Daniel LemireのGeekbench 6による比較では、2022年から2024年にかけて発売された、同等の8コア構成で3D V-Cacheを搭載したRyzen 7プロセッサー3世代において、性能が約50%向上したと報告されています。5800X3Dはシングルコアテストで2,016、マルチコアテストで11,832を獲得しました。一方、9800X3Dはそれぞれ2,969と18,751を獲得しています。これはシングルコアで47%、マルチコアで58%の向上です。

このベンチマークチャートは、3D V-Cacheを搭載したRyzen 7プロセッサー3世代で報告された約50%の性能向上を数値で示しています。
Lemireの説明では、クロック速度の上昇だけではこの結果を説明できません。最大ブースト周波数は4.5 GHzから5.2 GHzへ、つまり約15%上昇しましたが、トランジスター数は約110億個から160億個へ増えています。追加されたトランジスターの大部分は3Dキャッシュではなくコア側に使われたと、Lemireは述べています。
コアの変更は、性能差を説明する手がかりになります。Lemireによると、Zen 5では1クロックあたり発行できる命令数が6命令から8命令へ増え、整数演算ユニットは4基から6基へ増加し、リオーダーバッファは256エントリから448エントリへ拡大しました。これにより、より多くの命令を同時に処理中の状態に保てます。コアあたりのL2キャッシュは512 KBから1 MBへ倍増し、L1データキャッシュも32 KBから48 KBへ増えています。

この図は、記事で説明した命令発行の拡大、整数演算ユニットの追加、リオーダーバッファの大型化、キャッシュ容量の拡大を整理しています。
Zen 5では、プロセッサーのベクター演算機構も変更されています。Lemireは、Zen 3とZen 4の4基の256ビットSIMD演算ユニットに対し、Zen 5では4基の512ビットSIMD演算ユニットを備えると説明しています。加えて、ロードとストアの幅も拡大しています。ソフトウェアがこれらの機能を利用できる場合、1クロックあたりにより多くのデータを移動または処理できます。ただし、この記事には、各アーキテクチャ変更が性能にどれだけ寄与したかをワークロード別のベンチマークで示したデータは含まれていません。したがって、報告された性能向上は、すべてのアプリケーションに共通する速度向上ではなく、Geekbenchによる比較結果として捉えるべきです。

この比較図は、1クロックあたりにより多くのデータを移動または処理できる、より広いベクター演算ユニット、ロード、ストアを示しています。