Googleは9月23日、Gemini 3.8 Flash TTSとFlash-Lite TTSを発表しました。Flashは個性的な声の設計や表現豊かな台詞の演出向け、Flash-Liteは大量の吹き替えや音声制作向けと位置付けられています。発表によると、台本の行ごとに話速、感情、間、会話中の相づちなどを指定でき、1本の台本から二人の会話も生成できます。

Google Geminiの音声キーワードビジュアル
Googleの発表に掲載されたGemini音声ビジュアル。blog.google

発表画像には新しい音声モデル名が記されており、声の設計や台詞の演出を行う製品として紹介されています。

本人性への影響が大きい機能は、声の複製です。Googleによると、利用者は30秒の音声サンプルから一貫した声の特徴を作れますが、その声を使用する権利が必要です。また、声の持ち主による同意音声との照合を行い、生成音声にはSynthIDの電子透かしとC2PA認証情報を付けると説明しています。これらはGoogleが示す保護策であり、悪用をどれほど防げるか、第三者が透かしをどれほど確実に検出できるかを独立に証明するものではありません。

GoogleはHume AIとVoice Arenaの評価を挙げ、声の設計や人間の選好で上位だったとしています。これはベンダーが発表したランキングです。別のRW-Voice-EQ研究論文は、自然さ、表現力、声の一貫性、信頼性などを分けて評価すべきだと論じています。この論文は評価方法を考える手掛かりになりますが、Gemini 3.8を独立に試験したものではありません。

提供状況も一様ではありません。GoogleはGemini APIとAI Studioで開発者向け提供を始め、他製品は段階的に展開するとしています。AI Studioの声複製機能はEEA、英国、スイス、インド、米国のイリノイ州とテキサス州では利用できません。導入を検討する際は、長い制作物でも演技が安定するか、対象言語で十分な品質が出るか、実運用で同意確認と透かしがどう機能するかを確かめる必要があります。今回の発表が示すのは新しい制御機能と提供経路であり、制作現場での品質を独立に証明した結果ではありません。