贈与税はいくらまで大丈夫? 110万円の基礎控除と税率表から1円単位で計算(暦年課税 vs 相続時精算課税)

2026-08-19 | 税金 贈与税 基礎控除 相続時精算課税 家計 計算

便利箱編集部 | 編集方針・情報の確認

「親から子どもへ、いくらまで贈与しても税金がかからないの?」——住宅資金の援助、教育資金、結婚・子育て資金。家族間の贈与は、誰もが一度は直面する「お金の疑問」です。ネットで「贈与税 計算」「贈与税 いくらまで」と検索する人は多いですが、「年110万円の基礎控除」のあとにどれだけの税額がかかるかを、税率表(速算表)の根拠から具体数値で追っているページは意外と少ないものです。

この記事では、贈与税の基礎控除(年110万円)と、それを超えた分にかかる税率表(速算表)を根拠に、贈与額ごとの税額を1円単位で整理します。200万円なら9万円、500万円なら48.5万円という具体例と、知らないと損する「年内に複数回もらっても合算される」ルール、そして高額な場合は相続時精算課税(2,500万円非課税+20%)が圧倒的に有利になる「分岐」を計算します。

結論:年110万円までは非課税、超えた分に10%〜55%の税額

贈与税の基本はシンプルです。1月1日から12月31日までの1年間に、同じ人から贈与を受けた金額の総額から、まず110万円の基礎控除を引きます。その残り(控除後の金額)に、税率表の税率をかけて税額を出します(累進の速算表なので「控除後金額 × 税率 − 控除額」)。

1年間の贈与総額基礎控除後の金額贈与税額
110万円以下0円0円(非課税)
200万円90万円9万円
500万円390万円70.5万円
1,000万円890万円177万円

ポイントは、贈与額が大きくなるほど税率が跳ね上がることです。控除後金額が1,500万円を超えると税率45%、4,500万円を超えるとついに55%になります。「ちょっと多めにあげよう」が、税額では何倍もの差になります。

ステップ1:暦年課税の仕組み(誰が・いつからいつまで)

贈与税には大きく2つの計算方式があります。まず基本である「暦年課税」の仕組みです。

つまり「同じ人から、1年間に、いくらもらったか」がポイントです。

ステップ2:根拠となる税率表(速算表)の全段階

基礎控除(110万円)を引いたあとの金額に対して、次の「贈与税の速算表」が適用されます(令和の現行ルール)。計算は 税額 = 控除後金額 × 税率 − 控除額 です。

基礎控除後の金額税率控除額
200万円以下10%0
200万円超 400万円以下15%10万円
400万円超 600万円以下20%30万円
600万円超 1,000万円以下30%90万円
1,000万円超 1,500万円以下40%190万円
1,500万円超 3,000万円以下45%265万円
3,000万円超 4,500万円以下50%415万円
4,500万円超55%640万円

この表は国税庁が公表する「贈与税の速算表」と同一です。「〇%」という単一税率ではなく、控除後金額の段階ごとに税率と控除額が決まるのが贈与税の特徴です。

ステップ3:具体数値例で確認(と「年内合算」の罠)

1年間の贈与総額控除後金額税額の計算贈与税額
110万円(ちょうど)0円基礎控除内0円
200万円90万円90万×10%−09万円
300万円190万円190万×10%−019万円
500万円390万円390万×15%−10万48.5万円
1,000万円890万円890万×30%−90万177万円
2,000万円1,890万円1,890万×40%−190万566万円

ここが最大の罠です。「年内に100万円ずつ2回もらえば大丈夫」と思いがちですが、暦年課税では同じ人からの1年間の合計で判定します。100万円×2回=200万円となり、基礎控除110万円を引いた90万円に10%がかかり、結局9万円の税額が発生します。あらかじめ「年110万円以内に収める」か、「相続時精算課税」を使うかを設計する必要があります。

