親からもらったお金の贈与税はいくら? 基礎控除110万円を超えた分の税額を、暦年課税の税率表で1円単位に計算(300万なら19万・1000万なら236万)

2026-08-28 | 贈与税 税金 基礎控除 相続時精算課税 親からの贈与 家計 相続

便利箱編集部 | 編集方針・情報の確認

「実家の親から300万円すこしずつでもらった。これって贈与税がかかるの? いくら払えばいいの?」——親族間の資金移動は誰にでも起きうるのに、ネットで調べると「基礎控除110万円」という言葉だけが出てきて、「じゃあ110万を超えた分の税額は、具体的にどうなるのか」を数字で追っている記事は意外と少ないものです。

この記事では、贈与税の暦年課税(毎年もらった分をその年ごとに計算)を前提に、基礎控除110万円 → 超過累進税率(7段階)→ 復興特別所得税2.1%の上乗せの順で、実際の計算式と数値をすべて出します。さらに、親から子へ300万・500万・1000万・3000万円をもらった場合の税額を1円単位で示し、「相続時精算課税」というもう一つの選択肢との違いも整理します。

📌 結論ファースト:贈与税は「もらった全額」にかかるのではなく、基礎控除110万円を引いた残り(課税価格)に超過累進税率を掛けます。親から子へもらった場合の目安は次のとおり(いずれも復興特別所得税2.1%込み)。 金額が大きくなるほど税率が跳ね上がる(最高55%)ため、「まとめてもらうと税額が膨らむ」のが贈与税の特徴です。

そもそも「誰が」税金を払うのか

贈与税の納税義務者は、お金や財産を「もらった人(受贈者)」です。あげた側(父母)ではありません。つまり「親から300万円もらった子」が申告・納税します。夫婦間や親子間であっても、年間110万円を超える金銭のやり取りは、もらった側にとって立派な「贈与」になり得ます。

ステップ1:基礎控除110万円を引く

贈与税の計算は、まず1月1日〜12月31日の1年間にもらった贈与の合計額から、基礎控除110万円を差し引くことから始まります(令和10年(2028年)からは150万円に引き上げられる予定の制度改正がありますが、現時点の基礎控除は110万円です)。

課税価格 = 1年間にもらった贈与の合計 - 110万円

課税価格が0円以下なら、そもそも税額は0円です。毎年110万円ずつ、長期間に分けてもらう「暦年課税」の基本は、この110万円の枠を超えないようにすることです。

ステップ2:超過累進税率表(7段階)を当てはめる

引いたあとの課税価格に、次の超過累進税率を掛けます。贈与税は「最高55%」という、所得税(最高45%)よりも急峻なカーブを持っています。

課税価格(1年間の贈与-110万円)税率控除額
200万円以下10%0円
300万円以下15%100,000円
400万円以下20%250,000円
600万円以下30%650,000円
1,000万円以下40%1,250,000円
1,500万円以下45%1,750,000円
3,000万円以下50%2,500,000円
3,000万円超55%4,000,000円

贈与税(復興税込み) =(課税価格 × 税率 - 控除額)× 1.021

「控除額」は速算表の調整項目で、累進課税の谷間を滑らかにする役割を持ちます。額面の課税価格に直接税率を掛けるだけでは正しい税額になりません。

ステップ3:具体例で計算する(親→子へもらった場合)

1年間にもらった贈与額課税価格
(-110万円)
税額
(税率×-控除)
復興特別所得税2.1%込み
100万円▲100,000円(基礎控除内)0円0円
300万円190万円(200万以下)190万×10%-0=19万円約193,990円
500万円390万円(400万以下)390万×20%-25万=53万円約540,930円
1,000万円890万円(1,000万以下)890万×40%-125万=231万円約2,357,510円
3,000万円2,890万円(3,000万以下)2,890万×50%-250万=1,195万円約12,200,950円

この数字から分かる通り、「もらう額が3倍(300万→1000万)になっても、税額は約12倍(19万→236万)に膨らむ」のが贈与税の怖いところです。1,000万円を一度にもらうより、3年かけて毎年110万円ずつ(計330万円)もらうほうが、税額は0円のまま済む計算になります。

ステップ4:「相続時精算課税」というもう一つの選択肢

贈与には暦年課税のほかに、相続時精算課税という制度があります。次のすべてに当てはまる場合に選べます。

相続時精算課税の仕組みは次のとおりです。

項目暦年課税相続時精算課税
基礎控除年110万円通算で2,500万円(一度きり)
税率超過累進(最高55%)一律20%
計算の単位1年ごと累計(生涯通算)
相続時の扱い相続財産に含まれない相続時に「贈与時の財産+相続財産」を合算して相続税を再計算し、差額を精算

どちらが得かは「いくらもらうか」で決まります。例えば親から3,000万円をもらう場合:

まとまった額を一度にもらうなら、相続時精算課税のほうが税額が圧倒的に安くなります。ただし「相続時に合算して相続税を再計算する」という性質上、結局は相続税の計算に回される点に注意が必要です(相続税の方が有利ならその分しか取られませんが、不利なら追加納付があります)。

ステップ5:申告と納付の期限

贈与税の申告・納付期限は、贈与をもらった年の翌年2月1日〜3月15日です。基礎控除110万円以下なら申告不要ですが、それを超える場合は確定申告と同じ時期に、税務署へ申告します。申告し忘れると、無申告加算税などが上乗せされる恐れがあります。

