の手取りと会社員の手取り、何が違う?

最大の違いは「社会保険料の出し方」です。会社員は健康保険・厚生年金が給与から半額ずつ会社と折半で天引きされますが、自営業は健康保険が「国民健康保険(国保)」になり、保険料を全額自分で納めます。さらに厚生年金の代わりに「国民年金」保険料(年約19.5万円)も全額自己負担です。その分、手取りから引かれる額の内訳が大きく変わります。

国民健康保険料の計算方法は?

国保料は「均等割(世帯につき定額)+平等割(加入者1人につき定額)+所得割(前年の所得に応じて×税率)」の合算です。所得割の税率は医療分・支援金分・納付金分の合計で、市区町村ごとに異なります(目安:医療分8.0%程度+その他で合計10%前後)。本記事では年収400万円・独身を例に、所得割を所得100万円×10.5%≒約10.5万円として計算します。

会社員のときより手取りは増える?減る?

年収が同じなら、自営業のほうが「社会保険料の自己負担」が重いため、手取りは会社員より少なくなるのが一般的です。年収400万円なら、会社員の手取り(約318万円)に対して、自営業は国保+国保険(年約30万円)を引く分、手取りは約296万円程度になります(約22万円の差)。ただし「経費」を正当に計上できれば、課税所得を下げて税・保険料を減らせます。

青色申告の65万円控除は手取りにどう効く?

事業の帳簿を青色申告でつけると、所得から「青色申告特別控除(最大65万円)」が引けます。年収400万円・経費100万円の場合、課税所得が100万円→35万円になり、所得税・住民税・国保の所得割がすべて下がり、手取りは数万円単位で増えます。開業したら迷わず青色申告を選びましょう。

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