ステップ4:高額なら「相続時精算課税」が圧倒的に有利

贈与者が60歳以上で、受贈者が20歳以上の直系卑属(子・孫など)なら、暦年課税の代わりに「相続時精算課税」を選べます。仕組みは次の通りです。

項目相続時精算課税
非課税枠累計 2,500万円まで非課税
税率2,500万円を超える部分は一律 20%
相続時の精算贈与時に払った税額を、のちの相続税から差し引く(精算)

親(65歳)から子(30歳)へ、住宅資金として3,000万円を一括贈与する場合を比べます。

計算方式税額の計算贈与時にかかる税額
暦年課税控除後2,890万×45%−265万1,035.5万円
相続時精算課税2,500万非課税+500万×20%100万円

約935万円もの差が出ます。高額な住宅資金や事業承継の援助では、相続時精算課税を選ぶことがほとんどです。ただし、相続時に「贈与時の2,500万円分も相続財産に持ち戻して」相続税を計算するため、最終的には相続税の計算に組み込まれます(精算課税の「精算」とはこのことです)。

ステップ5:よくある誤算3つ

  1. 「一度に110万円以内なら何回でも」:暦年課税は「1年間の合計」で判定します。同じ人から年内に複数回もらうと合算され、110万円を超えれば税額が発生します。
  2. 「夫婦で子に贈与すれば各110万円」と実態なく分散:父母それぞれからの贈与は別計算になるため、実態として夫婦それぞれからの贈与であれば各110万円(計220万円)まで非課税です。しかし、名義だけ親戚にして贈与者を偽装するようなケースは否認されます。実態に即した贈与を行います。
  3. 「贈与税を払えば自由にいくらでも」:税額を払えば違法ではありませんが、高額になるほど税率が55%まで跳ね上がるため、相続時精算課税や、そもそも「相続」のタイミングで渡す方法との比較をすべきです。また、贈与税の申告(必要な場合)を怠ると、原則として過少申告加算税などがかかります。

関連ツール・記事で自分の数字を確かめる

注意事項

本記事の基礎控除(110万円)、税率表(速算表)、相続時精算課税の非課税枠(2,500万円)・税率(20%)などの数値は、贈与税法および相続税法の現行ルール(令和の税制)に基づきます。贈与税の税額、相続時精算課税の適用要件(贈与者60歳以上・受贈者20歳以上の直系卑属等)、および精算の方法は、税制改正や個別の事情(負担付贈与、その他の特例措置など)によって変わることがあります。自身の贈与計画や申告の要否は、国税庁の「贈与税の特例などについて」、最寄りの税務署、および必要に応じて税理士等の専門家にご確認ください。本記事は情報提供を目的とし、個別の税務相談に代わるものではありません。本記事の計算はすべてブラウザ内で行われ、入力した情報が外部に送信されることはありません。

よくある質問

贈与税の基礎控除(110万円)の意味は?

1月1日から12月31日までの1年間に、同じ人から贈与を受けた金額の総額から110万円を控除し、残りに税率をかけます。年110万円以下なら税額は0円です。途中で複数回もらっても、年内は合算して年単位で判定します。

贈与税の税率はどれくらいですか?

控除後の金額に対して、10%〜55%の速算表(1,500万円超で45%、4,500万円超で55%)が適用されます。例えば控除後90万円なら9万円、控除後890万円なら177万円の税額になります。

相続時精算課税との違いは何ですか?

贈与者が60歳以上で、受贈者が20歳以上の直系卑属(子・孫)なら、暦年課税の代わりに「相続時精算課税」を選べます。累計2,500万円まで非課税で、それ以上は一律20%。高額な住宅資金などの援助は、こちらのほうが税額が大幅に安くなることが多いです。

夫婦で子どもに贈与する場合はどうなりますか?

贈与者ごとに別計算されるため、父母それぞれから年110万円ずつ(計220万円)もらえば、各人の基礎控除内で税額は0円になります。ただし、実態なく贈与者を分散させるだけの偽装は否認リスクがあるため、実態に即した形で行います。

[ 広告枠 / Google AdSense ]

‹ ブログ一覧へ