ここがつまずきやすい5つの罠

  1. 「あげた人が払う」と思い込む。 納税義務者はもらった人です。親が「税金は俺が払う」と言っても、法的には子が納税者。親が代わりに税金を払えば、その税金分も「贈与」と見なされる(二重の贈与)恐れがあります。
  2. 「毎月10万円ずつなら大丈夫」の落とし穴。 暦年課税は「1年間の合計」で見ます。毎月10万円×12ヶ月=120万円なら、年間で110万円を超えるため、超えた10万円分に税がかかります(10万×10%=1万円+復興税)。月割りしても年間合計で判定される点に注意。
  3. 「連年贈与」の否認リスク。 あらかじめ「何年間にわたって毎年○万円あげる」と当事者間で合意した連年贈与は、過去の判例で「基礎控除の適用なし(全体を一つの贈与とみなす)」とされたことがあります(令和7年(2025年)の相続税・贈与税改正で、一定の「見直し」が行われましたが、事前の合意の有無は引き続き重要な考慮要素です)。素人判断せず、税理士等へご相談ください。
  4. 特例(住宅・教育・結婚子育て資金)と混同する。 「住宅取得等資金の贈与」(最大1,500万円まで非課税の特例)や「教育資金の贈与」(最大1,500万円)、「結婚・子育て資金の贈与」(最大1,000万円)には、それぞれ別の非課税枠があります。これらを使う場合は、暦年110万円の基礎控除とは別枠で、所定の手続き(申告・証明書等)が必要です。
  5. 「配偶者控除」等と混同する。 贈与税の基礎控除110万円は、所得税の「配偶者控除」や「扶養控除」とは全く別の制度です。夫婦間の贈与でも、年110万円を超えれば贈与税の対象になります(ただし夫婦の居住用财产の贈与には別の特例があります)。

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まとめ

贈与税は「もらった全額」ではなく、基礎控除110万円を引いた課税価格に超過累進税率(最高55%)を掛け、さらに復興特別所得税2.1%を上乗せた額です。親から300万円なら約19万円、1000万円なら約236万円、3000万円なら約1,220万円が目安。まとめてもらうほど税額は跳ね上がるため、長期間に分けて年110万円以内に収めるか、多額の場合は相続時精算課税(2,500万円基礎控除・20%一律)を選ぶかの判断が鍵になります。納税義務者はあくまで「もらった人」であり、申告期限は翌年3月15日です。住宅・教育・結婚子育て資金には別の非課税特例枠があるため、ご自身のケースに合う制度を確認してください。

本記事の数値は、暦年課税・基礎控除110万円・現行の贈与税税率表(平成27年以降)・復興特別所得税2.1%を前提とした概算・目安です。令和10年(2028年)には基礎控除の引き上げ等の制度改正が予定されており、連年贈与の取扱いや各種非課税特例の要件(証明書・申告手続き等)も厳密です。正確な税額と適用可否は、国税庁の「贈与税の計算」やお近くの税理士・税務署でご確認ください。本記事は情報提供を目的とし、個別の税務相談に代わるものではありません。計算はすべてブラウザ内で行われ、入力した情報が外部に送信されることはありません。

よくある質問

贈与税の基礎控除はいくらですか?

暦年課税の基礎控除は年110万円です(令和10年=2028年から150万円への引き上げが予定されています)。1月1日から12月31日の1年間にもらった贈与の合計からこの110万円を引いた残り(課税価格)に税率が掛かります。110万円以下なら税額は0円です。

親から300万円もらったら贈与税はいくら?

課税価格は300万-110万=190万円(200万円以下の区分)で、税率10%・控除0円です。税額は190万×10%=19万円、そこに復興特別所得税2.1%を上乗せして約193,990円が目安です。

贈与税と相続時精算課税、どちらを選ぶべき?

もらう額が少額なら暦年課税(年110万円以内なら非課税)が有利です。一方、親から3,000万円などまとまった額を一度にもらう場合は、相続時精算課税(通算基礎控除2,500万円・一律20%)を選ぶと税額が大幅に安くなることが多いです。ただし精算課税は相続時に合算して相続税を再計算する性質を持つため、ご自身の状況での有利不利は専門家へご相談ください。

贈与税を払うのはあげた人ですかもらった人ですか?

納税義務者は「もらった人(受贈者)」です。親があげたとしても、子が申告・納税します。親が代わりに税金を立て替えれば、その立て替えた分も新たな贈与と見なされる恐れがあるため注意が必要です。

毎月少しずつもらえば贈与税はかからない?

暦年課税は「1年間の合計額」で判定されます。毎月10万円ずつでも年間120万円になれば110万円を超えるため、超えた10万円分(約1万円+復興税)が課税対象になります。年間合計で110万円以内に収める必要があります。

住宅や教育の資金にもらった場合は非課税ですか?

住宅取得等資金(最大1,500万円)、教育資金(最大1,500万円)、結婚・子育て資金(最大1,000万円)には、それぞれ別の非課税特例枠があります。これらは暦年110万円の基礎控除とは別枠で、所定の手続き(申告や証明書の提出)が必要です。要件を満たせば贈与税がかからない場合があります。

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